焔と預言の世界の行く末

「それで後は細かいことを色々と話してライマを出てガルバンゾに戻って、その時の事をユーリ達にも話してこっちに戻ってきたの」
「そうだったの。んでユーリ達の反応はどうだったの?」
「揃ってピオニー陛下の反応は妥当だった、よ。ルークがいなくなったことに関しての非がある事を差し引いて考えても、ティア達・・・特にアッシュの反応はもう三年も時間が経っているいない人物相手の物ではないということでね」
「ま、そうなるだろうねそりゃ」
そしてまとめとばかりにこれで一連の流れは終わりと言うジュディスにゼロスがガルバンゾ陣の反応について聞くと、揃って良くない印象だとの事に軽く納得する。
「・・・俺が悪いって部分があるのは分かってはいるけど、俺の事をもう考えることなく過ごしてほしかったんだけどな・・・特にアッシュはナタリアと結ばれることになったんだから、話を聞く限り幸せそうだって感じが聞こえてこなかったんだけど、そこら辺はどうなんだジュディス・・・?」
「えぇ、彼女はその時の話に加わりたくはなさそうにしていたし表情を歪めていたわ。それに貴方の話題を除いての時も仲睦まじい様子かどうかと問われると、その時もあまりいい空気だったとも思えなかったわ」
「うわ・・・やっぱりか・・・」
「・・・それに関しての理由だけどさ、ルーク君。二人がそんな仲になってる理由ってのはルーク君がいなくなったからだよ」
「え・・・俺がいなくなったから・・・?」
ただルークは自分の事を忘れてくれないアッシュの偏執の念にそれに巻き込まれるナタリアに対しての苦い想いを口にするが、ジュディスからの返答の後に頭を抱えそうになった時にゼロスが口にした言葉に訳が分からずに眉を寄せる。自分がいなくなったのなら、二人は幸せになるのではないかと。
「と言ってもルーク君が悪いとかそういうことじゃなくて、ルーク君の存在があったから二人・・・特にナタリアちゃんはアッシュの事を直に見るのを止めてたのよ」
「直に見る・・・?」
「ライマじゃナタリアちゃんの婚約の相手はルーク君でアッシュはあくまでその弟でしかなくて、オールドラントじゃ言い方は悪いのは承知で言ってもルーク君は身代わりとしてファブレに入ってアッシュは長年その恨みを溜めてナタリアちゃんはそれを知った・・・どっちにも言えることは二人は思いあっているけど、その中間の位置には望んで入った訳じゃないって言ってもルーク君が入ったことでナタリアちゃんが右往左往。これは間違いないよね?」
「まぁ、簡単に言うとそうなるけど・・・」
「そう。そこで俺が言いたいのはルーク君がいたから二人は互いを見ようとしなかったのよ。アッシュからすればこの屑がいるから元の場所に戻れないで、ナタリアちゃんはルークがいるからアッシュと結ばれない・・・そんな風に見る形でね」
「それは・・・」
「おっと、言ったでしょ?ルーク君が悪い訳じゃないって。重要なのはルーク君を介してのフィルター越しじゃなきゃお互いがお互いを見ず、ルーク君がいなくなった今そのフィルターが無くなった状態になっちゃったってことなのよ。そう・・・直に相手の嫌な部分を見ることになったりする形でね」
「・・・相手の、嫌な部分・・・?」
ゼロスはそんなルークが悪いわけではないと前置きしつつ話を進めていくのだが、その説明にルークは一層表情を困惑の色に染める。二人の事をよく見てきたルークだが、そんな風に二人は互いを欠点を欠点と見るような感じには思えないと。









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