if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編
「・・・無論、そういったことに絶対になると決まった訳ではない。だが可能性としては全く有り得ん訳ではないというのもお前も何となくは感じているだろう?」
「・・・はい、それは・・・」
「おそらくこの問題に関してはアッシュの事をどうにか出来なければ、根幹からの解決もそうだが不安の払拭もままならん。そしてルークの待望論が現実味を帯びてくるのがアッシュがルークに対する気持ちをそのままで成長していき、王権を手にする間近になる時が近付いてくることだ」
「・・・そんなことにしないためにと陛下が動いてくれたのに、そんなことになるなんて・・・」
いかにアッシュによる危険性が高いのか・・・ピオニーが話すその中身にルークは表情を悲しみに揺らす。
そんなことになってほしくないが、現実に起こりかねない嫌でも可能性を感じてしまい。
「ルーク・・・ここに来てから少し経つが、ここの生活はどうだ?」
「はい、皆良くしてくれます・・・ただ陛下から言われたこともあって考えるんです。俺がここにいてもいいかって事もそうですが、ライマ自体から出るべきなんじゃないかって・・・」
「・・・そう自分から思うようになったのか・・・」
「今の話も併せて、尚更に・・・」
「そうか・・・」
ピオニーはそこから仕切り直しとばかりに生活についてを聞くが、ルークが答えつつ自身の考えを重く語る様子にそっと目を閉じる。
「・・・ですから俺は流石にすぐにというわけにはいきませんが、数年経って今より成長したらこの屋敷からというかライマから出ようと思います」
「・・・そう決めたのか」
「はい・・・そうした方が俺の安全だとかということ以上に、俺の悪評が広まって王位継承権を復活させようって流れにならないと思ったので・・・」
「・・・俺はお前に悪評を被ってもらいたいと思ってそう言った訳じゃないんだが・・・」
「だからと言ってピオニー陛下が全ての悪評を被る必要は無いはずですし、何より俺自身が選ぶ事ですからそれくらいは俺の責任として負わせてください。王族として王位継承権を放棄してライマを出ることを選ぶんですから、俺の名誉くらいいくら傷付いても構いません」
「・・・そう言ってくれるとはありがたいが、歯痒いな・・・お前にそこまで言わせてしまうことが・・・」
だからこそライマを出る覚悟を決めたと迷いを持たずに語るルークのその様子に、ピオニーは反対に苦々しげな様子で表情を曇らせる。
「・・・そこまで言ってくれるお前の心意気には感謝しよう。だがそこまで言ってくれるのに、ただお前を外に放り出すなんて真似は出来ん。だからもしライマを出るとなれば俺に一報を入れてくれ。せめて餞別くらいは渡したいし見送りもしたいが、何よりお前の受け入れ先についてを調べておくから行く場所に困ったらそこに行くようにとも伝えたい」
「・・・俺を受け入れてくれる所って・・・」
「言いたいことは分かる。そうそううまい話などあるわけがないだろうと。だが金だけ渡してルークを見送りはいおしまい、なんてのは後味が悪いからな。だからせめて俺のツテをフルに活用し、どうにかライマ以外での行き先についてを用意出来るようにしたい。まぁどうなるかは分からんが、俺もやりたいことはやらせてもらうから出立するとなったら連絡をくれ。公務の間を空けて訪れるようにしよう」
「分かりました、そう言うことなら」
ピオニーは気を取り直してやれることをやりたいと言い、その熱心な中身を受けてルークは頷き返す。これ以上はピオニーの心意気に水をさす野暮な行為であると感じた為に。
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「・・・はい、それは・・・」
「おそらくこの問題に関してはアッシュの事をどうにか出来なければ、根幹からの解決もそうだが不安の払拭もままならん。そしてルークの待望論が現実味を帯びてくるのがアッシュがルークに対する気持ちをそのままで成長していき、王権を手にする間近になる時が近付いてくることだ」
「・・・そんなことにしないためにと陛下が動いてくれたのに、そんなことになるなんて・・・」
いかにアッシュによる危険性が高いのか・・・ピオニーが話すその中身にルークは表情を悲しみに揺らす。
そんなことになってほしくないが、現実に起こりかねない嫌でも可能性を感じてしまい。
「ルーク・・・ここに来てから少し経つが、ここの生活はどうだ?」
「はい、皆良くしてくれます・・・ただ陛下から言われたこともあって考えるんです。俺がここにいてもいいかって事もそうですが、ライマ自体から出るべきなんじゃないかって・・・」
「・・・そう自分から思うようになったのか・・・」
「今の話も併せて、尚更に・・・」
「そうか・・・」
ピオニーはそこから仕切り直しとばかりに生活についてを聞くが、ルークが答えつつ自身の考えを重く語る様子にそっと目を閉じる。
「・・・ですから俺は流石にすぐにというわけにはいきませんが、数年経って今より成長したらこの屋敷からというかライマから出ようと思います」
「・・・そう決めたのか」
「はい・・・そうした方が俺の安全だとかということ以上に、俺の悪評が広まって王位継承権を復活させようって流れにならないと思ったので・・・」
「・・・俺はお前に悪評を被ってもらいたいと思ってそう言った訳じゃないんだが・・・」
「だからと言ってピオニー陛下が全ての悪評を被る必要は無いはずですし、何より俺自身が選ぶ事ですからそれくらいは俺の責任として負わせてください。王族として王位継承権を放棄してライマを出ることを選ぶんですから、俺の名誉くらいいくら傷付いても構いません」
「・・・そう言ってくれるとはありがたいが、歯痒いな・・・お前にそこまで言わせてしまうことが・・・」
だからこそライマを出る覚悟を決めたと迷いを持たずに語るルークのその様子に、ピオニーは反対に苦々しげな様子で表情を曇らせる。
「・・・そこまで言ってくれるお前の心意気には感謝しよう。だがそこまで言ってくれるのに、ただお前を外に放り出すなんて真似は出来ん。だからもしライマを出るとなれば俺に一報を入れてくれ。せめて餞別くらいは渡したいし見送りもしたいが、何よりお前の受け入れ先についてを調べておくから行く場所に困ったらそこに行くようにとも伝えたい」
「・・・俺を受け入れてくれる所って・・・」
「言いたいことは分かる。そうそううまい話などあるわけがないだろうと。だが金だけ渡してルークを見送りはいおしまい、なんてのは後味が悪いからな。だからせめて俺のツテをフルに活用し、どうにかライマ以外での行き先についてを用意出来るようにしたい。まぁどうなるかは分からんが、俺もやりたいことはやらせてもらうから出立するとなったら連絡をくれ。公務の間を空けて訪れるようにしよう」
「分かりました、そう言うことなら」
ピオニーは気を取り直してやれることをやりたいと言い、その熱心な中身を受けてルークは頷き返す。これ以上はピオニーの心意気に水をさす野暮な行為であると感じた為に。
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