認知し、認知出来ないが故の距離
・・・そうルークが決心を固める中、一同は船の前で待っていた港の責任者であるアルマンダインの元へ辿り着く。
「ルーク様、ご無事で何よりです!」
「ご苦労。まぁこの通り無事だ」
ヴァンから連絡を受けたのだろう。着いて早速嬉しそうに顔を緩めるアルマンダインにルークは慇懃に手をヒラヒラ振って返しつつ、次の話題に移る。
「なぁ、船の準備は出来てっか?」
「はい、ルーク様が望めば今からでも出航出来ますが・・・早速乗られますか?バチカルへの帰参は早ければ早いほど望ましいと思われます」
「いや、そういう訳じゃねぇ・・・ここに来る前にこいつらから言われたんだけどよ。俺ちょっとマルクトの代表とダアトの導師からキムラスカに和平の仲介を頼まれてんだよ。ただちょっと導師と敵対してる神託の盾のせいで導師達と離ればなれになっちまったんだ。それでここまで神託の盾の追っ手を避けながら来たんだけどそこで言われたんだよ。バチカルに戻る前に導師達と足並みを揃えるべきじゃないのかってな」
「足並みを、ですか・・・?」
それでルークが前置きをした上で切り出した足並みとの言葉にアルマンダインは首を傾げる。
「ま、簡単にいや俺一人戻って叔父上や父上に和平の仲介頼まれましたって言うだけってのも味気無いんじゃねーのかって事だよ」
「あぁ・・・確かにそのような場合では共に向かうのが普通になりますな。そう考えれば確かに足並みを揃えた方がいいかと思います」
「まぁ俺も神託の盾から逃げなきゃなんねーであんまゆっくりも出来なかったんでな。だからここで休憩がてらしばらく待って導師に師匠達を待とうと思ってんだけど大丈夫だよな?」
「はいそれはもう。誠心誠意おもてなしをさせていただきます」
そんな姿に儀礼的な事を述べ上げるルークにアルマンダインも納得し、それでここに留まりたいと告げると快く頷く。
・・・さて、ルークがそのような事を言い出したのはイオン達を待つためもあるがここで合流したフレン達と話をするためだ。先程ジュディス達から自分の事を伝えてもらったとは言え、いや人伝で終わらせてはいけない。そうルークは考えた。
しかし今から船に乗ればケセドニアに着いて流れるようにバチカルに行くのは目に見えている。神託の盾の目がこちらに向いてないことから。そう考えるとティア達の協力と関係性を得るためにも、フレン達と会話をする事は必要な事だと思いここに留まる事を切り出したのだ。
ちなみにジュディス達からそう言われたというのはルークの嘘なので、後でちゃんとルークは謝るつもりである。名前を使ったことを・・・
・・・そんな風にして港に留まる事になったルーク達はささやかながらも確かなもてなしを受け、時を過ごしていた。それで夜になりミュウも寝静まった所でルークはジュディス達に声をかけ、念のために部屋を移す。
「・・・皆、ごめん。俺の為にこっちにまで来てもらって・・・」
「っ・・・ル、ルーク様・・・」
「色々悪かった、フレン・・・バンエルティア号の中でわがままばっかり押し付けて・・・」
「い、いえ!そのようなことは・・・」
そして部屋に入り誰もいないことを確認するなり表情を崩し謝るルークに、フレンはアワアワしながら首を横に振る。
「・・・本当に変わるもんだね~。あんなにわがまま三昧してたのに・・・」
「でも俺達はそれが演技だと見抜けなかった・・・正直、不覚に思うよ」
「はい・・・本当のルークさんを見ることが出来ていなかったんですから・・・」
「いや、そんな落ち込まないでくれよミント・・・騙してたのは俺なんだから、皆のせいじゃないって・・・」
そんなやり取りにゼロスは意外そうで楽しそうに、アスベルにミントは暗い顔を浮かべるがルークはすぐに自分のせいだと横に首を振る。
.
「ルーク様、ご無事で何よりです!」
「ご苦労。まぁこの通り無事だ」
ヴァンから連絡を受けたのだろう。着いて早速嬉しそうに顔を緩めるアルマンダインにルークは慇懃に手をヒラヒラ振って返しつつ、次の話題に移る。
「なぁ、船の準備は出来てっか?」
「はい、ルーク様が望めば今からでも出航出来ますが・・・早速乗られますか?バチカルへの帰参は早ければ早いほど望ましいと思われます」
「いや、そういう訳じゃねぇ・・・ここに来る前にこいつらから言われたんだけどよ。俺ちょっとマルクトの代表とダアトの導師からキムラスカに和平の仲介を頼まれてんだよ。ただちょっと導師と敵対してる神託の盾のせいで導師達と離ればなれになっちまったんだ。それでここまで神託の盾の追っ手を避けながら来たんだけどそこで言われたんだよ。バチカルに戻る前に導師達と足並みを揃えるべきじゃないのかってな」
「足並みを、ですか・・・?」
それでルークが前置きをした上で切り出した足並みとの言葉にアルマンダインは首を傾げる。
「ま、簡単にいや俺一人戻って叔父上や父上に和平の仲介頼まれましたって言うだけってのも味気無いんじゃねーのかって事だよ」
「あぁ・・・確かにそのような場合では共に向かうのが普通になりますな。そう考えれば確かに足並みを揃えた方がいいかと思います」
「まぁ俺も神託の盾から逃げなきゃなんねーであんまゆっくりも出来なかったんでな。だからここで休憩がてらしばらく待って導師に師匠達を待とうと思ってんだけど大丈夫だよな?」
「はいそれはもう。誠心誠意おもてなしをさせていただきます」
そんな姿に儀礼的な事を述べ上げるルークにアルマンダインも納得し、それでここに留まりたいと告げると快く頷く。
・・・さて、ルークがそのような事を言い出したのはイオン達を待つためもあるがここで合流したフレン達と話をするためだ。先程ジュディス達から自分の事を伝えてもらったとは言え、いや人伝で終わらせてはいけない。そうルークは考えた。
しかし今から船に乗ればケセドニアに着いて流れるようにバチカルに行くのは目に見えている。神託の盾の目がこちらに向いてないことから。そう考えるとティア達の協力と関係性を得るためにも、フレン達と会話をする事は必要な事だと思いここに留まる事を切り出したのだ。
ちなみにジュディス達からそう言われたというのはルークの嘘なので、後でちゃんとルークは謝るつもりである。名前を使ったことを・・・
・・・そんな風にして港に留まる事になったルーク達はささやかながらも確かなもてなしを受け、時を過ごしていた。それで夜になりミュウも寝静まった所でルークはジュディス達に声をかけ、念のために部屋を移す。
「・・・皆、ごめん。俺の為にこっちにまで来てもらって・・・」
「っ・・・ル、ルーク様・・・」
「色々悪かった、フレン・・・バンエルティア号の中でわがままばっかり押し付けて・・・」
「い、いえ!そのようなことは・・・」
そして部屋に入り誰もいないことを確認するなり表情を崩し謝るルークに、フレンはアワアワしながら首を横に振る。
「・・・本当に変わるもんだね~。あんなにわがまま三昧してたのに・・・」
「でも俺達はそれが演技だと見抜けなかった・・・正直、不覚に思うよ」
「はい・・・本当のルークさんを見ることが出来ていなかったんですから・・・」
「いや、そんな落ち込まないでくれよミント・・・騙してたのは俺なんだから、皆のせいじゃないって・・・」
そんなやり取りにゼロスは意外そうで楽しそうに、アスベルにミントは暗い顔を浮かべるがルークはすぐに自分のせいだと横に首を振る。
.