if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編

「用はそれで終わりか?」
「・・・でしたら、これよりは時間は空いていますか?こうして二人きりで会っていただけた事ですし、久しぶりにプライベートな時間を貴方と共に過ごしたいのですが」
「・・・プライベート、か。まぁいいが、その中身に関しては誰かに言うつもりはあるか?」
「そのような事はしませんよ。あくまでプライベートの事を誰かに話すようなつもりはね。それは約束致します」
「・・・ならいいだろう。しばらくは時間もあることだからな」
それでピオニーが話は終わりかと問い掛けるのだが、ジェイドがプライベートな話をと意味深に切り出したことに誰かに言うかを確認を取った後、真剣な面持ちで頷く・・・公的な意味でピオニーの真意を聞いて周りに言うのではなく、あくまで自分の中でだけ私的に納めるから話を聞きたい。そう今までの付き合いからジェイドは本気で言っているのだと感じたからこそ、ピオニーも了解する形で。
「・・・それではプライベートにお聞きしますが、貴方はルークの事を優先したからあのような発表をしたのですね?」
「あぁ。まぁそれだけという訳でもなく、アッシュがあのままかより悪化するなら国が割れる事も有り得ると感じたんでな。そしてそれを発表した際のアッシュの姿を見て今のままならまずそうなることは間違いないだろうと確信した・・・ナタリアには可哀想な事をしたという気持ちも無いわけではないが、ルークにライマの未来の事を考えれば些細な事だろうしアッシュと結ばれることを考えればルークが近くにいない方がいいだろう」
「そうでしょうね。アッシュのルーク嫌いは徹底しています。それこそナタリアがその姿を見て心を痛めていることなど、全く気にもしていない程に」
「ここで俺からも質問するがジェイド・・・お前は俺の判断は合っていたか間違っていたか、どっちだと考えている?別にどちらでも構わん。今はプライベートな時間だから率直に答えろ」
「どちらか、ですか・・・」
そして改めて真意についてを尋ねるジェイドに対してピオニーはすんなりと自身の考えを明かすのだが、逆に問いかけたいという声を向けると少々難しいというように眉を寄せる。
「・・・正直に申し上げるなら、正解であり不正解でもあるといったような気持ちを抱いています。確かにアッシュの今後を考えれば劇的な改善は望むのは難しいかと思われますが、多数の貴族達の反発を招いた事でしょう・・・アッシュの喜びを招いてルークの安寧を得たという代償を考えても、あまりよろしい選択ではないと思います。例え未来への懸念があったとしても、今やるべきことではなかったのではと」
「成程、時期がまずかったのではと言っているのか」
「えぇ。それにガイとヴァンの二人も陛下の判断についてをあまり快く思っていないというか、納得していない様子でした。特にガイは何故ルークをいきなり離すのかといったように言っていましたよ」
「まぁガイに関しては仕方無いか・・・あいつは何かとルークの方に気をかけていたからな」
それでも自身の考えを少し言いにくそうながらも話していくジェイドだが、苦い気持ちを抱いているのが特にガイだというように言うとピオニーもあぁと言ったように納得する。









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