if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 後編

「ただそれでもこのルミナシアの状況が落ち着くまではこのアドリビトムに所属し、事態の解決に望まねばならない。そしてそうとなれば、アッシュ君達と共同生活はしばらく避けられないだろう」
「分かっているさ・・・でもアッシュも色々言われたってのもあるから少しは大人しくなるだろうし、事態が収束するまでは俺もへこたれたりなんかしないさ」
「・・・君がそう言うのなら、私は引き続き君に協力しよう。ナタリア君は勿論、ティア君達はアッシュ君の方に立場的にも寄らざるを得ないだろうからね。ならばせめて私くらいは君と共に動かせてもらうよ」
「ウッドロウ・・・ありがとう・・・」
しかしとウッドロウは注意をするようにといった中身の声を向けるが、ルークの迷いのない声に協力をすると笑顔を浮かべて言い、ルークもまた笑顔で礼を述べた。味方でいてくれるとハッキリ言ってくれるその心に感謝するように。


















・・・そうしてライマもそうだがルミナシアの情勢が落ち着くまで、ルークはアッシュ達と共に過ごす事を決めた。

そうして共同生活が始まる訳だがウッドロウの言葉が効いたことこともあってか、アッシュは自分からルークの方に突っ込んでくることはなかった。とは言えやはりルークの事を見ては露骨に顔をしかめたり、舌打ちをしたりその場から離れることなど多々あったがそれでもアッシュにしては相当に我慢していたようだった。

ただそういった我慢はあくまでもルークや人がいる場所までで・・・やはりというか、アッシュは他者の姿が無いような場所ではルークへの悪感情を滲ませ荒れていると言った光景をアドリビトムのメンバーは度々見てきた。

その姿にアドリビトムのメンバーのほとんどというか、ルークを除いた上で後に合流してきたアニスとガイを含めたライマ陣以外の面々はいい顔を浮かべなかった。特にアドリビトムの本拠地であるバンエルティア号の持ち主のチャットは、アッシュに対して直接何度も激昂して注意していた。機嫌が悪くなるのを物に当たることで紛らわそうとするが、そうして八つ当たりの対象であるバンエルティア号に当たり傷をつけることは彼女からしてとても許せない行動である為に。

その為、度々起こるアッシュとチャットの喧嘩・・・そしてそれを止めることとなだめることが出来ないルーク以外のライマ陣の評価は、あまり良くない物になっていった。



・・・ただそんな状況ではあるが、平行してアドリビトムはルミナシア全体に影響する事象を引き起こしていた原因とも呼べる存在・・・その名もラザリスと言うが、ラザリスと対峙して結果を簡単に言うならルミナシアの安寧を勝ち取り世界は少なからず平和へと向かっていった。

そしてそういった状況となれば、ライマも次第に落ち着きを取り戻し・・・ルークとアッシュ達はライマへ戻るようにとの達しが来たため、ライマへ戻ることになった。



「・・・今まで世話になった。後・・・悪かった、色々と」
「いいんですよ、ルークさんは気にしないでください!悪いのはアッシュさんの方なんですから!」
「あ、はは・・・」
・・・それでライマへとバンエルティア号を動かしてもらい、先に出たアッシュ達の後に続くように出ようとしたルークはチャットに声をかけるが、ニコニコと笑顔で元気よくアッシュへの毒を吐くその姿に苦笑いを浮かべるしか出来なかった・・・ラザリスと対決する頃には完全にチャットとアッシュの仲は険悪としか言いようがない段階にまで来ていて、最早仲直りなどルークとは別方面に無理だと言えるレベルになっていたのをよく知っている為に。









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