if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編
「俺としてもそんなことをされればガイを罰せねばならんこともそうだが、ルークが戻ったとなれば次にまた同じようなことをさせまいと躍起になる貴族が出てきてルークを離すことが難しくなるのは目に見えている。そうなれば元の木阿弥どころかガイもいなくなり、アッシュとルークの二人の仲がより一層悪くなり何のいいこともなし・・・精々権力争いにご執心だったり、慣習などを守ることに熱心な貴族共が外からその混乱の影響など受けない形で良かったと上機嫌になる程度の結果しか残らんだろう」
「・・・そしてその流れの中に私も入るということですか。ナタリアの側にいなければならないということで」
「そうなるだろう。まぁ今の例えはガイだったから特殊だっただけと言うことも出来るかもしれんが、ガイじゃなくともルークを戻すような事をすれば同じような事態になるだろう・・・そういうわけだからそういうことになりたくなければ、それこそここでの話はプライベートの物にしておけ。面倒ごとに巻き込まれて後悔したくなければな」
「えぇ、そうさせていただきますよ。そんなことは私はごめんですからね」
そしてガイの行動の結末についてを語った後にガイじゃなくとも行動を起こした場合についても述べるピオニーに、ジェイドは眼鏡を押さえながら頷き返す。心底からそんなことに巻き込まれるのはごめんだといった気持ちを顔だけでも見せないよう隠すように。
「ならいいが、ヴァンは一応は大人しくはしてはくれているんだな?ガイのように諦めきれていないだとかそういうわけではなく」
「大人しくはしていますが・・・一応はという言葉がつく辺り、彼にも何らかの懸念があるのですか?」
「・・・懸念と言うよりは疑問だな」
そしてその流れについて終わりとしつつヴァンに話題を移すピオニーに何故とジェイドは疑問を口にすると、何とも言いがたそうに表情を歪める。どう説明していいものか難しいといったように。
「・・・別にあいつが何か問題行動を起こしたわけでもないし、今までに問題があったとも思っていない。だがガイの事を考えた時にヴァンの事も考えてみたんだが・・・ルークだけでなくアッシュも含め、あの兄弟に対してガイ程ではないにしても普通の相手には抱かないような何かを抱いているのではないかと感じたんだ」
「・・・彼の立場なら当然ではないのですか?彼とあの兄弟は師弟関係にあるのですから、少なくとも何の関係もない赤の他人よりは特別な気持ちを抱く事くらいは有り得ると思うのですが・・・」
「それが普通の物ではないと思ったから言っているし、懸念ではなく疑問だと言っただろう。これは俺があくまで個人的に感じている違和感のような物だ・・・確かにヴァンは二人の師としては良い師と言えるだろう。剣の師としても、人格的に見ても二人ともに慕われるくらいにはだ。そしてヴァン自身も二人の事を弟子と見た上で接しているのは俺も見たことがあるが、さっき言ったように考えて思ったんだ・・・何か、どこかヴァンは二人に対して単なる師弟関係とは全く別の思惑を持って接しているのではないかとな」
「・・・考えすぎでしょう」
「俺もそうであればいいと思っているが、ルークの事を離すにあたってヴァンだけを特別扱いしてルークの元に行かせるのは俺の取った処置もあってやってはならんことだと思ってな・・・だから今聞いて一応は安心しているんだ。ガイより突飛な行動を取って騒動を巻き起こしかねんことは起こさんだろうとな」
「そういうことですか・・・」
何かどこか、漠然とした不安のような物をピオニーが感じている・・・自身の考えを語る中で断言出来ない複雑な気持ちが入り交じった言葉を受け、ただジェイドは言葉を聞き入れるに留める。単に大丈夫の一言で否定する事が出来るほど、ピオニーの考え感じていることは単純ではないと感じた為に。
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「・・・そしてその流れの中に私も入るということですか。ナタリアの側にいなければならないということで」
「そうなるだろう。まぁ今の例えはガイだったから特殊だっただけと言うことも出来るかもしれんが、ガイじゃなくともルークを戻すような事をすれば同じような事態になるだろう・・・そういうわけだからそういうことになりたくなければ、それこそここでの話はプライベートの物にしておけ。面倒ごとに巻き込まれて後悔したくなければな」
「えぇ、そうさせていただきますよ。そんなことは私はごめんですからね」
そしてガイの行動の結末についてを語った後にガイじゃなくとも行動を起こした場合についても述べるピオニーに、ジェイドは眼鏡を押さえながら頷き返す。心底からそんなことに巻き込まれるのはごめんだといった気持ちを顔だけでも見せないよう隠すように。
「ならいいが、ヴァンは一応は大人しくはしてはくれているんだな?ガイのように諦めきれていないだとかそういうわけではなく」
「大人しくはしていますが・・・一応はという言葉がつく辺り、彼にも何らかの懸念があるのですか?」
「・・・懸念と言うよりは疑問だな」
そしてその流れについて終わりとしつつヴァンに話題を移すピオニーに何故とジェイドは疑問を口にすると、何とも言いがたそうに表情を歪める。どう説明していいものか難しいといったように。
「・・・別にあいつが何か問題行動を起こしたわけでもないし、今までに問題があったとも思っていない。だがガイの事を考えた時にヴァンの事も考えてみたんだが・・・ルークだけでなくアッシュも含め、あの兄弟に対してガイ程ではないにしても普通の相手には抱かないような何かを抱いているのではないかと感じたんだ」
「・・・彼の立場なら当然ではないのですか?彼とあの兄弟は師弟関係にあるのですから、少なくとも何の関係もない赤の他人よりは特別な気持ちを抱く事くらいは有り得ると思うのですが・・・」
「それが普通の物ではないと思ったから言っているし、懸念ではなく疑問だと言っただろう。これは俺があくまで個人的に感じている違和感のような物だ・・・確かにヴァンは二人の師としては良い師と言えるだろう。剣の師としても、人格的に見ても二人ともに慕われるくらいにはだ。そしてヴァン自身も二人の事を弟子と見た上で接しているのは俺も見たことがあるが、さっき言ったように考えて思ったんだ・・・何か、どこかヴァンは二人に対して単なる師弟関係とは全く別の思惑を持って接しているのではないかとな」
「・・・考えすぎでしょう」
「俺もそうであればいいと思っているが、ルークの事を離すにあたってヴァンだけを特別扱いしてルークの元に行かせるのは俺の取った処置もあってやってはならんことだと思ってな・・・だから今聞いて一応は安心しているんだ。ガイより突飛な行動を取って騒動を巻き起こしかねんことは起こさんだろうとな」
「そういうことですか・・・」
何かどこか、漠然とした不安のような物をピオニーが感じている・・・自身の考えを語る中で断言出来ない複雑な気持ちが入り交じった言葉を受け、ただジェイドは言葉を聞き入れるに留める。単に大丈夫の一言で否定する事が出来るほど、ピオニーの考え感じていることは単純ではないと感じた為に。
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