焔と預言の世界の行く末

「・・・それにしても、随分と割り切った様子なのねゼロス」
「ん?まぁそれはジュディス様もっていうか、お互い様でしょ。それでも強いてどうしてなのかってこの場だからってのも含めて言うと、もうティアちゃん達の女性陣も含めてのライマ陣とルーク君を天秤にかけたらどっちが重いかって言ったら・・・俺様の中じゃもうルーク君が断然重いのさ。まぁこれがロイド君とだったらって言われたら厳しい所だけど、少なくともアッシュ達とだったらもう比べるまでもないね」
「そう・・・私も似たような物よ。それこそルークとアッシュ達のどちらと会えなくなるのを選べと言われたなら、私はアッシュ達を選ぶわ。ただ正直意外だったわね・・・貴方がロイドと天秤にかけると仮定だけで言ったにしてもそんなことを言うなんて、冗談か本気かはともかくとしても少し驚いたわ」
「まぁそれだけ今の俺様からすりゃルーク君ってそれだけのウェイトを占めてるのよ。と言っても・・・ジュディス様も似たような物なんじゃないの?」
「フフ・・・否定はしないわ」
ただそこでゼロスにしてはハッキリ物を言い過ぎていることを聞いたジュディスではあるが、キッパリとアッシュ達への想いが無いことを返された上でどうなのかと聞かれ返されると意味深でいて、妖艶な微笑で返す。
「ま、これに関しちゃ元の場所に帰ってった皆もそうだろうし今もこのアドリビトムにいる皆は尚更に近い考えは持ってるでしょ。と言ってもリヒターとか辺りはどうかは知らないし、全員が全員同じような考えを持つってのは無理な事だろうけどさ」
「そうね。でもそれでいいと思うわ・・・私としてはルークの今の生活が脅かされるような状況にさえならなければいいと思っているし、そうなりようもなくなり始めているようだから」
「まぁもうアドリビトムに来れなくなる状況になっていってる訳だしね~。精々警戒しなきゃいけないのは何かの弾みで単独か複数かはともかく突発的にここに来ようとすることくらいかな?ま、そうならないとは思うけどね。余程差し迫ったような事をその人物が起こさない限りさ」
「えぇ、そうね。そしてそんな度胸も今の立場を捨てるだけの勇気もないでしょうね、彼らには」
そんな微笑に普段のゼロスなら品がないとしいなから揶揄されるような態度にならず平然と話を進めていき、ジュディスももうこれで終わりだろうと確信めいた言葉を漏らす。



・・・こうしてアドリビトムでルークが三年もの間を過ごしていき、どちらの味方かと言えばルークの味方だという人物は今いないメンバーも含めて大半になった。それこそリヒターのようなあまりかかわり合いになろうとしてこない面々を除いた上でだ。

そしてそんなリヒターとかであっても、ならライマに情報を渡すような事をするのかと言えばそうではなく静観するくらいなので、そちらの心配をする必要もさしあたってないと言ってもいい状況だ。

そんな状況の中で散々ピオニーに言われて左遷同様の配置換えをされているであろうティア達が、アドリビトムにあえて罰を与えられる事を覚悟で来ることは自分達の立場を守りたいと考えるだろうことから到底考えられない・・・そう踏まえればルークの安全はまず相当の事では揺るがないと、二人は感じていた。









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