女忍、躍動する
「報告としてはそれくらいになりますが、何か他に聞きたいことはあるでしょうか?」
「う~ん・・・聞きたいことというよりやってほしいことだけど、アッシュはアクゼリュスで確実に乱入してくるでしょ?だから兵士に関しては折を見て見張りは解いておいてね。下手に抵抗して無駄死にさせるのも避けるためにも」
「まぁそれは妥当ですね、アッシュに表立って行動してもらわねば色々困るわけですし。そちらについては時間が来たら見張りを意図的に引き剥がすようには設定しますよ、アッシュが脱け出せるチャンスとでも思えるようにね」
そして報告は終わりとしつつまだ何かあるならと聞くディストに、兵士の事を案じる発言をくのいちはしてすぐに対策案を口にして返す。
「それと後はアクゼリュスの件がうまくいってからって前置きになるけど、もしうまくいったならディストの予想としてはここ最近のアッシュは私達に素直に協力してくれると思う?今の流れを踏まえた上で元来のダアトでも謡将でもなく、旦那様の考えの元で動く私達に」
「・・・私の考えではまず自主的に協力など到底してくれないでしょうね。確かに彼が謡将に反旗を翻すのはまず間違いないとは思いますが、彼の性格上誰かと協力する事などまず選ばないでしょうが・・・何よりもまず彼からして謡将に反旗を翻す意味というのは、自分の理想の師匠像にそぐわない姿を謡将が見せたからそれをどうにかしたいという個人的極まりない物になるから、他人を巻き込みたくないとかいった考えではなく他ならぬ自分がやらなければなんになる・・・と言った意地から、我々に協力する考えはないと思われます」
「うわぁ・・・なにそれ、すごく面倒臭い・・・」
そのままアッシュの協力は得られるかについて問いかけるくのいちだが、ディストがそれはないとばかりに話を進めていった中身に極めて嫌そうに表情を歪める・・・アッシュが協力する気がない以上に、理由があまりにも個人的以外の何物でもなかった為に。
「貴女の気持ちは分かります。ですが彼とより長く接してきた私からすれば、彼は丞相と違い大義の為といった目的では動けない人間だとしか思えないんですよ。それも自分の中にある狭い狭い価値観を打ち破るどころか、自分の考えが世の中の全てだとまで思うくらい身勝手な考えでね」
「言いたいことは分かるけど・・・それなら謡将がまともな手段を取ってたんなら、もうアッシュは後はどうなろうが構わないって言ってるものっしょ?」
「正確にはナタリア殿下が被害を受けるかどうかもその判断基準の中に入ってくるでしょうね。まぁそれも今のアッシュでは彼女が目に見えた被害に会わないならいい程度の認識で、目下彼にとって重要なのは謡将を自分が止めること・・・貴女が言うようそれを為したなら後はどうなろうが構わないとでも思うか、もしくは以降に自分がどうするかに何をしたいのかといった考えなど全くないでしょうね。彼の思うように謡将を止めたとして、自身の立場がどうなるかだとかそういったことなど考えの端に浮かぶこともなく」
「ん~・・・どっちもどっちな感じだな~、その二つ・・・でもどっちにも共通しているのは、アッシュを神託の盾及びダアトに残すのは危険だって事かな」
「そうですね、それはまず間違いないでしょう」
そんなくのいちにアッシュはいかな人物なのかと自身の立場から話していった上で考えるだろう行動を述べるディストに、くのいちが脱力しつつも確かに感じた事を口にすると同意が返る。アッシュにダアトに残ってもらうメリットなど全くないと。
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「う~ん・・・聞きたいことというよりやってほしいことだけど、アッシュはアクゼリュスで確実に乱入してくるでしょ?だから兵士に関しては折を見て見張りは解いておいてね。下手に抵抗して無駄死にさせるのも避けるためにも」
「まぁそれは妥当ですね、アッシュに表立って行動してもらわねば色々困るわけですし。そちらについては時間が来たら見張りを意図的に引き剥がすようには設定しますよ、アッシュが脱け出せるチャンスとでも思えるようにね」
そして報告は終わりとしつつまだ何かあるならと聞くディストに、兵士の事を案じる発言をくのいちはしてすぐに対策案を口にして返す。
「それと後はアクゼリュスの件がうまくいってからって前置きになるけど、もしうまくいったならディストの予想としてはここ最近のアッシュは私達に素直に協力してくれると思う?今の流れを踏まえた上で元来のダアトでも謡将でもなく、旦那様の考えの元で動く私達に」
「・・・私の考えではまず自主的に協力など到底してくれないでしょうね。確かに彼が謡将に反旗を翻すのはまず間違いないとは思いますが、彼の性格上誰かと協力する事などまず選ばないでしょうが・・・何よりもまず彼からして謡将に反旗を翻す意味というのは、自分の理想の師匠像にそぐわない姿を謡将が見せたからそれをどうにかしたいという個人的極まりない物になるから、他人を巻き込みたくないとかいった考えではなく他ならぬ自分がやらなければなんになる・・・と言った意地から、我々に協力する考えはないと思われます」
「うわぁ・・・なにそれ、すごく面倒臭い・・・」
そのままアッシュの協力は得られるかについて問いかけるくのいちだが、ディストがそれはないとばかりに話を進めていった中身に極めて嫌そうに表情を歪める・・・アッシュが協力する気がない以上に、理由があまりにも個人的以外の何物でもなかった為に。
「貴女の気持ちは分かります。ですが彼とより長く接してきた私からすれば、彼は丞相と違い大義の為といった目的では動けない人間だとしか思えないんですよ。それも自分の中にある狭い狭い価値観を打ち破るどころか、自分の考えが世の中の全てだとまで思うくらい身勝手な考えでね」
「言いたいことは分かるけど・・・それなら謡将がまともな手段を取ってたんなら、もうアッシュは後はどうなろうが構わないって言ってるものっしょ?」
「正確にはナタリア殿下が被害を受けるかどうかもその判断基準の中に入ってくるでしょうね。まぁそれも今のアッシュでは彼女が目に見えた被害に会わないならいい程度の認識で、目下彼にとって重要なのは謡将を自分が止めること・・・貴女が言うようそれを為したなら後はどうなろうが構わないとでも思うか、もしくは以降に自分がどうするかに何をしたいのかといった考えなど全くないでしょうね。彼の思うように謡将を止めたとして、自身の立場がどうなるかだとかそういったことなど考えの端に浮かぶこともなく」
「ん~・・・どっちもどっちな感じだな~、その二つ・・・でもどっちにも共通しているのは、アッシュを神託の盾及びダアトに残すのは危険だって事かな」
「そうですね、それはまず間違いないでしょう」
そんなくのいちにアッシュはいかな人物なのかと自身の立場から話していった上で考えるだろう行動を述べるディストに、くのいちが脱力しつつも確かに感じた事を口にすると同意が返る。アッシュにダアトに残ってもらうメリットなど全くないと。
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