if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編

(・・・よそう。その辺りはこれからのライマを考えれば不安な要素ではあるが、だからと言ってアッシュが成長しないと限った訳じゃない。後はルークの無事を祈り、アッシュについてを出来る限りどうにかしてやることが俺のやることだ・・・アッシュが素直に俺の言うことを聞くかどうかはまた別物だがな・・・)
それでそこまで考えて今は深く考えるべきではないとピオニーは思うが、やはり一抹の不安をアッシュには感じずにはいられずにいられなかった。その激しさを思うと、どうしても大丈夫と言い切れないと・・・



























・・・ルークがライマより出て、旅を始めた。その道程は決して楽な物ではなかった・・・年端もいかない子どもが一人で旅をするということもそうだが、ルークという名前がライマの王族の物である事から王族ではないかと言われる形でだ。

ただ幸いにもオールドラントのキムラスカの時と違い王族の特徴に紅い髪の毛に翠の瞳という物が絶対ではないことから誤魔化す事は出来たが、そういった経験によりルークは一人旅では慎重に行くべきだという教訓を得られた。自分の立ち居振舞いで自分もそうだが、事が大きくなれば遠く離れたライマ本国のピオニー達の危険にも繋がるのだと。

それから身分を隠しながらしばらく旅を二年半程色々な所を回りながら続けていき、ピオニーにも時折手紙を出していったりして過ごしていたのだがとあるギルドを見つけた。そのギルドの名は・・・アドリビトムであり、そこに所属すると決めたのである。



「・・・ふぅ・・・ここに所属することが出来たのは運が良かったな・・・歳が近いメンバーが多いっていうのはすごく助かるし、あまり気を使わなくて済むしな・・・」
・・・アドリビトムの拠点であり、空を飛び移動する船でもあるバンエルティア号の自身に割り当てられた部屋の一室。
そこでベッドに腰掛けながら、ルークは改めてアドリビトムに入れた事についてをありがたく感じていた。このギルドの特異性を。



・・・ライマを出て様々な所を旅してきたルークだが、二十以下の面々で戦える人物が大勢集まるような場所などまずこのアドリビトム以外で見ることなどなかった。まぁその事に関してはルーク自身納得はしている・・・ギルドに所属するような面々は大抵戦うことを生業とし、それで生計を立てる者がほとんどである。それ故に年端のいかない者など精々駆け出しだろうと思われる者だったり、やむを得ずギルドに入り身を立てる為に活動せざるを得ない者だったりといった事情ありきの者ばかりだった。

しかしこのアドリビトムはそういった他のギルドとは一線を画しており、メンバーの大半が未成年者という構成だった。勿論大人もいることはいるが、それでも自分と同い年くらいの面々がギルドのメンバーとして活動・・・それも笑顔を見せて仲良くしている様子は色々と酸いも甘いもを経験してきたルークからすれば、異質であると同時にたまらなく惹かれる光景だった。こんないいところがあるのかと。

それでそんなアドリビトムに惹かれた事もあるが、そろそろ本格的に拠点を定めて活動するにはいい頃合いだろうと感じたことでルークは決めたのだ。いつまでアドリビトムにいれるかは分からないが、ここを拠点として活動しようと。









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