if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 後編

・・・それでピオニーからの話はルークがいつライマから出るかという事についてを話し、明日の内にもう出るということで話を終わらせた。これは下手にライマに長い間残ることにより起こり得るマイナス面を考慮していることもあるが、何よりルーク自身が早く出た方がいいと思ったからだ。もうアッシュの近くにいない時間を出来る限り少なくした方がいいと。

それでルークはその翌日の朝にはライマを出た。アッシュは勿論ナタリアやヴァン達にも顔を合わせることはなく、ピオニー一人が見送りに来て他の面々も自分が抑えてやるとの言葉をその背に受けながら。


















「・・・予想外に早かったですね、戻ってくるの」
「言葉で説明すると長くなるけど・・・やっぱり迷惑だったか?」
「いえ、ありがたいです!主だった人達が故郷にだったり戻られたので、ルークさんがいてくれるならこちらも助かります!」
「はは・・・」
・・・それで少しの間旅をして、バンエルティア号が今どの辺りを中心にして待機しているかを知ったルークはすぐにそこに向かった。
それで船の中に入りチャットと会話をかわすルークは軽く笑いを浮かべる。自身を元気よく迎えてくれると言ってくれるその姿に。


















・・・そんな風にしてアドリビトムに再び戻ってきて活動を始めるルークだったが、時間が経つにつれてラザリスと戦っていた時のメンバーが再び集まってきた事に嬉しさを感じる反面、申し訳なさも感じていた。何故かと言えば・・・



「そうか・・・アッシュ君達はこちらに来ることはまずないというのか・・・」
「チャットに言われたことを俺が伝えたってのはあるけれど、多分もうアッシュはアドリビトムに来れないだけじゃなくライマから自由に出れることはそうないと思う・・・そう思うと少し申し訳無く思うんだよ。俺が言ったことであぁなったって思うとな・・・」
・・・バンエルティア号の食堂にて、何人かのメンバーが集まる中でウッドロウからの声に複雑さを滲ませながらもルークは内心を述べる。自由を奪う結果になってしまったことに。
「ま、自由になれねぇってのは少しは同情出来るかもしれないが・・・あんだけチャットと喧嘩しといてそれでまた自分が来たいからってここに来て、またルークとの事をこじらせてバンエルティア号に八つ当たりでもしようもんならさっさと帰れって話になるのは確実だったろ。そんでルークを追い出せばいいとかって言い出したなら、それもそれでまた問題になってたろうしよ。お前の居場所はここじゃねぇのに、何でルークのいる所を奪ったり追い出せるような事を言うんだってな」
「スパーダ・・・」
「お前にとっちゃここは居心地のいい場所か?ルーク」
「え・・・それは確かにそう思うけれど・・・?」
「多分あんな顔に態度でこそはあったが、アッシュも少なからずはそんなことは感じちゃいたんだろ。けれどアッシュはルークがいる・・・それだけが不満だったんだろ。あんだけそこにいるってだけで人を大層嫌いになれるだけじゃなく、露骨に態度に表せるってのは普通じゃねぇが・・・ま、そこはともかくあいつもおんなじような物じゃあったんだろここの居心地の良さは。ただここの奴らがそれを許すわけはねぇのは分かるだろ、お前も?」
「・・・まぁ、それはな・・・」
そんな場にスパーダが言葉を挟んできてアッシュの気持ちを述べる中でそれを許すアドリビトムのメンバーかと聞かれ、ルークは確かにと首を傾げながら漏らす。アッシュが初めてここに来た時も自分の事を追い出そうとはしなかった皆の事を。









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