女忍、舵取りに苦労する

「まぁ取りあえずこういうことをあまり言いたくはないんすけど、この一連の流れが終わるまで我慢しちゃくれませんか?これがダアトだけでの事とか大詠師が関係無い場所で旦那様がいたならティアをどうにか出来ないこともなかったとは思いますけど、もうインゴベルト陛下の決定の上でこうやってアクゼリュスに向かってるんであっしにはどうにも出来ないんすよ・・・」
「あ~、そこに関しちゃお前が無理することじゃないから別に構わねぇよ。どうせアクゼリュスでやることやりゃあいつともさっさとお別れになるんだろうし、それくらいは我慢してやるよ」
「分かっていただけたようでありがたいっす」
そんな中で我慢を願うくのいちにルークは仕方無いと頭をかきながら頷き、笑顔でヘコヘコと何度も頭を下げる。
「構わねぇっつったろ・・・それよっかもう行くわ、俺。もう満足したし、部屋にでも行って寝るわ」
「そうですか・・・じゃあごゆっくり~」
「おぉ、じゃあな」
ルークはそこまで話して満足と戻ることを口にし、くのいちの笑顔の見送りに手を振り部屋を退出する。
「・・・さて、色々聞けたね~ルークから。その分、色々と頭を悩ませるような事も増えたけどねぇ~・・・」
「もしかして、ガイの事ですか?」
「気付いちゃった?まぁルークも気付いたし、アニスなら気付いちゃうよね~そりゃ」
二人になった所で表情を微妙に疲れた物と変えるくのいちに、アニスもガイの事とすぐに気付く。
「さっきの話を聞く限りだと謡将とガイにも繋がりがある可能性が高くなったんだよね~。それもかなりの確率で・・・ただ確実にそうだって言い切れない理由はまだ証拠がないってことに加えて、謡将の一味って言い切れる感じがしないのがまた面倒臭い感じがするし・・・」
「えっ?謡将と繋がってるなら、謡将の仲間じゃないんですか?」
「そうならこれまでにリグレット達がガイについて何か言ってくると思うんだよね。ガイも謡将の味方だから気をつけるようにって。でもそれがないって事は単に謡将と仲がいいだけか、もしくはまだ何か謡将とガイには神託の盾以外の別の繋がりがあるっていうまた別の物がある・・・そういった可能性があるんだけど、正直そこまでの可能性を考えないといけない謡将に私もいい加減にしろって言いたくなるよ本当・・・」
その事についてを深く掘り下げていくくのいちだが、謡将の事情が並々ならぬ物であることを深く面倒そうに漏らす。
「気持ちは分かりますけど・・・ただそれだと謡将の考える展開として、ガイに関してどういう風にするかちょっと分からなくないですか?もし謡将の思うようにってなったら、今後のガイがファブレにどうしようとしたいと思ってるかにしたって色々不都合しかないと思うんですけど」
「あぁ、うん・・・そこが含まれてるからまた面倒なんだよねぇ・・・ガイが少なくとも7年以上はファブレに潜んでいて、今までファブレを襲う機会は十分にあったはず。それも自分達に疑いをかけられないようにだったり、証拠を残さずに謡将なら動く形で・・・また色々可能性はあるけど、それを口にするだけでもまた面倒だよ本当に・・・」
「・・・お母さんがそこまで言うって本当に面倒なんだね・・・」
アニスはその流れを壊さずにファブレでの行動についての不審さを疑問に思うが、可能性を口にする物のそれはもう言いたくもないとばかりにくのいちが愚痴を漏らす様子に心底から同情をしたように声をかける。










18/20ページ
スキ