「・・・帰る人が増えましたね・・・」
「これは仕方無いだろうな・・・まだ故郷に帰る必要はないっていてくれるメンバーはいるけど、エステルやキール達みたいに国から求められたりやりたいことがある人達を止めることなんて出来ないし・・・」
・・・食堂の中、チャットはルークに寂しそうに辺りを見ながら話し掛ける。ラザリスを倒した後に再び集まったメンバーだったが、今はまた半分以下になってしまって食堂を見ても人が減ってしまっているという事実に。
「・・・おそらく私もそう遠くない内に国に帰ることになるだろう。そして国に戻れば他の皆のようにそうそう国から出ることも無くなるだろうし、エステル君や国に所属している面々もそう簡単には国を出ることは出来なくなるだろう・・・もしまた私達が集まることがあるとすればラザリスの時のような世界全てを巻き込むような事件が起きる時だろうが、そうそうそんなことは起こらないだろう」
「まぁそれはな・・・そもそもここに来たのも最初はやむを得ずだとか事情があってだとかそう言った理由があってだったし、それくらいの事件が起これば集まることはあるかもしれないけれど・・・今しばらくはウリズンみたいな所でもこの平和を無闇に壊すことはしないだろうし、そうそうは皆がまた集まり事態にはならないだろうな」
「・・・そう考えるとこうして皆さんがいなくなることの方が自然な流れなのは分かるんですが、やはり寂しいですね・・・」
そんな会話にウッドロウも参加した上でまずもうラザリスの問題を解決したメンバーは集まらないだろうとルークも同意する形で言い、チャットは言葉通り寂しげに表情を歪める。
「・・・ルーク君はどうするんだい？私と一緒に戻る形で出るのかい？」
「いや、俺はここに残るよ。別にウッドロウと一緒に行きたくないとかって訳じゃないけど、皆がいなくなるなら俺が頑張りたいんだよ。皆がいなくなった分全部俺がってのは流石に無理だけどな」
「そうか・・・それなら私は止めることは出来ないな」
「ルークさん・・・ありがとうございます」
そんな二人の近くにいたウッドロウがルークにどうするかとを聞くが、迷う様子もなく笑顔で残ると答えるその様子に満足そうに笑顔で返し、チャットもまた嬉しそうにはにかんだ笑顔を浮かべる。
「・・・と言うか本当にライマに帰るつもりはないのね、ルーク・・・」
「まぁ帰るつもりがないっていうか、今帰った所で良くない流れにしかならないって思うのもあるしな・・・それに今の俺の居場所はライマじゃなくて、このアドリビトムでバンエルティア号だって思ってる・・・アンジュはアドリビトムを立ち上げたから責任者として出来る限りはここにいるつもりじゃいるんだろうけど、多分アンジュも教会の問題とかもあって絶対にずっとここにいれるって訳じゃないだろ？」
「・・・多分ね。アドリビトムを立ち上げた責任者としては出来る限り残れるようにはするつもりではあるけれど、いつまでもここにずっとってはいられなくなる時が来るでしょうね」
「・・・多分アンジュがいなくなる時がこのアドリビトムが終わる時かそれに近い時だと思う。別にあの時のメンバーじゃなきゃアドリビトムはダメだとかそういう訳じゃないけれど、それでもここがいつまでも続くなんて保証はないと思う。それなら俺はせめて最後までアドリビトムのメンバーとしてここにいたい・・・そう思うんだ」
「ルーク・・・」
更にアンジュがその会話に加わりルークが帰らない流れについてを言及するのだが、その流れから最後までアドリビトムにいたいと言い切るルークの寂しげな微笑みに周りの面々も複雑そうに表情を変える。物事には絶対はないが、アドリビトムが終わることを考えた上で動くというルークの考えに。









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