女忍、躍動する
「・・・ティア。これまでの話を聞いて、貴女は今どういった考えを持っていますか?」
「どういった、とは・・・」
「くのいちさんが言われたよう、今のダアトは隠してる物も含めて四つの派閥が存在します。ですが僕を筆頭としているといったように宣伝している改革派ですが、僕個人としてはあくまでもコーメイ・・・いえ、丞相の側の人間でいて協力者です」
「なっ・・・何でイオン様が丞相の側と言うか、下みたいな言い方をしているのですか・・・!?」
「・・・貴女は僕の立場が導師ということからそのようなことはないと否定するでしょうが、預言改革派の人達は僕の考えがモースに沿ってない事から僕を筆頭として派閥を作っています。ですが僕はそのようなことをしてほしいと頼んだ覚えもありませんし、彼らの筆頭になったつもりもありません。そしてそんな彼らに一度そんなことしないようにと言いましたが、彼らは僕の言葉をちゃんと受け止めて聞いてはくれず今も尚活動しています・・・彼らだけでなくモースも含めてだと思いますが、彼らからすれば僕の意志は必要なくお飾りの象徴としての存在が欲しいんです。導師というお飾りの存在が」
「そっ、そんなこと・・・」
「なら彼らが僕の意志を無視して独善的に動き、勝手に人を矢面に上げることは間違いではないと言えますか?終わった時には僕のためになるとか、後付けで納得してもらうといったような理由は使わないようにです」
「・・・っ・・・!」
更にイオンは自身のダアト内の派閥での事に話を広げていきその行動が間違いではないかとティアに問うと、順序を追ってちゃんと逃げ道まで塞いだ道理に反論が出来なくなり視線をさ迷わせながら必死に考えようとする。
・・・実際の所、ダアトの派閥争いに関して筆頭として上げられた二人が意図して集めた集団ではないのは事実だ。あくまで下の教団の人間がその姿勢からイオンとモースの二人はどういった考えなのかと見た上で、自分がどっち寄りかという考えが募ってそれが集団になり自然と派閥と呼ばれるまでの規模になったのである。
そんな派閥だがモースはともかくとしても、イオンは自身を筆頭とする派閥に関して信頼出来ると思ったりだとか利用出来るなどと思ったことはない。むしろ勝手に作られた派閥のトップに据えられただけで、その意志はほぼ無いに等しいのだ。
・・・こんな状態なのに今のイオンがただ状況を単純に受け入れるなどあるはずもなく、その派閥に関してはもう名前だけを貸して放っておいているというのが実状なのである。下手に何か言ってもあまり話が通じないし自分達にとって都合のいい部分しか聞かないと、そう言った面がある為に。
「・・・それでもその人達は僕のために動いていると、そう思っているから貴女は何とか言葉を返したいのかもしれませんが僕は僕です。今の僕は彼らと行動を共にして動くより、丞相と共に本当の意味でダアトをより良くする為に動きたい・・・そう考えて動いているんです。これから先丞相の考えがうまく行けばヴァンにモースを排する事になるのが目に見えていても」
「なっ!?モース様に兄さんを排するって、何故そんなことを!?」
「そんなことをも何も、今までのやり取りで嫌でも貴女も理解しているはずです。モースが預言を達成するためには貴女達もろともアクゼリュスを消滅させてもいいとの判断を容易に下せる事に、ヴァンはそんなモースを利用して動いている・・・そんな二人がダアトにいることは、貴女から見てダアトにとって良いことだと自信を持って言えますか?」
「そ・・・れは・・・」
そんな改革派の人間達とは違うと言った上でコーメイの陣営と強調するイオンに何とか反論するティアだが、ヴァンとモースの二人を引き合いに出されて途端に勢いを失い答えを返せずに絶句する。自分もはめられたために大丈夫とは返せないとなって。
.
「どういった、とは・・・」
「くのいちさんが言われたよう、今のダアトは隠してる物も含めて四つの派閥が存在します。ですが僕を筆頭としているといったように宣伝している改革派ですが、僕個人としてはあくまでもコーメイ・・・いえ、丞相の側の人間でいて協力者です」
「なっ・・・何でイオン様が丞相の側と言うか、下みたいな言い方をしているのですか・・・!?」
「・・・貴女は僕の立場が導師ということからそのようなことはないと否定するでしょうが、預言改革派の人達は僕の考えがモースに沿ってない事から僕を筆頭として派閥を作っています。ですが僕はそのようなことをしてほしいと頼んだ覚えもありませんし、彼らの筆頭になったつもりもありません。そしてそんな彼らに一度そんなことしないようにと言いましたが、彼らは僕の言葉をちゃんと受け止めて聞いてはくれず今も尚活動しています・・・彼らだけでなくモースも含めてだと思いますが、彼らからすれば僕の意志は必要なくお飾りの象徴としての存在が欲しいんです。導師というお飾りの存在が」
「そっ、そんなこと・・・」
「なら彼らが僕の意志を無視して独善的に動き、勝手に人を矢面に上げることは間違いではないと言えますか?終わった時には僕のためになるとか、後付けで納得してもらうといったような理由は使わないようにです」
「・・・っ・・・!」
更にイオンは自身のダアト内の派閥での事に話を広げていきその行動が間違いではないかとティアに問うと、順序を追ってちゃんと逃げ道まで塞いだ道理に反論が出来なくなり視線をさ迷わせながら必死に考えようとする。
・・・実際の所、ダアトの派閥争いに関して筆頭として上げられた二人が意図して集めた集団ではないのは事実だ。あくまで下の教団の人間がその姿勢からイオンとモースの二人はどういった考えなのかと見た上で、自分がどっち寄りかという考えが募ってそれが集団になり自然と派閥と呼ばれるまでの規模になったのである。
そんな派閥だがモースはともかくとしても、イオンは自身を筆頭とする派閥に関して信頼出来ると思ったりだとか利用出来るなどと思ったことはない。むしろ勝手に作られた派閥のトップに据えられただけで、その意志はほぼ無いに等しいのだ。
・・・こんな状態なのに今のイオンがただ状況を単純に受け入れるなどあるはずもなく、その派閥に関してはもう名前だけを貸して放っておいているというのが実状なのである。下手に何か言ってもあまり話が通じないし自分達にとって都合のいい部分しか聞かないと、そう言った面がある為に。
「・・・それでもその人達は僕のために動いていると、そう思っているから貴女は何とか言葉を返したいのかもしれませんが僕は僕です。今の僕は彼らと行動を共にして動くより、丞相と共に本当の意味でダアトをより良くする為に動きたい・・・そう考えて動いているんです。これから先丞相の考えがうまく行けばヴァンにモースを排する事になるのが目に見えていても」
「なっ!?モース様に兄さんを排するって、何故そんなことを!?」
「そんなことをも何も、今までのやり取りで嫌でも貴女も理解しているはずです。モースが預言を達成するためには貴女達もろともアクゼリュスを消滅させてもいいとの判断を容易に下せる事に、ヴァンはそんなモースを利用して動いている・・・そんな二人がダアトにいることは、貴女から見てダアトにとって良いことだと自信を持って言えますか?」
「そ・・・れは・・・」
そんな改革派の人間達とは違うと言った上でコーメイの陣営と強調するイオンに何とか反論するティアだが、ヴァンとモースの二人を引き合いに出されて途端に勢いを失い答えを返せずに絶句する。自分もはめられたために大丈夫とは返せないとなって。
.