if〜もしもルークの転移したルミナシアのファブレ兄弟の立ち位置が逆だったら 前編

「そういった可能性についてを考えれば、ルークの王位継承権の放棄に関してもそうだがこれからの生活に関してもあまりアッシュと鉢合わせをするような事態は好ましくない。だから俺の権限を持ってお前の王位継承権の放棄に配置換えは行うことにする・・・と言ってもあくまで王位継承権に関しては放棄になるが、現状で王族の血を引く者は俺にお前ら兄弟にナタリアくらいだ。だが俺は当面結婚する予定もないし、ナタリアは余程でなければ実権を持つような女王の立場に立つことはない。だからもしアッシュに何かがあってまだ世継ぎが生まれていないとなった時に限り、お前に王位継承権を復活させて王位を継いでもらう事だけは了承してもらう。本当はそんなことを約束はさせたくはないが、貴族達がそんなことを一方的に言われて納得するとも思えんからな」
「分かりました。そこまでしていただいたのに、それ以上のわがままを言えません」
そんな事情があるからこそ自分が動くと言いつつ、最低限の保険についてもかけなければいけないと言うピオニーにルークもすぐに頷く。流石にそこまでしてもらったのに、これは嫌だと言えないと。
「すまんな・・・後は配置換えに関してだが、俺が用意する場所に行ってしばらくは過ごしてもらう。だがそれはあくまで建前だ」
「建前・・・?」
「大方の貴族達はお前がそこにいるならいいと言うだろう。下手に行方不明になるよりはいいとな・・・だが俺は別にそこにお前を縛り付けるような事はしない。そこにいたいと言うならいても構わんし、時が経ってそこから出たいと言うなら旅に出ていってもらっても構わないと俺は思っている」
「陛下、それは・・・!」
ピオニーは申し訳なさそうにしながらも配置についてを切り出すが、その中身にルークは信じられないと目を丸くした・・・言葉控えめに言っても、ルークに逃げてもらっても構わないといったようにピオニーが言っていると感じた為に。
「分かっている、まがりなりにも王族の血を引く人間を逃がすような事を王の俺がしていい事じゃない事だとくらい。だがそんな状態でライマに残ったとて、お前に明るい未来など訪れんだろうと見越してこう言っているんだ」
「え・・・?」
「先の話の発展のような話になるが、アッシュが次期王になったとしてそういった立場でいるルークに対してどう行動を起こすかが問題になるんだ。俺がまだ生きていたりする内はまだいいだろう・・・だが俺が死んだ後に権力を得たアッシュがルークに対し今のまま放置しろというだけならまだしも、生きているなら牢屋に入れておけばいいと牢の中にルークをぶちこむか・・・最悪、後の世継ぎの子もナタリアと為したからもう念のためなどに生かしておく理由もないと考えて、お前の処刑を命じる可能性も今のままなら全く有り得ん話じゃないと俺は思っている」
「なっ・・・!?」
「そんなことはしない、有り得ないと思いたいだろう・・・実際に俺も今のアッシュはあくまでもよく出来た弟に対する反発からあぁなっていると考えたくはあるが、もし状態の改善が見られんばかりか悪化する形になった上でその時の側近にそういった事をするべきだと耳打ちされたなら・・・後押しに大義名分を得たとばかりに本気になる可能性も今のままいったなら有り得るだろう。そうなればルーク、お前の未来には光明は・・・ない」
「・・・っ!」
ピオニー自身それが如何なものなのか、それを理解しつつ・・・だからこそもしもの場合の危険性についてを真剣に述べていき、ルークはその中身に息を呑み表情を青ざめさせた。アッシュの暴走が形になれば、あらゆる意味で望んでいない死が現実になりかねないと認識したが為に。









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