if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 後編

・・・それで一先ずその場は収まって解散となり、ルークは自分の使っている部屋・・・ではなく、黒い石のある部屋に移された。理由として今のルークには一人部屋をあてがった方が色々と面倒にならないだろうという配慮の上でだ。



「・・・よう」
「ユーリ、クレス・・・それに他の皆も・・・」
・・・そんな部屋で一人ベッドに腰掛け重い表情になっていたルークだったが、部屋の中に入ってきたユーリとクレスを筆頭の数名に反応する。
「・・・どうしたんだ、一体?」
「何、ちょいとした報告と話をしに来たいと思って来ただけだ。それでまずは報告だが、ウッドロウは今ライマの奴らの所に行ってる。そしてその目的はアッシュはともかくすんなり首を縦に振らないだろうから、ルークの事を外すように同調する意見をライマに送ってくれって説得するためだ」
「あ・・・だからここにはウッドロウは来てないのか・・・」
立ち上がって用向きについてを問うルークにユーリが答えを返していき、その中身にここにウッドロウがいない事に納得する。
「・・・ルーク・・・」
「エステル・・・」
「・・・貴方は七年前からもう、アッシュとの仲をどうにかすることを諦めてたんですか・・・?」
「っ・・・」
そんな中で一歩前に出て悲し気な様子でアッシュとのことの聞いてきたエステルに、ルークは苦い表情を浮かべる。
「・・・諦めたっていうのは、今となっては間違ってはない・・・とは思う。けれど最初からそうだったって訳じゃない・・・最初は俺もアッシュと仲良くなりたいって普通に思ってた。一緒に生まれてきた兄弟で、俺にとってはかけがえのない兄って存在だから・・・けれど時が経っていく内に、アッシュは俺の事を嫌うようになっていった・・・そしてそれは時を重ねるごとに次第に酷くなっていった・・・」
「・・・じゃあ、まだ七年前に離れたっていう時はまだアッシュは今よりはマシだったっていうのかい?」
「まぁそれは・・・流石にここで七年ぶりに会ったっていうのに屑って呼ばれるとは思っていなかったけど、それでも前はまだお前呼びくらいだったし・・・(正直、懐かしかったって部分があることは否定は出来ないけど・・・ここでもそういった風に言われるのかって思う気持ちの方が強かったんだよな。流石にオールドラントでのことは言えないから、これも含めて黙るしかないけれど・・・)」
そこから昔語りを重くするルークにクレスが確認の問いを向け、肯定を返すと共に言えない中身についてを内心に留める。流石に言ってはいけないことだと。
「・・・それでついさっき、実際に七年ぶりに会ってみりゃあぁだった・・・って訳か」
「そうなる、けれど・・・俺としては会ったとしても、アッシュにあそこまで言われるとは全く思ってなかったんだ・・・俺がいなくなったことで色々な責任がアッシュにのしかかることになっただろうってことは想像はつくし、それで恨まれても仕方無いとは思ってた。けれどあそこまで俺の事を嫌うようになってたなんて、そこまでは思ってなかった・・・」
「・・・ま、確かにありゃ普通じゃなかったな。確かに色々やることを押し付けられて勝手に逃げられでもしたなら、そりゃムカつく事くらいはあるだろう・・・が、あいつの様子を思い出すとそんな程度で済むような感じにも見えなかったな。どっちかっつったら、シンプルにルークが嫌いって気持ちが膨れ上がっちまったのが暴走したってのがしっくり来る」
(暴走、か・・・どうしてここでも俺はアッシュにあそこまでの感情を向けられるんだろう・・・本当に・・・)
それでユーリが話を継いだ中で自分に恨みをあそこまで向けられるとは思っていなかったとルークが言うと、同意と共に暴走と出てきたことに悲痛な気持ちを抱く。どうしてここまでアッシュにあのような気持ちを向けられるのかと。









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