焔と預言の世界の行く末

「ま、アッシュとナタリアちゃんに関しては色々と問題はあるだろうけれど、それでも下手に逆らうような事はそうそうはしないだろうっていうか出来なくなるだろうね。それでティアちゃん達もアッシュ達の事を気安く、その上で立場だったりを気にしなかったりライマの上層部の意に反するような意見はまず望まれないし・・・下手をすれば解雇だとかそれ以上の事態になり得るだろうね」
「解雇以上って、それ死刑って事・・・」
「まぁあくまで下手をすれば、さ。いくらティアちゃん達でも今のライマの状態じゃそうそう迂闊な事はしないだろうし、ピオニー陛下からの言葉はティアちゃん達にも伝わってるだろうしさ。そんな言葉を無視してまでってなったらもう自業自得にしかならないって事になるわけだけど、その規模もそうだしタチが悪ければ悪いほどそうなる可能性は高いって訳さ・・・ま、そうならないように願うしかないよルーク君。これに関しちゃもうライマに行かないことからルーク君もそうだけど俺達も関わることはないしね」
「・・・そうだな・・・そうならないようになってほしいよ、本当に・・・」
そんなアッシュとナタリアの二人からティア達にもその責が及ぶことも有り得るとゼロスが言うと、そうならないでほしいと切に願うようにルークは声を漏らすのだが・・・その中身の重さに重大さを見出だしはしてはいるが、ゼロスがナチュラルにティア達がヘマをする可能性があると口にしたことにルークは気付けていなかった。いや、正確には・・・
(こういったようにルークが感じてしまっているのは、オールドラントのティアの影響が大きいからなんでしょうね・・・まぁあれを見てしまった後だと気持ちは分からなくはないけれどね)
ジュディスはその理由をオールドラントのティアにあると内心で感じていた。



・・・オールドラントで散々ルークもそうだが、自分達に果てはアッシュ達までもを困惑させて思考を割かせたあのティアとの日々は、今思い出しても心地よくないものだったと認識している。おそらくそれはジュディスもそうだが、あの時間を共にしていた面々全員が共通する物だと彼女は感じている上で最も被害を受けた当人であるルークは尚更だろう。

そんなオールドラントのティアと比べれば、まだこちらのティアはルークへの気持ちが少なかった分もあってまだ冷静だった部分もあった。その代わりと言ってはなんだがルークに対する見切りもまたあっさりしていたのだが、それでもあんな徹底的なまでにしつこい粘着質なルークへの気持ちを抱いた上で、認めないものに対しての排他的な姿勢と比べれば断然マシと言えるだろう。

ただそういう風にこちらの方がマシと目されているティアだが、他のガイ達共々オールドラントのティアの影響を大きくルークは受けていたとジュディスは見ている。だがそれもある意味当然と言えるだろう・・・あのティアは相当に悪い意味の方でインパクトがあり印象に残る上、出来るだけ以前の事があったから悪くないように見たいといったルークでさえも距離を取ると考える程に酷い有り様だったのだ。

そんなオールドラントのティアと心地よくない同行を長くしてきた上で、こちらのティアとは事情が事情なだけにこの三年で会うことももうなかった。そう考えればいくらルークが頭の中でオールドラントのティアと違うと考えようとしても、長い間会っていないこちらのティアにそのイメージがこびりついていてもおかしくないだろう。多少良くないことをしてもそういったティアのイメージが頭をちらつくから、擁護が出来ないということで。









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