女忍、躍動する
くのいちの忍耐力がガリガリと削られていく旅・・・そんなくのいち達を乗せた船はカイツールの港に到着した。
(・・・謡将はもうアクゼリュスに向かった、か・・・まぁ船で先に行ったんだから問題がなかったら私達より先に着くのは当然だし、予定通りだから別にいいか)
そんなくのいちはルーク達と共に船を降りた先にいた港の責任者であるアルマンダインからの話を聞き、頭の中で大したことではないと結論づける。
(後はリグレット達からの連絡というか誰かがアクゼリュスに着くまでに来てほしい所なんだけど、ちょうどいいきっかけがないとなぁ~・・・向こうも接触しづらいだろうし、腰を据えて話をしたいしで何かなぁ~・・・)
だがその考えの中でリグレット達との接触についてを考え、くのいちはどうしたものかと頭を悩ませる。
「んじゃ行こうぜ、さっさと師匠に追い付きたいしよ!」
(あっ・・・まぁリグレット達の状況を考えると港にまで来るとは思えないし、道中でどうするか考えるしかないか・・・下手に留まろうなんて言い出してもルークだけじゃなく、ガイ達も反対するだろうし)
そうしている内にルークが意気揚々と出発を切り出し、内心仕方無いと思いつつくのいちはその後に付いていく。
・・・それで港を出てアクゼリュスに向かうルーク達だったが徒歩で向かうのには距離が遠く、途中の平野で一行は夜営を行うことになった。
(これは、好機なのかな?・・・まぁ無いかもしれないけど、とりあえず周りに様子を見に行くとでも行って少し距離を空けてみますか。ここにいちゃちょっと誰か来てもこっちに来づらいだろうし)
「ルーク様、ちょいといいっすか?」
「ん?なんだよ、くのいち?」
「ちょいと辺りの様子を見回ってきやすんで、気にしないで休んでてもらっていいっすか?神託の盾がアクゼリュスに向かってるってんなら、何処かに痕跡とかあるかもしれないんで」
「あぁ、そういうことか・・・別に行ってきていいぞ、俺には関係無い事だしな」
「へへ、すいやせん。じゃあ行ってきやす」
たき火を囲む一同の中でせめて少しでも可能性を引き寄せようとくのいちはルークに近付き、偵察の許可をもらって頭を下げてからその場を後にしようとする。
「あの、私も行きます・・・」
「大丈夫大丈夫、一応見回り程度に済ませるし下手に人数増やすともし何かあった時に逃げにくいからここで待ってて。ルーク様達を巻き込むわけにもいかないし」
「・・・はい」
「んじゃね~」
そこにおずおずとティアが付いていくと言い出してきたが、きっぱり断るくのいちに頷く以外になく気楽に手を振って闇に消えていくその姿を見送るしか出来なかった。
「あ~あ・・・あのあからさまな自分基準の偉い人間への従順な態度。あれがまだちゃんとした態度を取るか、いっそ誰に対してもルークに対しての態度なら割り切ってる分比較的マシなんだけど・・・本当にどうにかならないかなぁ・・・」
そしてルーク達の囲うたき火周辺が見えなくなった辺りでくのいちはポツリと言葉を吐く、心底からティアに対して軽蔑するような感情を込めて。
「・・・ん?あれは・・・」
と、くのいちはふと見上げた夜空に何かを発見する。こちらに向かってくる飛行物の存在を。
「・・・よかった、貴女が都合よくルーク達から離れてくれて・・・」
「ディスト・・・もしかして遠くから私達の様子をうかがってたの?」
「えぇまぁ。貴女方が港に着くのを遠くから気取られぬよう望遠鏡を使い観察していたんですが、中々接触出来るタイミングが無かったものですからどうしたものかと考えていた所だったんです・・・助かりましたよ、こうやって接触出来るきっかけを作っていただいて」
「おぉ・・・本当にこっちとしてもちょうどよかったよ、ディスト・・・」
その飛行物はくのいちの前に降り立つのだが、正体はディスト。ホッとしたよう話し掛けてきた事に経緯をくのいちが聞き、こちらもまたホッとしたと表情を弛ませる。
