「そんでもってさっきの事は聞いただけだが、今の様子を見る限りでもこっちのアッシュはルークの事をすごく嫌ってるってのは分かる・・・それでわざわざ確認されるのも嫌だろうが、ルークと仲良くなんてことは嫌だってのは分かるが別にルークとは仲が悪くないフリ程度でもしてくれなんて言われてもお前は嫌なんだろ？」
「ハッ、そんなこと確認されるまでもねぇ！この屑と仲良くどころか普通にするだけでもやれなんて冗談じゃねぇ！」
「「・・・っ！」」
そんな牽制を入れた後にユーリがアッシュにもしもの話をするが、すぐさま勢いよく否定を返すその姿にルークだけでなくナタリアもまた辛そうな表情を浮かべた。
「・・・つー訳だがジェイド。あんたにここで一つ聞きたいことがある」
「・・・何でしょうか？」
「ルークがいなくなった後からライマで暮らしてる時のアッシュの様子と、今のアッシュの様子・・・どれくらい違うか聞かせてくれよ」
「・・・私の立場から考えれば本来は大きな違いはないと言うのが妥当な所なのでしょうが、ハッキリ言ってしまえば雲泥の差ですよ。普段から彼は表情を固くして笑顔を浮かべるなんて様子はほとんどありませんでしたが、それでもそこまで感情を爆発させる事などそうそう見られるような物ではありませんでした。ですので今彼がこうしてルークに対してこれだけの敵対心を見せるこの姿は、それだけ本気でルークの事が嫌なのだという証拠でもあると私は思いました」
「ちょっ・・・何でそんなことを本気で言うんですか！？」
そんな反応から次にユーリがジェイドに質問を向け、自分の考えをありありと話していくその様子にティアが慌てて非難めいた声を向ける。
「・・・貴女はライマにルークを戻すことは必要な事だと思い、私がそれに反対することに異を唱えたいのかもしれませんが・・・このアッシュの様子を見て、ピオニー陛下の決断にルークの決意が無かったら今までにどれだけライマ内で二人の間での不毛なやり取りが繰り広げられるばかりか、どうやってそれを解決するかの明確な手段について想像は付きますか？」
「っ、それは・・・多分ライマに戻ってもこうなるんじゃないかとは思いますが、それを私が何故考えなければ・・・！」
「今さっき彼が言ったでしょう。ルークとは仲良くどころか普通にすることさえも拒否をするといった旨の言葉を。それを踏まえて今のやり取りかそれ以上の事がライマに戻ってからも繰り広げられるような事になれば、最初は歓迎していた貴族達もすぐに何故連れ帰ったと掌を返すのがオチになるのが関の山だと私は思っていますが・・・もしそうならないのだと見込めて動けるのだというなら、ピオニー陛下達に報告をしてくださいと言いたいのですよ。今のアッシュの様子を見る限りではライマに帰ってルークと仲良くするつもりは毛頭ないだけでなく、場所を選びもせずに因縁をつけることはまず間違いないでしょう。そうなれば最初は貴女を称賛していた貴族達も、次第に何故連れ帰ってきた・・・と言った叱責に無策でいて後は陛下や貴族達に放り投げると言った行動を貴女が取るなら、批難の槍玉に上げることはまず避けられないでしょうからね」
「・・・っ！」
そんな様子に具体的な対策を講じなければこうなると仮定についてを言葉にしていくジェイドに、ティアは反論したげながらも口をつぐんだ。具体的に二人について何一つ案がないこともあるが、そんな自分が責められる未来などティアからして真っ平ごめんと言えるような物であった為に。









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