if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 後編
「後、もう来れないみたいな言い方をしましたけどライマに戻らないでいいってなったならまたこちらに来てください。故郷に帰られる方も多いですし、アドリビトムも人手が足りなくなりますからね。ルークさんなら!いつ戻ってきても歓迎しますよ!」
「・・・俺の部分だけやけに強調してるけど、それだとアッシュは歓迎はしないんだよな」
「それだけではなく、ティアさん達も歓迎はしませんよ!結局あの人達はアッシュさんについて積極的に動いてはくれませんでしたし、僕やルークさんとの件でナタリアさんが心を痛ませる様子がよく見られていたらしいですから、わざわざそんなことになるのが分かっててまた来てもらいたいなんて思いませんから!」
「そ、そうか・・・じゃあもしアドリビトムにまた来れるような状況になるなら、陛下にはチャットの言っていた事は伝えてはおくよ。ライマも落ち着いてきたことだから、もうアドリビトムに来る理由も相当な事がないとないだろうけどさ」
「えぇ、是非お願いします!」
「あ、はは・・・」
そのままルークへの好意を伝えつつもアッシュ達に対する拒絶を徹底的に明るく口にしていくチャットの姿に、苦笑いを浮かべるしかなかった。ここまでイキイキとしているチャットにそこまで嫌われるアッシュに対し、どう言っていいか分からないといったように。
・・・そんなチャットからのお見送りを受け、ルークはバンエルティア号から降り立ちライマへと戻った。
それで城に入りピオニーと貴族達による出迎えがされたのだが、ラザリスの事や挨拶もそこそこに今日は戻ってばかりだとの事で一先ずは休息を取るように言われて一同は解散となった・・・
「・・・何で俺の部屋に普通に来ているんですか、陛下・・・」
「いや、本当なら俺の部屋に来てもらおうかと思ったんだが・・・後でアッシュの部屋にも訪れる予定だから、別にいいかと思ってな」
「アッシュの所、ですか?」
・・・のだが、ルークに用意された部屋に当然のようにピオニーが入ってきた。
ルークは半ば呆れたような声を向けるが、アッシュの元にも行くとのピオニーの返しに怪訝そうに眉を寄せる。
「・・・もうこの際だからな。下手に取り繕ったりこうすればあいつらも言うことを聞くんじゃないかと頭を悩ませるより、いっそもうアッシュにありのままの姿を見てもらう方が手っ取り早いと思ったんだ。あいつがルークに対してどれだけの気持ちを持っているのかをな」
「ありのままってつまり、俺に対してどう感じてるのかを口にしてもらうって事ですか・・・?」
「あぁ・・・アドリビトム内での事は手紙で知ってはいるしさっきも姿を見たが、今のあいつは相当に鬱憤が溜まっているだろう。だが貴族達はあいつを甘く見ている・・・そんな感情などどうとでもなるか、誰かがどうにかしてくれる。もしくはあいつも王位継承権を持つ者として自重してくれるだとか、最悪それこそルークに後を任せればいいだとか・・・そういった事を考えているだろう。だがそれが甘くないことを知らしめるためには、やはり直接あいつの気持ちがどうなのかを目の当たりにしてもらうことだが・・・大丈夫か?辛いことを強いるような形になるが・・・」
「・・・いえ、陛下の言うようにした方がいいと俺も思いました。確かに辛いことにはなるとは思いますけど、それこそ下手に自分達は大丈夫だなんて俺だけが言ってたら妙なことになるでしょうし・・・だったら俺の口からももう戻るつもりはないって言う方がいいと思いました。その方が下手に俺に本心かどうかはさておいても、王になってほしいって言ってる貴族達にもまだいいと思いますから」
「・・・そう言ってくれる事に感謝する」
ピオニーはその様子にいかに自分が考えてこう発言したのかについてを重く口にし、ルークもまた覚悟を決めたように頷いたことに軽く頭を下げた・・・決着をつけるためにちゃんと行動する必要があると、理解してもらえたことに。
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「・・・俺の部分だけやけに強調してるけど、それだとアッシュは歓迎はしないんだよな」
「それだけではなく、ティアさん達も歓迎はしませんよ!結局あの人達はアッシュさんについて積極的に動いてはくれませんでしたし、僕やルークさんとの件でナタリアさんが心を痛ませる様子がよく見られていたらしいですから、わざわざそんなことになるのが分かっててまた来てもらいたいなんて思いませんから!」
「そ、そうか・・・じゃあもしアドリビトムにまた来れるような状況になるなら、陛下にはチャットの言っていた事は伝えてはおくよ。ライマも落ち着いてきたことだから、もうアドリビトムに来る理由も相当な事がないとないだろうけどさ」
「えぇ、是非お願いします!」
「あ、はは・・・」
そのままルークへの好意を伝えつつもアッシュ達に対する拒絶を徹底的に明るく口にしていくチャットの姿に、苦笑いを浮かべるしかなかった。ここまでイキイキとしているチャットにそこまで嫌われるアッシュに対し、どう言っていいか分からないといったように。
・・・そんなチャットからのお見送りを受け、ルークはバンエルティア号から降り立ちライマへと戻った。
それで城に入りピオニーと貴族達による出迎えがされたのだが、ラザリスの事や挨拶もそこそこに今日は戻ってばかりだとの事で一先ずは休息を取るように言われて一同は解散となった・・・
「・・・何で俺の部屋に普通に来ているんですか、陛下・・・」
「いや、本当なら俺の部屋に来てもらおうかと思ったんだが・・・後でアッシュの部屋にも訪れる予定だから、別にいいかと思ってな」
「アッシュの所、ですか?」
・・・のだが、ルークに用意された部屋に当然のようにピオニーが入ってきた。
ルークは半ば呆れたような声を向けるが、アッシュの元にも行くとのピオニーの返しに怪訝そうに眉を寄せる。
「・・・もうこの際だからな。下手に取り繕ったりこうすればあいつらも言うことを聞くんじゃないかと頭を悩ませるより、いっそもうアッシュにありのままの姿を見てもらう方が手っ取り早いと思ったんだ。あいつがルークに対してどれだけの気持ちを持っているのかをな」
「ありのままってつまり、俺に対してどう感じてるのかを口にしてもらうって事ですか・・・?」
「あぁ・・・アドリビトム内での事は手紙で知ってはいるしさっきも姿を見たが、今のあいつは相当に鬱憤が溜まっているだろう。だが貴族達はあいつを甘く見ている・・・そんな感情などどうとでもなるか、誰かがどうにかしてくれる。もしくはあいつも王位継承権を持つ者として自重してくれるだとか、最悪それこそルークに後を任せればいいだとか・・・そういった事を考えているだろう。だがそれが甘くないことを知らしめるためには、やはり直接あいつの気持ちがどうなのかを目の当たりにしてもらうことだが・・・大丈夫か?辛いことを強いるような形になるが・・・」
「・・・いえ、陛下の言うようにした方がいいと俺も思いました。確かに辛いことにはなるとは思いますけど、それこそ下手に自分達は大丈夫だなんて俺だけが言ってたら妙なことになるでしょうし・・・だったら俺の口からももう戻るつもりはないって言う方がいいと思いました。その方が下手に俺に本心かどうかはさておいても、王になってほしいって言ってる貴族達にもまだいいと思いますから」
「・・・そう言ってくれる事に感謝する」
ピオニーはその様子にいかに自分が考えてこう発言したのかについてを重く口にし、ルークもまた覚悟を決めたように頷いたことに軽く頭を下げた・・・決着をつけるためにちゃんと行動する必要があると、理解してもらえたことに。
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