if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編
「ただ、どうせならガイだけでもルークに付けたら良かったと考えなかったのですか?彼ならアッシュよりルークの方が一緒にいるのはいいと思う筈ですが」
「それはあくまでルークとアッシュの二人が同じ場所にいて、高い地位にいるからだろう。ガイがルークの事を気に入ってるのは事実ではあるだろうが、あいつは今の状況を捨ててまでルークと共にいようという気概はない。ましてやルークとアッシュの仲を取り持ち、一緒にいさせる為に心身を磨耗させてまでガイは尽くせるような奴じゃないだろう」
「中々に手厳しいですね」
「だが事実だ」
そこからガイをルークに付けることについてをどうかと言うジェイドだが、ピオニーは本人にそう出来る覚悟や気持ちが無いと断言する。
「現にあいつはルークの配置については不満を口にしたものの、俺があいつの元に行くだとかルークの元への配置換えを願いたいだとかそういった言葉はなかったんだろう?」
「えぇまぁ、そうですね」
「そういうガイの性分が読めたから言っているんだ。別に俺はガイの事を嫌いだと言っているわけではないし、何なら気に入っている方ではある・・・だがハッキリ言ってしまえば、あいつの言動は軽いんだよ。自分の責任が及ぶ所であるならその分を果たすような行動を取りはするし誠実な部分があるのは知っているが、どこかあいつは人に深く自分の事に関わらせないようにと振る舞っている節がある。そしてそれを隠すためにあんな風な態度を取っているのではないかとな」
「自分の深い部分に関わらせないようにするためのフリ、ですか・・・言われてみればそういった節があったとも取れますが、よくそのように考えましたね陛下」
「あいつは人の良さの割にはあまり深い付き合いをしているのを見たことも聞いたこともないと思ったからだ。俺は立場上仕方無い部分もあるし女性に近付けないというどうしようもない所はあるが、それでもガイなら親友と呼べるような相手だったり関係を何人とも築けただろうにだ。しかしそういった事もなく深い付き合いになる相手もいない・・・ルークと離す事に関して俺もどうかとは考えたが、他の視点からガイの事を大丈夫かと考えると案外いけるんじゃないかと思ったが実際にその通りだったと言うわけだ」
「成程、確かに事実と言えば事実ですね。現に彼はそうして表向きは愚痴愚痴と言いはしていますが、それをどうにか解決してほしいとは陛下には陳情まではしに来ない・・・そういった性分があるから、ということでと」
いかにガイについてを考えたのか・・・ピオニーから見たその視点を余すことなく語られ、ジェイドも理解したといった言葉を漏らす。確かにそれなら人に深入りをさせないししようとしないガイなら、離しても問題はそこまでないと。
「それにガイをルークと居させることの方にも問題が出る可能性も大いに有り得る。その中で最も有り得るのはナタリアの為にと気を使い、ルークを強引に元の場に戻すだけ戻して後はお願いしますと俺や周りに始末を丸投げにすることだ」
「有り得ない、と言い切れないのが微妙な所ですね・・・陛下の言葉から考えてみればガイはナタリアの為に動きはしてもアッシュの性格に敵対心も相まって、是が非でも二人の仲を取り持つだとか陛下の判断を覆した事の影響をどうにかするための奔走なんて考えないでしょう。と言うか貴族ですらない一使用人の立場の人間がそんなこと出来るはずもないんですけれどね・・・」
だがそれで問題は別にもまたあるとしてその中身を語るピオニーに、ジェイドの表情が分かりやすく面倒そうに歪む。八方美人でいて無責任、それでいて本人がどうあがいても責任を取りきれない事をしでかしかねない・・・そうジェイドも感じてしまった為に。
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「それはあくまでルークとアッシュの二人が同じ場所にいて、高い地位にいるからだろう。ガイがルークの事を気に入ってるのは事実ではあるだろうが、あいつは今の状況を捨ててまでルークと共にいようという気概はない。ましてやルークとアッシュの仲を取り持ち、一緒にいさせる為に心身を磨耗させてまでガイは尽くせるような奴じゃないだろう」
「中々に手厳しいですね」
「だが事実だ」
そこからガイをルークに付けることについてをどうかと言うジェイドだが、ピオニーは本人にそう出来る覚悟や気持ちが無いと断言する。
「現にあいつはルークの配置については不満を口にしたものの、俺があいつの元に行くだとかルークの元への配置換えを願いたいだとかそういった言葉はなかったんだろう?」
「えぇまぁ、そうですね」
「そういうガイの性分が読めたから言っているんだ。別に俺はガイの事を嫌いだと言っているわけではないし、何なら気に入っている方ではある・・・だがハッキリ言ってしまえば、あいつの言動は軽いんだよ。自分の責任が及ぶ所であるならその分を果たすような行動を取りはするし誠実な部分があるのは知っているが、どこかあいつは人に深く自分の事に関わらせないようにと振る舞っている節がある。そしてそれを隠すためにあんな風な態度を取っているのではないかとな」
「自分の深い部分に関わらせないようにするためのフリ、ですか・・・言われてみればそういった節があったとも取れますが、よくそのように考えましたね陛下」
「あいつは人の良さの割にはあまり深い付き合いをしているのを見たことも聞いたこともないと思ったからだ。俺は立場上仕方無い部分もあるし女性に近付けないというどうしようもない所はあるが、それでもガイなら親友と呼べるような相手だったり関係を何人とも築けただろうにだ。しかしそういった事もなく深い付き合いになる相手もいない・・・ルークと離す事に関して俺もどうかとは考えたが、他の視点からガイの事を大丈夫かと考えると案外いけるんじゃないかと思ったが実際にその通りだったと言うわけだ」
「成程、確かに事実と言えば事実ですね。現に彼はそうして表向きは愚痴愚痴と言いはしていますが、それをどうにか解決してほしいとは陛下には陳情まではしに来ない・・・そういった性分があるから、ということでと」
いかにガイについてを考えたのか・・・ピオニーから見たその視点を余すことなく語られ、ジェイドも理解したといった言葉を漏らす。確かにそれなら人に深入りをさせないししようとしないガイなら、離しても問題はそこまでないと。
「それにガイをルークと居させることの方にも問題が出る可能性も大いに有り得る。その中で最も有り得るのはナタリアの為にと気を使い、ルークを強引に元の場に戻すだけ戻して後はお願いしますと俺や周りに始末を丸投げにすることだ」
「有り得ない、と言い切れないのが微妙な所ですね・・・陛下の言葉から考えてみればガイはナタリアの為に動きはしてもアッシュの性格に敵対心も相まって、是が非でも二人の仲を取り持つだとか陛下の判断を覆した事の影響をどうにかするための奔走なんて考えないでしょう。と言うか貴族ですらない一使用人の立場の人間がそんなこと出来るはずもないんですけれどね・・・」
だがそれで問題は別にもまたあるとしてその中身を語るピオニーに、ジェイドの表情が分かりやすく面倒そうに歪む。八方美人でいて無責任、それでいて本人がどうあがいても責任を取りきれない事をしでかしかねない・・・そうジェイドも感じてしまった為に。
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