焔と預言の世界の行く末

(・・・寝ちゃったか・・・このまま寝かせといた方がいいだろうな・・・)
・・・そして事が済み、女性として魅力的な裸体をシーツで覆いつつ目を閉じ寝息を立てるジュディスの顔を見ながら、隣で同じシーツに体を覆うルークは手を出して髪を撫でつつ優しげな笑みを浮かべる。
(・・・こんな俺を好きだって言ってくれて、こうまでしてくれる・・・今ここにいるジュディスだけじゃなく、ナナリーにアニーやチャット・・・他にもゼロスだったり、俺を気にかけてきてる人はいっぱいいる・・・俺が皆の為に出来ることなんてたかが知れてるけれど、それでも俺がやれることはやっていきたい・・・それが俺の生きる道になる、そう思うから・・・!)
そしてその心中で改めてルークは決意を固める・・・こうして自分の事を様々な形で気にかけてくれる皆の為にも、精一杯生きていきたいと。









・・・様々な想いを受けて今このアドリビトムという居場所にいるルーク。申し訳無いだとか迷惑をかけているといった気持ちは今も持ってこそはいるが、それを上回る程に強い使命感が今のルークにはあった。

アッシュ達の為、そう考え自分の身を省みる事なくライマを出た時には無かった感覚・・・ルーク自身は考えることを無意識に避けているが、半ば捨て鉢であり諦めの気持ちでアッシュ達に対する希望だとかを見出だせなかったからこそライマを離れる事を選択したのだ。そこに誰かの助けや支えなど存在せずに孤独感を抱いていたが、今のルークはそんなものとは全く正反対な物を感じていた。

一人ではないと、そう思えることがどんなことか・・・精神的にも肉体的にも、ルークはその有り難みを感じていた。今の自分がどれだけ救われているかと思い。

・・・もうルークには自分の身に立場はどうなってもいいからなどといった、捨て鉢になるような気持ちはない。むしろ今となっては他の皆の為にも、そして自分自身の望みとしても精一杯生きたいと思っている。それが例え一般的に日の目を浴びるような生き方ではないにしても、これからどのような困難が待ち受けていようともだ。









・・・聖なる焔の光が選んだ道、それは二つの世界で近しい存在だった者達との決別であった。一度は自分からだったが、二度目は二回目の世界で出会った仲間達により助けられる形でだ。

どちらの世界にも言えることとして、世界の流れに聖なる焔の光がいなくなって大勢に影響を及ぼすことはない。そうなってもいいように動いてきた為だ。

ただ一部の面々は聖なる焔の光がいなくなった事への影響を悪い方に受けたが、最早それらについては世界においては細やかな事だ。特に焔に想いを寄せていたのか、単なる勘違いをしていたのか・・・今となっては最早定かではないが、惹かれたと思っていた聖女の子孫の死は。

もう世界は動くしかない、大半の者には焔の行方など知らないままに。そして焔はこれからもひっそりと生きていくだろう・・・自らに想いを向けてくれた仲間達の為に、仲間達と共に・・・









This story is the end









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