焔と預言の世界の行く末

「・・・そういやさ、どうしてジュディス様はガルバンゾに帰ってたの?いつもだったらもう少し間を空けて帰ってたと思うけれど・・・」
「・・・それに関しては少しルークにとっては聞きづらい話になるけれど、ライマのことについてちょっとあったからよ」
「ライマ・・・?」
ただゼロスがそこで帰還の理由についてを問い掛けると、ジュディスが少し言いにくそうに切り出したライマの単語にルークは眉を寄せる。
「・・・ここのアッシュと貴方は双子だから分かるでしょうけれど、アッシュの二十歳のお祝いがライマであってね・・・私達と言うか、このアドリビトムで一緒にいたエステルにウッドロウが招かれたの。そこで本当ならフレンだけが護衛として付いていく筈だったけれど、私も一緒に行くことになったの。フレンだけだとボロが出る可能性もあるって考えた事に、アドリビトムの面々も来ていいと言われたからね」
「ジュディスだけ?ユーリは・・・あー、あいつならそんな場とか嫌だって言いそうだな。同じような理由でリタもやレイブンもだろうし、カロルはそもそもアッシュ達とは会ってないから行くと向こうからどういうことだってなりそうだし・・・」
「大方そういった理由ね、ユーリ達が来なかった理由は。それでライマに行った時にウッドロウ達と合流した上でアッシュ達と会ったわ。パーティー会場でもだけれど、アドリビトムでの縁から個別に使用する為の部屋を用意される形でね・・・」
「・・・そこでルーク君にとって酷いことでもアッシュが口にしたってとこ?」
「・・・えぇ、そうよ・・・」
「っ・・・」
そこから自分達がライマに行った際の経緯とそこでどういった流れかを説明していくジュディスにゼロスが察したような声を上げ、それに疲れたように肯定を返す姿にルークはたまらず苦い顔を浮かべる。
「・・・貴方がそういった表情になるのは当然だと思うわ、ルーク。もう貴方が表向きにはいなくなって三年で、アッシュからして迷惑だとかそういうような物をかけられたと思っても、これだけの時間が経てばもうその感情が和らぐと言うか、消えていくのが普通だと思うもの・・・でもその用意された部屋の中で少しして貴方の事が話題になった瞬間、アッシュは貴方への罵倒を口にしだしたわ。中身は流石に口にはしたくはないけれど、その罵倒に少なからず同調の言葉を口にするナタリア以外の面々・・・気分が良くなかったのは当然だったけれど、エステルが涙目になりながら貴方への擁護の言葉を口にしだした辺りから私とフレンは彼女を連れて急いで退出したの。下手をすれば感情的になって貴方の事を口にしかねないと思ってね」
「・・・俺としちゃ、エステルがそこで俺の事をすぐに口にしなかった事が意外だって思ったんだけど・・・」
「この三年で彼女も成長したのよ。優しさは変わってはいないけれどね」
「ちなみに、アッシュ達はそんなエステルちゃんに対してどんな反応だったの?」
「揃ってたじろいだような姿を少し見たくらいだったけれど、後で私達の部屋を訪れたウッドロウ達の話では気まずい空気になった上でジェイドからアッシュに注意がされたそうよ。要約するとこちらが招いた賓客を相手にするような話ではないし、まして見知った相手とは言えあまりにも無配慮過ぎる物だったと・・・流石に今の立場が立場なだけにアッシュもまずいと思ったようだけれど、貴方への気持ちに関して吐いた言葉を呑み込みたくなかったのかジェイドの言葉にそのまま立ち去ったようよ」
「うわぁ・・・何となくそういった流れじゃないかとは思ったけど、マジなのかアッシュ・・・」
更にどういった流れになっていったのかを話していくジュディスだがその流れがあまりにも良くない物であることもそうだが、アッシュが全く成長しているように思えないことにルークは脱力して額を机につけた。









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