if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 後編
・・・ルークがアドリビトムに所属したことに安心が大半を占めるが、それでも一抹の不安を感じつつも特に大事が起きずに時間は過ぎていった。
その中で次第にルミナシアの情勢が怪しい方向に動いていっていることをライマ本国、そしてアドリビトムのルークからの手紙でピオニーは知ることになっていった。
それで次第に時が過ぎていく中、ルークよりの手紙で増えていくギルドの仲間の中にウッドロウも加わったことを知った。
「これは・・・ウッドロウと直に顔を合わせられたこと自体はまだいいかもしれんが、あいつがギルドに所属せねばならん事態になるとは・・・先に加わったというエステル達の事もあるが、ルミナシアの情勢はこれから更に混迷を極めていくというのか・・・?」
・・・自身の私室。その中でルークからの手紙を見てピオニーは表情を悩ましげに歪めていた。いいことはあったが同時に不安もある、そんな状況に。
「一応はウッドロウもルークに気を使って、その立場についてはアドリビトムで公言はしていないようだが・・・今のルミナシアを取り巻く状況がより不穏な方向に行く可能性を考えると・・・もしもの場合に備えての準備はしておいた方がいいだろうな・・・」
その上でどうするべきかと考え、ピオニーは決意をして机の方に向かう。ルークにもしもの時が来た場合に備える為に。
・・・それで数日後、ルークの元にピオニーから送られた手紙が届く。
「・・・これは・・・」
「・・・どう思う?俺としてはあんまり陛下に迷惑をかけたくないから、この手紙を表に出したくはないんだけど・・・」
「いや、もしもの事を考えればこの手紙は迷わず用いた方がいいだろう。今の君の状況に関してはまだエステル君に誤魔化してもらってる事もあって立場は露見はしていないが、今後の事を考えれば何かあれば使うべきだ」
「やっぱりそうか・・・」
・・・アドリビトム内のルークにあてがわれた部屋の中、ウッドロウと横並びになりながら手紙を見つつルークは会話をする。ただその返答にルークは苦い顔をせざるを得なかった。使った方がいいと断言されたことに。
「君の立場や考えについては話に聞いていたこともあるし、実際にここで共に話してよく分かっている。だからこそこの陛下の気遣いに甘えることに抵抗はあるのだろうが、このアドリビトムに集まって来ている人員がこれだけで収まると決まった訳ではないしましてや君の立場についてを黙っていてくれる者ばかりとも限らない・・・現にエステル君もここで会った時に君の立場についてを危うく言おうとしていたのだろう?」
「あぁ、それはな・・・」
しかしウッドロウがそうしない方がいいとエステルを例えに出したことに、思わず遠い目をルークは浮かべる・・・ガルバンゾという国の姫というエステルが何の因果かこのアドリビトムに来てギルドに在籍すると決めた時、ルークは昔会っていたことから陰でエステルに自分の事を黙っていてもらうようにと話をした。その際に何故だとかそんなのはダメだといったようなやり取りが続けられ、最後にはようやく説得が届いてルークの立場については言わないという形で決着を着けた・・・その説得にどれだけ苦心したかを思い出したことで。
「これから先、君にも私にも予測がつかない形で何かが起きてもおかしくはない。そしてその際、この手紙がなければ君が何らかの抵抗も出来ない状態になることも有り得ない訳ではない。この手紙に関しては素直に受け入れ、いざというときに使うべきだ。それがピオニー陛下の望みでもあるだろうからね」
「っ・・・分かった、そうする・・・」
だからこそエステル以上の事態を避けるためにも、そして現状を正確には把握していないピオニーもそうしないようにするために手紙を送った・・・そう言われてしまえばルークも決心せざるを得なかった。もしもの時はこの手紙を用いると、手の中の紙を複雑そうに見詰める形で。
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その中で次第にルミナシアの情勢が怪しい方向に動いていっていることをライマ本国、そしてアドリビトムのルークからの手紙でピオニーは知ることになっていった。
それで次第に時が過ぎていく中、ルークよりの手紙で増えていくギルドの仲間の中にウッドロウも加わったことを知った。
「これは・・・ウッドロウと直に顔を合わせられたこと自体はまだいいかもしれんが、あいつがギルドに所属せねばならん事態になるとは・・・先に加わったというエステル達の事もあるが、ルミナシアの情勢はこれから更に混迷を極めていくというのか・・・?」
・・・自身の私室。その中でルークからの手紙を見てピオニーは表情を悩ましげに歪めていた。いいことはあったが同時に不安もある、そんな状況に。
「一応はウッドロウもルークに気を使って、その立場についてはアドリビトムで公言はしていないようだが・・・今のルミナシアを取り巻く状況がより不穏な方向に行く可能性を考えると・・・もしもの場合に備えての準備はしておいた方がいいだろうな・・・」
その上でどうするべきかと考え、ピオニーは決意をして机の方に向かう。ルークにもしもの時が来た場合に備える為に。
・・・それで数日後、ルークの元にピオニーから送られた手紙が届く。
「・・・これは・・・」
「・・・どう思う?俺としてはあんまり陛下に迷惑をかけたくないから、この手紙を表に出したくはないんだけど・・・」
「いや、もしもの事を考えればこの手紙は迷わず用いた方がいいだろう。今の君の状況に関してはまだエステル君に誤魔化してもらってる事もあって立場は露見はしていないが、今後の事を考えれば何かあれば使うべきだ」
「やっぱりそうか・・・」
・・・アドリビトム内のルークにあてがわれた部屋の中、ウッドロウと横並びになりながら手紙を見つつルークは会話をする。ただその返答にルークは苦い顔をせざるを得なかった。使った方がいいと断言されたことに。
「君の立場や考えについては話に聞いていたこともあるし、実際にここで共に話してよく分かっている。だからこそこの陛下の気遣いに甘えることに抵抗はあるのだろうが、このアドリビトムに集まって来ている人員がこれだけで収まると決まった訳ではないしましてや君の立場についてを黙っていてくれる者ばかりとも限らない・・・現にエステル君もここで会った時に君の立場についてを危うく言おうとしていたのだろう?」
「あぁ、それはな・・・」
しかしウッドロウがそうしない方がいいとエステルを例えに出したことに、思わず遠い目をルークは浮かべる・・・ガルバンゾという国の姫というエステルが何の因果かこのアドリビトムに来てギルドに在籍すると決めた時、ルークは昔会っていたことから陰でエステルに自分の事を黙っていてもらうようにと話をした。その際に何故だとかそんなのはダメだといったようなやり取りが続けられ、最後にはようやく説得が届いてルークの立場については言わないという形で決着を着けた・・・その説得にどれだけ苦心したかを思い出したことで。
「これから先、君にも私にも予測がつかない形で何かが起きてもおかしくはない。そしてその際、この手紙がなければ君が何らかの抵抗も出来ない状態になることも有り得ない訳ではない。この手紙に関しては素直に受け入れ、いざというときに使うべきだ。それがピオニー陛下の望みでもあるだろうからね」
「っ・・・分かった、そうする・・・」
だからこそエステル以上の事態を避けるためにも、そして現状を正確には把握していないピオニーもそうしないようにするために手紙を送った・・・そう言われてしまえばルークも決心せざるを得なかった。もしもの時はこの手紙を用いると、手の中の紙を複雑そうに見詰める形で。
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