if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編
「そうですか・・・今は城の方はそんなことに・・・」
・・・それで後日。かつて自分がいて、今ルークにいてもらっているライマの中でも限られた者しか知る者のいない僻地の屋敷をピオニーは訪れ、椅子に座り向かい合いながら現状についてをルークに報告し終えた。
「今の状態が長く続くか短く終わるか・・・どちらかと言えば長く続くだろう。現状をどうにか変えようとするのは今のアッシュの状態を考えれば貴族達としてもあまり得策ではないだろうからな。そしてそれが長く続けば次第にお前に戻ってくるようにといった声も無くなってくるだろう」
「・・・そうなって後は何もなく終わるってなればいいんですけど・・・」
「・・・お前の予想通り、それではいすんなり終わりとはならんだろうな。今の状態が長く続くだろうとは言ったがだからと言って、それがずっと続くわけではないだろう。俺はお前達二人が成人してもしばらくは王位についてはいるだろうが、二人の成人を契機に俺に退位を直接求めるとまではいかずとも正式に次期王が誰なのかにいつにその座を退くのかを明白にするようにと周りからは催促されるだろう。いかに俺がもうルークには王位継承権は余程の事がなければ復活しないと言っても、納得しきれない奴からすればそんな言葉を易々と受け入れられる筈もないし・・・何よりアッシュが暴君となるような様相が見えたなら、尚更そうなるだろうな」
「っ・・・暴君、ですか・・・」
ピオニーはそこからいかに今の状態が続くかに貴族の声がどうなるかの鍵となるのはアッシュだと言い、ルークはたまらず顔を苦くする。暴君という不名誉極まりない見られ方をアッシュがされる可能性についてを聞いて。
「確かにアッシュは今のところはルークの話題が無ければ大人しく、王族としてまともな振る舞いをしている。だがルークの事になれば途端に態度を翻し、誰であっても制止を受け止めない姿の事を考えればその我の強さが別方面に出ることが懸念される。一面だけが異常でその他は立派な人物だから大丈夫、だなどと言ってもまず信用など出来んからな」
「・・・否定したいですけど、出来ないです・・・(オールドラントでの事を思い返すと俺への態度がすごかった事が印象に残ってはいるけど、何気にナタリア以外に対しても態度が良かったかって言われるとうんって言えないんだよな・・・ホントに・・・)」
その不安要素に関してはアッシュのルークへの態度が別方向への転換にあるとピオニーは言い、ルークも苦い気持ちを滲ませながら否定出来ないと漏らす。オールドラントでのアッシュの事を思い出すと、決して自分以外にはそんなことはしないとは言えないと思った為に。
「・・・あくまで今のところはそういった兆候は見えず、大人しくはある。だが月日が経つにつれてアッシュがどのように成長するかで変わってくるが、俺の心情的な物もあるがそれ以上に立場的にアッシュの事を気にかけて時間を費やすことは難しいと言わざるを得ん。一応は王という立場にあるから、アッシュの為だけに時間を使うわけにはいかんからな」
「・・・あの、今のこの時間は・・・」
「一応ちゃんとした手続きを行い予定に組み込んで得た休みだから、文句は誰にも言えんし言わさん。だが気を使って俺に会って接してくれるルークと違い、過度な干渉を俺にされるのはアッシュは嫌がるだろう。言葉こそ直接的には拒否を返しはしないだろうがだ・・・まぁどちらにしても俺一人でどうにかなる問題ではないし、ましてやアッシュに接触しようとする奴がいい奴ばかりとは限らん。ただアッシュは自分がルークに対して罵詈雑言に酷い態度を取るのは間違いではなくむしろ当然だといったことを言われたなら、そいつを子ども心ながらにいい奴と見て重用しようと考える可能性も有り得るだろう」
「・・・そんなことになったら・・・」
「アッシュが暴君になる可能性が一気に高まり、対抗馬としてルークを再び・・・と言われる気運は一気に高まるだろうな」
「・・・っ!」
あくまで仮定の予想だけ・・・そういったように言いはするものの決して明るい未来になりそうもない事を口にしていくピオニーに、途中でピオニーらしさに苦笑いしそうになったが一気に表情をひきつらせた。もしもの場合、それこそ取り返しがつかない状況になるのだと感じて。
