if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編
「っと、取り敢えず陛下に手紙でも出すか・・・しばらくはここにいれそうだし、拠点が定まってるってなれば陛下も安心してくれるだろうしな」
そこでふとルークはピオニーの事を思い出し、立ち上がって部屋に備え付けてある机の方へと向かう。
・・・この二年半の間、ルークはピオニーと度々連絡の手紙を出しあっていた。今現在の自分の様子はどうなっているのかに、ライマの様子はどうなっているのかについてを。
ただまだアドリビトムに着く前は拠点をどこにするのかを定めていなかった為、どこの国のどの宿屋にどれくらいいるからそれまでに返事を返してほしい・・・と言ったような形でルークはピオニーに手紙を出してきた。下手に移動ばかりしていてもピオニーからの返事を受け取れないのはまずいということで、しばらくその近辺に滞在すると決めたならそういったようにする形で。
しかしそれもこのアドリビトムにいれるなら、このやり取りも落ち着いてやれるとルークは感じていた。自分は大丈夫だと紙面でよく言っているのに、それでもというように自分の事を心配してくれるピオニーに対して。
「・・・アドリビトム・・・そんなギルドがあって、今はそこにいると言うのか・・・」
・・・それで数日後。屋敷を経由して自分に出されたルークからの手紙を私室で読みながら、少しホッとしたような表情を浮かべる。
「大人も多少いるようだが、そうした形で同年代と共にいれるということはいいことだろう。俺がルークくらいの頃は近い年代の奴は限られた面々しかいなかったが、ご機嫌取りばかりしてくる奴や食えない貴族のジジイ達を相手にするよりは断然マシだ。それにこの二年半、ルークも手紙には詳しくは書こうとはしていなかったが、ライマの外に出ての旅でいい人物ばかりに出会ってきた訳ではないだろうからな・・・その点では近い歳の奴らならそこまで問題もないだろう」
そうしてピオニーがホッとする理由は、ルークの手紙にあったよう周りの環境が良くなったことにある・・・流石にピオニーと言えども誰の供も付けずに世界を旅などしたことはないが、外にいる人間は貴族とはまた違った意味で危ない人物もいることくらいは聞き及んでいる。しかし同年代と一緒、それも手紙の中身から聞けば身分的に貴族の関係者と思えるような者もいないという・・・そのような環境ならばルークも仕事こそあれど、あてなく旅をするよりは穏やかに過ごせると感じていた。
「後はルークがライマの王族だと知れ渡るようなことがなければいいんだがな・・・ルークはギルドのメンバーには伝えてないとの事だが・・・」
ただそれでルークが自身の身分の事を明かしていない事が、後々にどうなるかと不安を感じていた・・・ルークから送られてきた手紙には自分の身分については言ってないと書かれていたし、それが正解だとピオニーも感じている。下手にそれらを明かしたならどうなるか分からない事から・・・だがいつまでそう出来るかも分からないが、何か避けようのない妙な事が起きることも有り得るのではという不安から来る予感を・・・
・・・そしてそのピオニーの予感は当たることになる。それも望ましくない形で・・・
next story
.
そこでふとルークはピオニーの事を思い出し、立ち上がって部屋に備え付けてある机の方へと向かう。
・・・この二年半の間、ルークはピオニーと度々連絡の手紙を出しあっていた。今現在の自分の様子はどうなっているのかに、ライマの様子はどうなっているのかについてを。
ただまだアドリビトムに着く前は拠点をどこにするのかを定めていなかった為、どこの国のどの宿屋にどれくらいいるからそれまでに返事を返してほしい・・・と言ったような形でルークはピオニーに手紙を出してきた。下手に移動ばかりしていてもピオニーからの返事を受け取れないのはまずいということで、しばらくその近辺に滞在すると決めたならそういったようにする形で。
しかしそれもこのアドリビトムにいれるなら、このやり取りも落ち着いてやれるとルークは感じていた。自分は大丈夫だと紙面でよく言っているのに、それでもというように自分の事を心配してくれるピオニーに対して。
「・・・アドリビトム・・・そんなギルドがあって、今はそこにいると言うのか・・・」
・・・それで数日後。屋敷を経由して自分に出されたルークからの手紙を私室で読みながら、少しホッとしたような表情を浮かべる。
「大人も多少いるようだが、そうした形で同年代と共にいれるということはいいことだろう。俺がルークくらいの頃は近い年代の奴は限られた面々しかいなかったが、ご機嫌取りばかりしてくる奴や食えない貴族のジジイ達を相手にするよりは断然マシだ。それにこの二年半、ルークも手紙には詳しくは書こうとはしていなかったが、ライマの外に出ての旅でいい人物ばかりに出会ってきた訳ではないだろうからな・・・その点では近い歳の奴らならそこまで問題もないだろう」
そうしてピオニーがホッとする理由は、ルークの手紙にあったよう周りの環境が良くなったことにある・・・流石にピオニーと言えども誰の供も付けずに世界を旅などしたことはないが、外にいる人間は貴族とはまた違った意味で危ない人物もいることくらいは聞き及んでいる。しかし同年代と一緒、それも手紙の中身から聞けば身分的に貴族の関係者と思えるような者もいないという・・・そのような環境ならばルークも仕事こそあれど、あてなく旅をするよりは穏やかに過ごせると感じていた。
「後はルークがライマの王族だと知れ渡るようなことがなければいいんだがな・・・ルークはギルドのメンバーには伝えてないとの事だが・・・」
ただそれでルークが自身の身分の事を明かしていない事が、後々にどうなるかと不安を感じていた・・・ルークから送られてきた手紙には自分の身分については言ってないと書かれていたし、それが正解だとピオニーも感じている。下手にそれらを明かしたならどうなるか分からない事から・・・だがいつまでそう出来るかも分からないが、何か避けようのない妙な事が起きることも有り得るのではという不安から来る予感を・・・
・・・そしてそのピオニーの予感は当たることになる。それも望ましくない形で・・・
next story
.