焔と預言の世界の行く末

「ま、絶対大丈夫って訳じゃないにしても俺様達が気をつけていけばいいっしょ。ルーク君自身も気を付けるだろうけど、ルーク君だけじゃカバーしきれないところはね」
「えぇ、そうね」
それでゼロスがルークについてをまとめるように笑顔で口にした言葉にジュディスもまた、笑顔で返す。ルークを守ることに異はないと心を揃えて。
「さて、綺麗にまとまったところで話はこれで終わり?」
「えぇ、ありがとうゼロス。それじゃあね」
そうして笑いあった所で終わりかを確認するゼロスにジュディスは礼を言って部屋を後にするが、その姿が見えなくなったのを確認して苦笑気味な笑みに変える。
「俺も変わったもんだね~。こういった時は冗談めかせてジュディス様の事を知りたいからもっと深いお話しようって前なら言ってたんだけど・・・ま、今の彼女を相手にそんな軽口なんて叩く気になれないしな。多分今のアドリビトムにいる面々じゃ俺くらいしか気付いちゃいないだろうけど、ルーク君に対してお熱な様子を見ちゃさ」
そこから自嘲気味な一人言を漏らすゼロスだが、その中身はジュディスのルークへの想いを感じ取っているという物であった。



・・・普段はちゃらけた言動が目立つ上に女好きといったような振る舞いをするゼロスだが、基本的にそれは対外的に自分はこういう人物だと見せるフリでしかない。現に三年前にアニスに迫られた時は年下とは言えいつものゼロスなら喜んでといったような態度を取っていただろうが、その時はあっさりとかわすようにアニスと距離を取った。

あくまでちゃらけた女好きという態度を見せるゼロスではあるが、実際の所は自分の内にあるパーソナルスペースを守るための物だ。自分の本音を明かすこともその態度の真意を人に言うことなどそのフリの為に滅多にないゼロスではあるが、そういったフリを続けているために人を見る目というものもまた養われている。アニスのように油断ならないタイプの女性を避けるためでもあるが、そのフリを強行していいタイプかどうかを見極める為だ。

ならどういったタイプがどうなのかと言えば彼氏がいるにも関わらずゼロスの見た目とトーク力にコロッとなびくのもそうだが、軽いノリ程度でゼロスに合わせてくれるのではなく本気になって付き合おうとしてくれるタイプである。そしてそこに今なら更に加わるのが・・・ルークの事を好きだという様子が見れるアドリビトムのジュディスを筆頭とした面々である。

ロイドと全く同じとは言わないにしても、同等レベルにはルークの事を気に入っているゼロスだ。表面上女好きといった仮面を外すことはないが、それでもそういった感情をルークに対して持つジュディス達にそんな事をしたいとは思っていない。何故なら・・・



「それに流石に一般的に見て報われないだとか倫理観に外れた事をしてるってのを承知の上でそういった気持ちを抱いている姿を見たら、変にからかうつもりにもなれないからな~。それにジュディス様以外は下手にその辺りを突くと動揺して露見しそうだから尚更だしね」
そしてそれらについてを口にしない理由をゼロスはそっと苦笑気味に口にする、バレてはいけないしバラしてはいけないと。









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