認知し、認知出来ないが故の距離
(どうしてルークが・・・私達を待っていたというの・・・!?)
その姿にティアは喜ぶより先に驚きを覚えていた。わがままだから残ってる訳はないと思っていた事で。
(驚いているわね、ティア・・・)
対してティア達が来たのを同じように目視したルーク達の中、ジュディスがティアの抑えたリアクションを確認してそっと目を細めた。
(・・・いけないわ、私も抑えないと・・・)
が、すぐにジュディスはいつも通りを装う。その行動が自分の中で何を意味するのか、自身でよくわかっていた為に。
「・・・これはこれは。わざわざお待ちいただいていたのですか?」
「別に俺から待ちてーって言った訳じゃねぇっつーの。こいつらがお前らを待って足並みを揃えた方がいいっつーから休憩したかったのもあったし待つことにしたんだよ」
「おやおや、それはどうもありがとうございます」
・・・そんな両者の事など露知らずティア達が待つ面々の前に着きジェイドがおどけたように驚く口調で話しかけると、ルークがそんな本意ではないとやる気なさげに返す姿にまた空々しく礼を述べる。
「貴殿方がマルクトの代表に導師ですね?事情はルーク様よりお聞きしていますが、早速船に乗られますか?準備は整っていますのですぐに出るというなら出港出来ますが・・・」
「そうですね・・・私はそれでよろしいと思いますが、イオン様に謡将はよろしいですか?」
「はい、僕もいいと思います」
「私も構いません」
「決まりですね・・・ではお願いします」
「分かりました、早速乗られてください」
そんな会話をアルマンダインが引き継ぎ船に乗るかを聞けば、三人から反論は出てこず船に乗るように手を向け一同は船へと歩き出す。
・・・それで皆が足並みを揃えた形になり船に乗り込んだ後、港からケセドニアへと向かい船は出港したのだが・・・そこでティアは船に乗って姿が見えなくなったルークを探して歩き回っていた。
「・・・ルーク!」
「あ?・・・んだよ、ティアか」
・・・そして船室の中の一室の扉を開けると、そこには椅子に座って頬杖をしながら目を閉じているルークがいた。
その姿を確認し喜びを僅かに滲ませる程度に名を呼ぶティアに、ルークは目を開けそちらへと気のない返事を返す。
「何か用か?」
「何か用って・・・そういう言い方はないじゃない。折角心配してここまで来てあげたのに」
「はぁ?心配?・・・別にそんな心配されるようなことした覚えはねーんだけど、俺」
「貴方が勝手に先に行くから心配したのよ」
「・・・それはあいつらに言えよ。別に俺が自分から行きたいって言ったわけでも連れてった訳でもないんだしよ」
「っ・・・」
その体勢のまま応対するルークにティアは非難を含みながらも心配だったと言うが、自分がやったことじゃないと返され見ていただけに言葉に詰まる。
(あんまりこういう言い方はしたくないけど、これは本当に俺から行動した訳じゃないしな・・・と言うかなんか怖いんだけど、ティア・・・)
内心でルークは流石に今回は違うと思う中でティアの態度にどこか怖さを感じていた。滲み出る自身に向けられた感情の苛烈さに。
「・・・つーか用がそれだけなら出てけよ。俺は別に大丈夫だし、心配だっつーんならもういいだろ?」
「それだけならって・・・貴方、もうちょっと言い方を気にしたらどうなの?折角来たのにそんな言い方・・・!」
‘ガチャッ’
「・・・おわっ!い、いたのか・・・」
「あ・・・ガイ・・・」
それでルークはやる気を見せず手を振って帰るように言うのだが、ティアはそこで折れるどころか寧ろ激しさを増して言葉を向けようとする。だが部屋の扉が開き扉に近い位置にいたティアに驚いたガイに言葉は止まってしまった。
「んだよガイ、どうしたんだ?」
「い、いや・・・港で合流出来たのはいいが、ゆっくり話す暇もなかったから話をしに来たんだが・・・大丈夫か、今?」
「俺は別にいいぞ。入りたいなら入れよ」
「・・・っ」
ルークは間を置かず用向きについて問うと話と戸惑いながらガイが返し、すぐに入るように言う。ティアが微妙に苦い表情をしたことに視線を向けず。
