if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 後編
・・・それでジェイドは些か納得出来ていない様子でこそあったが、それでも否定を返せなかったこともあってピオニーの部屋を後にしていった。
「・・・あいつからしてみれば初めての経験といった所だったんだろうな、俺からあんな風なことを言われるとは思ってなかったのもあって。だが俺も前王にファブレ夫妻から不本意ではあるだろうがあの二人を任され、まがりなりにも子どもを預かる親のような立場になった身・・・二人の仲をどうにか出来なかった身で言えることではないかもしれんが、それでもルークをどうにかしてやりたいという気持ちくらいはある。ただジェイドはそんな俺の気持ちは理解は出来ん・・・あいつは何だかんだで所帯に子どもを持つことが無かったから、知識としてはともかく感覚としては理解出来んだろうがな」
そして一人になったピオニーはそっとジェイドに対して漏らす・・・自分が感じていることに、それを言ったとしても理解は得られないだろうことを。
・・・ピオニーはこのルミナシアという世界でもオールドラントの時と同様、結婚はしていなかった。だがアッシュとルークの二人の義理の父親となった時・・・いや、アッシュに対して不憫な立場に立つルークの姿を見てきてピオニーの中に少しずつ親心というものが生まれてきていた。
そしてその親心と言うものはアッシュには無いとは言わないが、ハッキリ言ってしまえばルークに比べれば雀の涙以下レベルの代物である。と言うよりはピオニーから言わせればこれ以上の何をアッシュに与え、ルークを蔑ろに傷付けなければならないというのかという気持ちになるのだ。もう余程でなければライマの次期王になるのは確定していて形だけの物ではなく想いあう王女と結婚する状況で、更に気に入らない弟を見下し虐めてコケにして罪悪感もなしに振る舞う・・・そんな状況にわざわざさせてやるつもりなどピオニーには更々ないし、そんな状況を与えるなどもっての他だ。
もうアッシュは普通に考えれば十分どころか十二分に満たされていると言うのに、何故自分の気遣いや忠言と言った物をほとんど受け入れずにルークを酷く敵視する事を止めないアッシュを優遇もそうだが、ルークと同等に扱うなどピオニーからして出来ようもなかった。この辺りは多少はインゴベルト達に対して申し訳無いという気持ちにこそはなったが、そこは理不尽な不幸に晒されるルークに対しての気持ちが強かった為に。
そしてジェイドはピオニーとルーク達の事を形だけの義理の関係であると見たこともそうだが、何よりそんな感情や考え方を抱かないだろうとピオニーの事を固定観念で考えたから見誤ったのだ。飄々とした態度で常日頃から過ごし、ルークとアッシュの関係にも内心では冷ややかと言うか冷静に捉えているのだろうと決め付け・・・
「・・・まぁいい。あんな様子ではあったがジェイドなら後はうまくやってくれると思いたいが・・・念のためにヴァンも呼び出すか。ジェイドでは多少アッシュに対して力不足な感は正直否めんし、今のあいつの心境についても聞いてみたいからな・・・」
そしてそこまで来てジェイドについてを終わらせ、今度はヴァンについてを呼び出すことをピオニーは考える。万全の状態にするためということに加え、以前から引っ掛かっていたことについてもあるために・・・
・・・それから数時間後、ピオニーの私室へヴァンはやってきた。夜遅い時間となり、アッシュと共にいなくても怪しまれない時間に話をするために。
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「・・・あいつからしてみれば初めての経験といった所だったんだろうな、俺からあんな風なことを言われるとは思ってなかったのもあって。だが俺も前王にファブレ夫妻から不本意ではあるだろうがあの二人を任され、まがりなりにも子どもを預かる親のような立場になった身・・・二人の仲をどうにか出来なかった身で言えることではないかもしれんが、それでもルークをどうにかしてやりたいという気持ちくらいはある。ただジェイドはそんな俺の気持ちは理解は出来ん・・・あいつは何だかんだで所帯に子どもを持つことが無かったから、知識としてはともかく感覚としては理解出来んだろうがな」
そして一人になったピオニーはそっとジェイドに対して漏らす・・・自分が感じていることに、それを言ったとしても理解は得られないだろうことを。
・・・ピオニーはこのルミナシアという世界でもオールドラントの時と同様、結婚はしていなかった。だがアッシュとルークの二人の義理の父親となった時・・・いや、アッシュに対して不憫な立場に立つルークの姿を見てきてピオニーの中に少しずつ親心というものが生まれてきていた。
そしてその親心と言うものはアッシュには無いとは言わないが、ハッキリ言ってしまえばルークに比べれば雀の涙以下レベルの代物である。と言うよりはピオニーから言わせればこれ以上の何をアッシュに与え、ルークを蔑ろに傷付けなければならないというのかという気持ちになるのだ。もう余程でなければライマの次期王になるのは確定していて形だけの物ではなく想いあう王女と結婚する状況で、更に気に入らない弟を見下し虐めてコケにして罪悪感もなしに振る舞う・・・そんな状況にわざわざさせてやるつもりなどピオニーには更々ないし、そんな状況を与えるなどもっての他だ。
もうアッシュは普通に考えれば十分どころか十二分に満たされていると言うのに、何故自分の気遣いや忠言と言った物をほとんど受け入れずにルークを酷く敵視する事を止めないアッシュを優遇もそうだが、ルークと同等に扱うなどピオニーからして出来ようもなかった。この辺りは多少はインゴベルト達に対して申し訳無いという気持ちにこそはなったが、そこは理不尽な不幸に晒されるルークに対しての気持ちが強かった為に。
そしてジェイドはピオニーとルーク達の事を形だけの義理の関係であると見たこともそうだが、何よりそんな感情や考え方を抱かないだろうとピオニーの事を固定観念で考えたから見誤ったのだ。飄々とした態度で常日頃から過ごし、ルークとアッシュの関係にも内心では冷ややかと言うか冷静に捉えているのだろうと決め付け・・・
「・・・まぁいい。あんな様子ではあったがジェイドなら後はうまくやってくれると思いたいが・・・念のためにヴァンも呼び出すか。ジェイドでは多少アッシュに対して力不足な感は正直否めんし、今のあいつの心境についても聞いてみたいからな・・・」
そしてそこまで来てジェイドについてを終わらせ、今度はヴァンについてを呼び出すことをピオニーは考える。万全の状態にするためということに加え、以前から引っ掛かっていたことについてもあるために・・・
・・・それから数時間後、ピオニーの私室へヴァンはやってきた。夜遅い時間となり、アッシュと共にいなくても怪しまれない時間に話をするために。
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