・・・それでアッシュについての不安は盛大に残りつつも、結局は反対意見が出ることもなく場は終わった。下手に王位継承権をルークに復活させることもそうだが、アッシュと一緒にいさせることすらさせずにもうルークは自由にさせるとのことで。



「・・・と言うわけで、これでお前はライマから出てもいいとなった。後の事は気にせず、出立したいと思ったら出立していいぞ」
「それはそうはしますけど・・・本当に大丈夫なんでしょうか？あまりアッシュの事を悪く言いたくはないですけど、あれだけの姿を見て貴族達もどうかって感じて動くかもしれませんし・・・」
・・・それで場が終わった後、ルークのいる部屋に押し掛けてきたピオニーの報告に当人は戸惑いつつ大丈夫かと漏らす。
「その辺りに関しての悶着は相当になるだろうが、アッシュを国から出さずにルークを国には戻さずで表向きの繋がりを一切断ち切る・・・で済ます予定だ。まぁそれはあくまでアッシュや貴族達相手の建前で、そっちから屋敷経由で俺に連絡してくる今まで通りのやり方は残すつもりだがな」
「それで落ち着くんでしょうか・・・」
「・・・もういいだろう。もう俺はお前達の問題に解決の方法があるとは到底思えんし、それが解決出来ると言うなら常人じゃ及びもつかん策であったり状況なのは簡単に想像出来る。だが誰もがそれを例え話でも口に出来んと言うことは陳腐な言い方になるかもしれんが、そういう運命だったり導きがなかったということだと思うしかない。それに俺もこうして王族として長い間生きてきたが、仲違いだけで済んでいるならまだマシな部類だ・・・これが王位継承権を賭けるだとか単純に殺したいから殺すだとかの骨肉の争いにまで発展するよりは余程な」
「っ！・・・俺も、そんな風にはしたくはありません・・・けど、今のアッシュの様子だとこれからそうはならないってハッキリ言いきれないですね・・・」
・・・そんなルークの心残りとを始めに生まれる申し訳無いといった気持ちを引き剥がすよう、残るならこの先アッシュと殺しあう可能性があると凄絶な空気を漂わせながら話すピオニーに、ルークも息を詰まらせ視線を下に向けた。最悪殺しあいに将来アッシュが発展させてくる可能性もまた否定出来ないと、ピオニーの言葉から否応なしに感じ取って。
「そういうことだ・・・お前の立場からすれば心残りになることは確かではあるだろうが、今ならまだ何も起こらなかったで済ませることは出来る。無理をして、そして解決の糸口がもう見えない物に関わるような事にもう頭を煩わせるな。それが俺から本当にライマを離れることになったお前に送ってやれる最後の命令だ」
「・・・はい、陛下・・・分かりました・・・(そうだよな・・・オールドラントでのエルドラントでの最後の時は少しはアッシュと近付けたかとは思ったけど、あれは様々な状況に要因が重なったからって言うのが今となっては分かる・・・もしあぁいった事が再び起きなきゃアッシュと分かりあえないっていうんなら、その為にどれだけの犠牲や損害が出るのか・・・そんなこと、俺の気持ちの為だけに起こっちゃいけない・・・ならもう俺もこの事は終わりにしよう)」
その上でもう気にするなと感じとしては強く言いつつも優しさに気遣いを滲ませた視線と言葉を向けてくるピオニーに、ルークもまた深く頷いた。かつてのオールドラントのようになんて望めないし、望まない方がいい・・・そう内心で考えたからこそもうこの問題には踏み込まないようにしようと決めて。









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