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その姿にティアは喜ぶより先に驚きを覚えていた。わがままだから残ってる訳はないと思っていた事で。
(驚いているわね、ティア・・・)
対してティア達が来たのを同じように目視したルーク達の中、ジュディスがティアの抑えたリアクションを確認してそっと目を細めた。
(・・・いけないわ、私も抑えないと・・・)
が、すぐにジュディスはいつも通りを装う。その行動が自分の中で何を意味するのか、自身でよくわかっていた為に。
「・・・これはこれは。わざわざお待ちいただいていたのですか?」
「別に俺から待ちてーって言った訳じゃねぇっつーの。こいつらがお前らを待って足並みを揃えた方がいいっつーから休憩したかったのもあったし待つことにしたんだよ」
「おやおや、それはどうもありがとうございます」
・・・そんな両者の事など露知らずティア達が待つ面々の前に着きジェイドがおどけたように驚く口調で話しかけると、ルークがそんな本意ではないとやる気なさげに返す姿にまた空々しく礼を述べる。
「貴殿方がマルクトの代表に導師ですね?事情はルーク様よりお聞きしていますが、早速船に乗られますか?準備は整っていますのですぐに出るというなら出港出来ますが・・・」
「そうですね・・・私はそれでよろしいと思いますが、イオン様に謡将はよろしいですか?」
「はい、僕もいいと思います」
「私も構いません」
「決まりですね・・・ではお願いします」
「分かりました、早速乗られてください」
そんな会話をアルマンダインが引き継ぎ船に乗るかを聞けば、三人から反論は出てこず船に乗るように手を向け一同は船へと歩き出す。
・・・それで皆が足並みを揃えた形になり船に乗り込んだ後、港からケセドニアへと向かい船は出港したのだが・・・そこでティアは船に乗って姿が見えなくなったルークを探して歩き回っていた。
「・・・ルーク!」
「あ?・・・んだよ、ティアか」
・・・そして船室の中の一室の扉を開けると、そこには椅子に座って頬杖をしながら目を閉じているルークがいた。
その姿を確認し喜びを僅かに滲ませる程度に名を呼ぶティアに、ルークは目を開けそちらへと気のない返事を返す。
「何か用か?」
「何か用って・・・そういう言い方はないじゃない。折角心配してここまで来てあげたのに」
「はぁ?心配?・・・別にそんな心配されるようなことした覚えはねーんだけど、俺」
「貴方が勝手に先に行くから心配したのよ」
「・・・それはあいつらに言えよ。別に俺が自分から行きたいって言ったわけでも連れてった訳でもないんだしよ」
「っ・・・」
その体勢のまま応対するルークにティアは非難を含みながらも心配だったと言うが、自分がやったことじゃないと返され見ていただけに言葉に詰まる。
(あんまりこういう言い方はしたくないけど、これは本当に俺から行動した訳じゃないしな・・・と言うかなんか怖いんだけど、ティア・・・)
内心でルークは流石に今回は違うと思う中でティアの態度にどこか怖さを感じていた。滲み出る自身に向けられた感情の苛烈さに。
「・・・つーか用がそれだけなら出てけよ。俺は別に大丈夫だし、心配だっつーんならもういいだろ?」
「それだけならって・・・貴方、もうちょっと言い方を気にしたらどうなの?折角来たのにそんな言い方・・・!」
‘ガチャッ’
「・・・おわっ!い、いたのか・・・」
「あ・・・ガイ・・・」
それでルークはやる気を見せず手を振って帰るように言うのだが、ティアはそこで折れるどころか寧ろ激しさを増して言葉を向けようとする。だが部屋の扉が開き扉に近い位置にいたティアに驚いたガイに言葉は止まってしまった。
「んだよガイ、どうしたんだ?」
「い、いや・・・港で合流出来たのはいいが、ゆっくり話す暇もなかったから話をしに来たんだが・・・大丈夫か、今?」
「俺は別にいいぞ。入りたいなら入れよ」
「・・・っ」
ルークは間を置かず用向きについて問うと話と戸惑いながらガイが返し、すぐに入るように言う。ティアが微妙に苦い表情をしたことに視線を向けず。
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