焔と預言の世界の行く末

・・・アドリビトムから人が減ったとは言え、全員が全員いなくなった訳ではない。その中でたまには国に帰ったりはするものの、基本的にアドリビトムで活動をするメンバーもいる。その中にはジュディスとゼロスの姿もあって、ルークとよく絡む筆頭の二人である。

元々アドリビトムはギルドというだけで、ここに入ったならずっとここに所属するようにしろ・・・なんて拘束力はないし、ましてや拘束するつもりもない場所だ。思想的にそういったギルドも存在しているかと言えば存在はしているが、そんな強制力は持っていない。と言うかそんな強制力を行使しようとしていたなら、今頃エステルにウッドロウにルーク達と言った国の上層部に連なる面々を助けるという名目でアドリビトムを潰しにかかっていてもおかしくはなかっただろう。

話を戻して、そのようにある程度自由に所属出来るし行動も自由がきくからこそここにいると決断する面々もいて、それがジュディス達と言うわけである。

現にジュディスは時たまガルバンゾに帰ってアドリビトムに所属する前からの知り合いであるユーリ達との交流を今も続けているし、ゼロスもゼロスで時折フラッとロイド達の元に行っているしその他に残っているメンバーも似たような物である。ただ二人がルークに他のメンバーよりよく絡むという事実があるだけだ。



(二人っていうか、他の皆もなんつーか俺に気を遣ってくれてる部分はあるんだろうな・・・自分が好きにやってるだけみたいに言ってはくれるし実際に依頼で離れることも結構あるけれど、それでもこうして話し掛けてきてくれる姿があるとそう感じるな・・・)
二人と会話を交わす中でふとルークは心の内でしみじみと感じる。自分が気を遣われていると感じた上でそれが心地いいと思っている部分があると。



・・・三年もそんな付き合いがあれば、ルークも多少は感じていた。自分が二人を始めとした面々に気を遣われている部分があるからこそ、ここにいるという物もあるのだと。

ただこの辺りはさりげない物だったり、あまり過干渉をしてこようとしない面々もいる。そういった部分では意外とアーチェやノーマみたいな賑やかな物が好きな面々は、ルークの方にはあまり寄ってくることはなかった。この辺りはワイワイ騒げる場面なら独壇場な面々ではあるが、真面目な話題にならざるを得ない場面にはあまり腰を据えたくないという思いがあるからだろう。

また、ソフィを筆頭としてあまり秘密事に向いてないメンバーもルークから離れているというか離されている面もある。とは言えこれに関してはある程度仕方無い面もある・・・アスベルにフレンなどは腹芸が胸を張れるほど得意と言えるような物ではないが、それでもある程度は表情に言ってはいけないことに出してはいけないものを出さないようにとするくらいは納めることは出来る。だがソフィやそこに近しい面々にそういった表情芸をもとめるのは酷であるし、そもそも事実を知って黙っていられるか・・・ということすら危ういと言えるだろう。

故にソフィであったり他の表情や言葉に出やすい面々に関してはルークと会うこと以上に、ライマ陣と会うことの方に関してを警戒しなければアドリビトムに再訪した際に問題になりかねない・・・その為にアスベルを始めとして制止が出来るメンバーが制止してくれる訳だが、その反面としてジュディス達みたいに自分に構ってくれる人達もいる。それが分かる為に申し訳無さを感じる反面、たまらなく嬉しくもあった。そうやってまでして自分に関わってくれることを。









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