「でも謡将とガイが確実に繋がってる証拠にはならないんだよね～・・・急いでいたからって言われたらそれまでだし」
「確かにそうですね・・・ただ貴女の中で謡将とガイはどういう繋がりなのか、推測だけでも立ってはいないのですか？」
「う～ん・・・まぁ無いことは無いよ。神託の盾に内緒にしてるっていうか、多分謡将からしたら私的な関係だって考えてるから、ガイの事を話してないんじゃないかなってね」
「私的な関係、ですか・・・となると彼の身の上に性格を考えれば、ガイが謡将と同郷である可能性は高いでしょうね。彼が身内以外に甘い考えを持つとは思えませんし、何より一人になれるプライベートな時間を一使用人の立場にいる人物にわざわざ削るとは思えませんからね」
「うん、だから一番有り得るとしたらその可能性なんだよ」
それで証拠が不十分という事からどういう繋がりがあるかという話になり、同郷の可能性についてをディストが頷きくのいちも間違いではないと思うというように話すが、表情を何とも言い難そうに変えて頭をかく。
「でもそれだとさっきも言ったけど、謡将はガイと本当の意味で協力関係と言い切れないんだよね～・・・ガイの知らない所で色々騙すようなことというか、言ってない事があるのは間違いないだろうし」
「そしてそんなガイが我々と仲間だといったような風に紹介だとか話にしないのもその辺りにあるのでしょう。謡将の性格を踏まえれば本当に自分の側の人間だと言うなら、一度か二度くらいは我々に引き合わせるか最低でも話くらいはしているでしょうからね・・・それをしない上で親しくしているということは、貴女の言うよう何か命令出来ない立場にガイがいる可能性は高くなります」
「・・・ルークかファブレに対する殺意に同郷、それで謡将が命令出来ない立場にいるけどその代わりとして色々なことを知らされないように動いてる・・・ディストから聞いた話も併せると、もしかしてガルディオスの生き残り・・・なんて線は考えられない？」
「ガルディオスの生き残り、ですか？元々謡将の主の家として名を馳せていた、あの・・・」
「うん。歳が上のはずの謡将がガイに言うことを聞かせられないっていうか、そうしない理由ってガイがもうその立場にいたからとしか思えないんだよね～。ファブレに恨みを持つっていう点でもこれ以上にないほど、適格な名前は他にないと思うし」
「成程・・・それは確かに頷けますね」
それでも決定力に欠けるとしつつも、くのいちは次第に思い至ったと言った様子でガイがガルディオスの生き残りではないか・・・そう言った考えに辿り着き、ディストも納得がいくと返す。その名が非常にしっくりときた様子で。
「ただ、それなら尚更の事ガイをファブレから引き剥がさねば事が済んだ後にまずい展開が起きる可能性は高いでしょうね。謡将はガイの復讐を手助けしていたのかはたまたその逆か・・・どちらもどちらと言えるかもしれない所か後者であったとしたなら、ガイを止める為のストッパーが無くなるも同然の事態になります。そうなればきっかけ一つでファブレの壊滅及び、それに発端したキムラスカとマルクトの戦争が起きるという流れになる可能性は避けられなくなるのは目に見えています」
「となれば、やっぱりガイをどうにかするべきだろうけど・・・確実な証拠がないと面倒な事になりかねないんだよね。一応ファブレの関係者になるんだし」
「その辺りに関しては私よりリグレットの方が謡将と長く関わっていますから、私が話をしておきますので後で我々と合流してから話を進めましょう。この場ではもう推測以上の事は話せないでしょうからね」
「あぁ、うん。そうしようか、ディストも自分の役目があるから来たんだろうし」
そして危険度が高いとしつつも話を変えるべきというディストにくのいちも頷く。情報はもうこれ以上出ないために。










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