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・・・それで後日。かつて自分がいて、今ルークにいてもらっているライマの中でも限られた者しか知る者のいない僻地の屋敷をピオニーは訪れ、椅子に座り向かい合いながら現状についてをルークに報告し終えた。
「今の状態が長く続くか短く終わるか・・・どちらかと言えば長く続くだろう。現状をどうにか変えようとするのは今のアッシュの状態を考えれば貴族達としてもあまり得策ではないだろうからな。そしてそれが長く続けば次第にお前に戻ってくるようにといった声も無くなってくるだろう」
「・・・そうなって後は何もなく終わるってなればいいんですけど・・・」
「・・・お前の予想通り、それではいすんなり終わりとはならんだろうな。今の状態が長く続くだろうとは言ったがだからと言って、それがずっと続くわけではないだろう。俺はお前達二人が成人してもしばらくは王位についてはいるだろうが、二人の成人を契機に俺に退位を直接求めるとまではいかずとも正式に次期王が誰なのかにいつにその座を退くのかを明白にするようにと周りからは催促されるだろう。いかに俺がもうルークには王位継承権は余程の事がなければ復活しないと言っても、納得しきれない奴からすればそんな言葉を易々と受け入れられる筈もないし・・・何よりアッシュが暴君となるような様相が見えたなら、尚更そうなるだろうな」
「っ・・・暴君、ですか・・・」
ピオニーはそこからいかに今の状態が続くかに貴族の声がどうなるかの鍵となるのはアッシュだと言い、ルークはたまらず顔を苦くする。暴君という不名誉極まりない見られ方をアッシュがされる可能性についてを聞いて。
「確かにアッシュは今のところはルークの話題が無ければ大人しく、王族としてまともな振る舞いをしている。だがルークの事になれば途端に態度を翻し、誰であっても制止を受け止めない姿の事を考えればその我の強さが別方面に出ることが懸念される。一面だけが異常でその他は立派な人物だから大丈夫、だなどと言ってもまず信用など出来んからな」
「・・・否定したいですけど、出来ないです・・・(オールドラントでの事を思い返すと俺への態度がすごかった事が印象に残ってはいるけど、何気にナタリア以外に対しても態度が良かったかって言われるとうんって言えないんだよな・・・ホントに・・・)」
その不安要素に関してはアッシュのルークへの態度が別方向への転換にあるとピオニーは言い、ルークも苦い気持ちを滲ませながら否定出来ないと漏らす。オールドラントでのアッシュの事を思い出すと、決して自分以外にはそんなことはしないとは言えないと思った為に。
「・・・あくまで今のところはそういった兆候は見えず、大人しくはある。だが月日が経つにつれてアッシュがどのように成長するかで変わってくるが、俺の心情的な物もあるがそれ以上に立場的にアッシュの事を気にかけて時間を費やすことは難しいと言わざるを得ん。一応は王という立場にあるから、アッシュの為だけに時間を使うわけにはいかんからな」
「・・・あの、今のこの時間は・・・」
「一応ちゃんとした手続きを行い予定に組み込んで得た休みだから、文句は誰にも言えんし言わさん。だが気を使って俺に会って接してくれるルークと違い、過度な干渉を俺にされるのはアッシュは嫌がるだろう。言葉こそ直接的には拒否を返しはしないだろうがだ・・・まぁどちらにしても俺一人でどうにかなる問題ではないし、ましてやアッシュに接触しようとする奴がいい奴ばかりとは限らん。ただアッシュは自分がルークに対して罵詈雑言に酷い態度を取るのは間違いではなくむしろ当然だといったことを言われたなら、そいつを子ども心ながらにいい奴と見て重用しようと考える可能性も有り得るだろう」
「・・・そんなことになったら・・・」
「アッシュが暴君になる可能性が一気に高まり、対抗馬としてルークを再び・・・と言われる気運は一気に高まるだろうな」
「・・・っ!」
あくまで仮定の予想だけ・・・そういったように言いはするものの決して明るい未来になりそうもない事を口にしていくピオニーに、途中でピオニーらしさに苦笑いしそうになったが一気に表情をひきつらせた。もしもの場合、それこそ取り返しがつかない状況になるのだと感じて。
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