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(・・・謡将はもうアクゼリュスに向かった、か・・・まぁ船で先に行ったんだから問題がなかったら私達より先に着くのは当然だし、予定通りだから別にいいか)
そんなくのいちはルーク達と共に船を降りた先にいた港の責任者であるアルマンダインからの話を聞き、頭の中で大したことではないと結論づける。
(後はリグレット達からの連絡というか誰かがアクゼリュスに着くまでに来てほしい所なんだけど、ちょうどいいきっかけがないとなぁ~・・・向こうも接触しづらいだろうし、腰を据えて話をしたいしで何かなぁ~・・・)
だがその考えの中でリグレット達との接触についてを考え、くのいちはどうしたものかと頭を悩ませる。
「んじゃ行こうぜ、さっさと師匠に追い付きたいしよ!」
(あっ・・・まぁリグレット達の状況を考えると港にまで来るとは思えないし、道中でどうするか考えるしかないか・・・下手に留まろうなんて言い出してもルークだけじゃなく、ガイ達も反対するだろうし)
そうしている内にルークが意気揚々と出発を切り出し、内心仕方無いと思いつつくのいちはその後に付いていく。
・・・それで港を出てアクゼリュスに向かうルーク達だったが徒歩で向かうのには距離が遠く、途中の平野で一行は夜営を行うことになった。
(これは、好機なのかな?・・・まぁ無いかもしれないけど、とりあえず周りに様子を見に行くとでも行って少し距離を空けてみますか。ここにいちゃちょっと誰か来てもこっちに来づらいだろうし)
「ルーク様、ちょいといいっすか?」
「ん?なんだよ、くのいち?」
「ちょいと辺りの様子を見回ってきやすんで、気にしないで休んでてもらっていいっすか?神託の盾がアクゼリュスに向かってるってんなら、何処かに痕跡とかあるかもしれないんで」
「あぁ、そういうことか・・・別に行ってきていいぞ、俺には関係無い事だしな」
「へへ、すいやせん。じゃあ行ってきやす」
たき火を囲む一同の中でせめて少しでも可能性を引き寄せようとくのいちはルークに近付き、偵察の許可をもらって頭を下げてからその場を後にしようとする。
「あの、私も行きます・・・」
「大丈夫大丈夫、一応見回り程度に済ませるし下手に人数増やすともし何かあった時に逃げにくいからここで待ってて。ルーク様達を巻き込むわけにもいかないし」
「・・・はい」
「んじゃね~」
そこにおずおずとティアが付いていくと言い出してきたが、きっぱり断るくのいちに頷く以外になく気楽に手を振って闇に消えていくその姿を見送るしか出来なかった。
「あ~あ・・・あのあからさまな自分基準の偉い人間への従順な態度。あれがまだちゃんとした態度を取るか、いっそ誰に対してもルークに対しての態度なら割り切ってる分比較的マシなんだけど・・・本当にどうにかならないかなぁ・・・」
そしてルーク達の囲うたき火周辺が見えなくなった辺りでくのいちはポツリと言葉を吐く、心底からティアに対して軽蔑するような感情を込めて。
「・・・ん?あれは・・・」
と、くのいちはふと見上げた夜空に何かを発見する。こちらに向かってくる飛行物の存在を。
「・・・よかった、貴女が都合よくルーク達から離れてくれて・・・」
「ディスト・・・もしかして遠くから私達の様子をうかがってたの?」
「えぇまぁ。貴女方が港に着くのを遠くから気取られぬよう望遠鏡を使い観察していたんですが、中々接触出来るタイミングが無かったものですからどうしたものかと考えていた所だったんです・・・助かりましたよ、こうやって接触出来るきっかけを作っていただいて」
「おぉ・・・本当にこっちとしてもちょうどよかったよ、ディスト・・・」
その飛行物はくのいちの前に降り立つのだが、正体はディスト。ホッとしたよう話し掛けてきた事に経緯をくのいちが聞き、こちらもまたホッとしたと表情を弛ませる。
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