焔の決意と知りし者達

「ローレライ・・・貴方の考えは分かったわ。ティア達にはかわいそう、という思いを抱けない理由が・・・でもこれは聞かせて。オールドラントのティア達も、こちらと同じようなティア達なの?もしかして・・・」
『そうだ。でなければこのような事は言わん・・・とはいえもうそなたらには関係のないことだ。これ以上聞けばまず間違いなく気分を害することになる。そこまでにしておけ』
「っ、関係無いって・・・!」
そんなローレライにアンジュは尚も質問を続けようとしたが、これ以上は関係のないことだと言われ驚きながらも尚話をと求める。
『言葉通りだ・・・もうルークは戻ってこない。そしてティア達とはまたそなたらは会うこともあるだろう。その時になって我の言葉に動揺しでもしてルークの事をバラされる事など、我の望む事態ではない。それにこれ以上ルークにティア達の事を知った所で何をするというのだ?』
「っ、それは・・・」
『・・・もうそれまででいいだろう。我も元々ディセンダーから説明を皆の前でしてほしいと乞われてここに来たが、ここまで事情を説明する気もなかった。ルークの為にもな・・・重ね重ね言うがもうそなたらには関係のないことだ。忘れろとは言わんがもう何もルークの事は言わずにいて欲しい。それにこれ以上何も言いたくもないのだ・・・我は向こうの我と違い、ただルークの無事を待つ以外にないのだから・・・』
「「「「っ・・・」」」」
だが知った所で何をと言われアンジュは視線を背け言葉を探そうとするが、更にローレライが切にこれ以上話すことをやめたいと漏らしたことにアンジュも含め一同は言葉を失った。その声があまりにもルークの事を想うが故に、無理に聞きたいというだけで聞くことがはばかられるために。
『・・・済まんな、妙な事を言ってしまって。だがもうこれで終いだ、我はここを出よう・・・では「待って」・・・なんだ』
空気が妙な物となったことを察しローレライは気まずさもありアドリビトムを出ようと言い出しかけるが、寸前でジュディスからかかった制止の声に出鼻をくじかれる。
「貴方がルークの為に動いた、と言うのは今の話で分かったわ。それでもうここから出たい、と言うのも・・・でもまだこっちには聞きたいことが残ってるの。付き合ってもらえるかしら、ローレライ?」
「「「「っ・・・!?」」」」
『っ・・・!?』
だが続いたジュディスの綺麗で妖艶でありながらも明らかな圧迫感のこもった笑みに言葉はローレライだけでなく、他のメンバーも一気に絶句させることになった。
「ど、どうしたのジュディス・・・まさか貴方、怒ってるの?」
「怒る?ただ私は聞きたいだけよ。勝手にこんな事をしたローレライにルークのことをもっとね。なのにここで帰られたくないの。そんなやることだけやってやり逃げなんて後味の悪い形でなんてね・・・ローレライ、もしここで貴方が何も話さず逃げるなんてマネをしたらどんな手段を使ってでも貴方を見つけて叩き伏せに行くわよ?」
「「「「・・・っ!」」」」
『・・・っ!』
・・・ジュディス特有のマイペースな口調からの実際は感情がありありと込められた本音が、再び場を凍らせた。
アンジュの恐る恐るの問い掛けにジュディスは平静の口調からあっさり追跡予告に殺害予告を告げ、ローレライだけでなくメンバー全員を恐怖に絶句させ震えさせた。
「それで、返事は?」
『っ、あぁ・・・わかった・・・答えられることには答えよう・・・』
そして答えるか確認を取るジュディスだが槍に手をかけるその姿にたまらすローレライは頷いた、明らかに迫力負けする形で・・・尚その姿を周りのメンバー、主に男性陣が同情的な目で見ていたとだけ言っておく。












自身の未来を犠牲に灰達の輝かしい未来を導く為の舞台を終わらせ、幕を引かんと姿を消した焔



だが焔は想像だにしていなかった



二度目の生で出会った仲間がいかに自身を想い、そして行動するのかということを・・・






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