女忍、躍動する
「・・・ま、聞きたいことは色々あるだろうけど、まずは先に言っておくよ。私達は大詠師の側でも謡将の側でもなく、あくまで旦那様側として動いてる。その上でもっと言うなら、マルクト側に寄った立場で行動してるからね」
「ほう・・・大詠師でも謡将でもないと言った上でマルクト側に寄った、ですか。興味深いですね」
「おい眼鏡、テメェこの女の言うことを真に受けるっていうのか・・・!?」
「少なくとも彼女達が謡将の企みを阻止してくれたという事実に変わりはありませんよ。そしておそらく状況を見る限りでは大詠師の望み通りの状態ではないというのも、これまでの流れから嘘ではないと私は思ってます・・・少なくとも今この場から逃げ去った謡将を信じるよりは彼女達の方が信じるに値します」
「・・・チッ・・・!」
くのいちはまずは牽制とばかりに敵ではないと告げるとジェイドが納得した様子に浮かべた事にアッシュが反感を示すが、すぐさま信じられる理由を述べられ気に食わないと盛大な舌打ちをする。
「ちょっ、ちょっと待ってください!・・・い、色々聞きたいことはあるんですけど・・・教官は、兄さんを裏切っていたのですか・・・!?」
「・・・裏切っていたかというならそうなる。一時期までは謡将に忠誠を誓っていたが以降は謡将の側についているからな。だがティアよ・・・今の言い方では私に謡将の味方であってほしいと思った上で、かつお前が危惧していた事について行ってほしいと思っていたように感じるがどうなのだ?」
「っ・・・そ、それは・・・」
今度はティアが焦ったようにリグレットに何故と問い掛けるが、肯定すると同時に敵であってほしいと願うのかと冷めた目で言われてたまらず視線を背ける。
「・・・まぁいいだろう。とりあえずは奥方、まずここから出ましょう。話はそこからで」
「うん、ここだけで話をするにはちょっと難しいから外に出るよ。実際に見てもらわないと納得出来ない事もあるだろうし」
「・・・実際に見て、ですか。私は構いませんよ、色々聞きたいこともありますしそちらからも色々話してくれるのですよね?」
「それは勿論。ただこの場にいる皆で一緒に来ること、が条件だけどね」
「何・・・ということは、まさかこの屑もだというのか・・・!?」
「っ・・・!?」
その姿に突っ込む事なくリグレットはくのいちに話題を振り先に話を進めようとするが、ジェイドの賛同の空気とは対照的にアッシュはまだ倒れてるルークを見下しながら苛立ったように声を向け、ルークはビクリと怯えるように体をすくめる。
「・・・アッシュ、言っておくけどルークを害するような事だったり適当に茶を濁して逃げるような事を選ぶんなら・・・手足の一本か二本は、覚悟してもらうよ?」
「「「「っ!?」」」」
・・・瞬間、くのいちが熱を点さない視線と共に発したほの暗い殺気と共にクナイを構えた事にリグレットやアニスまでも含めて迂闊な事は言えずに静止するしかなかった。脅しや嘘などではない、明らかな害意を持った恐ろしさがあったために。
「・・・というわけで~、一緒に来る?来ない?選択は今ここでしないと、本当に手足とお別れする事になるよ~?」
「っ・・・・・・くっ!分かった、一緒にいきゃいいんだろ、いきゃ!」
「物分かりがよくてよかったよかった♪」
そして一転して笑顔を浮かべながらクナイをクルクル指で回しつつ恐ろしい事を口にするくのいちに、圧されたのを何とか誤魔化しつつも威勢よく行くとアッシュは言い、くのいちは笑顔のままクナイを納める。物騒な事をしようとした痕跡など、まるでないといった様子で。
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「ほう・・・大詠師でも謡将でもないと言った上でマルクト側に寄った、ですか。興味深いですね」
「おい眼鏡、テメェこの女の言うことを真に受けるっていうのか・・・!?」
「少なくとも彼女達が謡将の企みを阻止してくれたという事実に変わりはありませんよ。そしておそらく状況を見る限りでは大詠師の望み通りの状態ではないというのも、これまでの流れから嘘ではないと私は思ってます・・・少なくとも今この場から逃げ去った謡将を信じるよりは彼女達の方が信じるに値します」
「・・・チッ・・・!」
くのいちはまずは牽制とばかりに敵ではないと告げるとジェイドが納得した様子に浮かべた事にアッシュが反感を示すが、すぐさま信じられる理由を述べられ気に食わないと盛大な舌打ちをする。
「ちょっ、ちょっと待ってください!・・・い、色々聞きたいことはあるんですけど・・・教官は、兄さんを裏切っていたのですか・・・!?」
「・・・裏切っていたかというならそうなる。一時期までは謡将に忠誠を誓っていたが以降は謡将の側についているからな。だがティアよ・・・今の言い方では私に謡将の味方であってほしいと思った上で、かつお前が危惧していた事について行ってほしいと思っていたように感じるがどうなのだ?」
「っ・・・そ、それは・・・」
今度はティアが焦ったようにリグレットに何故と問い掛けるが、肯定すると同時に敵であってほしいと願うのかと冷めた目で言われてたまらず視線を背ける。
「・・・まぁいいだろう。とりあえずは奥方、まずここから出ましょう。話はそこからで」
「うん、ここだけで話をするにはちょっと難しいから外に出るよ。実際に見てもらわないと納得出来ない事もあるだろうし」
「・・・実際に見て、ですか。私は構いませんよ、色々聞きたいこともありますしそちらからも色々話してくれるのですよね?」
「それは勿論。ただこの場にいる皆で一緒に来ること、が条件だけどね」
「何・・・ということは、まさかこの屑もだというのか・・・!?」
「っ・・・!?」
その姿に突っ込む事なくリグレットはくのいちに話題を振り先に話を進めようとするが、ジェイドの賛同の空気とは対照的にアッシュはまだ倒れてるルークを見下しながら苛立ったように声を向け、ルークはビクリと怯えるように体をすくめる。
「・・・アッシュ、言っておくけどルークを害するような事だったり適当に茶を濁して逃げるような事を選ぶんなら・・・手足の一本か二本は、覚悟してもらうよ?」
「「「「っ!?」」」」
・・・瞬間、くのいちが熱を点さない視線と共に発したほの暗い殺気と共にクナイを構えた事にリグレットやアニスまでも含めて迂闊な事は言えずに静止するしかなかった。脅しや嘘などではない、明らかな害意を持った恐ろしさがあったために。
「・・・というわけで~、一緒に来る?来ない?選択は今ここでしないと、本当に手足とお別れする事になるよ~?」
「っ・・・・・・くっ!分かった、一緒にいきゃいいんだろ、いきゃ!」
「物分かりがよくてよかったよかった♪」
そして一転して笑顔を浮かべながらクナイをクルクル指で回しつつ恐ろしい事を口にするくのいちに、圧されたのを何とか誤魔化しつつも威勢よく行くとアッシュは言い、くのいちは笑顔のままクナイを納める。物騒な事をしようとした痕跡など、まるでないといった様子で。
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