「いよう、ルーク君。ここいい？」
「あぁ、ゼロス。別にいいぞ」
そんな考え事をしているルークの前の席に料理の乗ったトレーを持ってゼロスが笑顔で現れ、ルークが許可をするとすぐに席に座る。
「今日の依頼はどうだったの？」
「別に大したことなかったって。特に変わったこともトラブルもなかったしさ」
そのままゼロスが世間話といったように話し掛けてくる姿に、ルークは素のまま和やかに応対していく。



・・・そんな風にしてアッシュ達と関わりの遠くなったアドリビトムであるが、その分ルークと関わる事の多くなったメンバーはそのルークの素の部分に触れていった。

ルークがルミナシアに戻った当初はニアタからの話に聞いていたとは言え大半のメンバーが戸惑い、本当にルークなのかと当人に直接言った程だ。その代表格はイリアにヒスイと言った演技していたルークと度々ぶつかってきた面々であるが、あのぶつかりが演技による物だったと聞いてしまっては驚くのも当然であろう。

しかしルークもそういった反応が返ってくるのはオールドラントに来ていた組からの反応の経験上理解していた為、演技をしていたことを謝った上で素の態度で接していった。

そういった姿にオールドラント組が戻ってきて再び各地に帰省する段になった頃には、ルークのその姿を受け入れた上でライマにはこの事は伝えないようにすると一部のメンバーからは約束された・・・この辺りは頭が固いというより、ルーク以外のライマ陣との交流があったことからそちらへの義理立てであったり話を聞いても元の鞘に戻る方がいいのではと考えていたからである。しかしそれもルークと話をしてオールドラント組の意見を聞いた上で、どうする方がいいかとなった結果である。今更ライマの者達へルークを渡すような事をすればどうなるか・・・いやが上にでもろくな事態にならないと感じる形でだ。



「あら、二人とも。隣、いいかしら？」
「あぁ、構わないぞ」
ルークとゼロスがとりとめのない会話をしている場にトレーを持ったジュディスが現れ、一緒に食事をと言ったことにルークが頷くと自然にその隣へと座る。
「何の話をしていたのかしら？」
「いや、今日の依頼はどんなんだったのかって話くらいだよ。つーかジュディスってガルバンゾに帰ってなかったっけ？」
「えぇ。でも用事も済ませてエステル達にも会ってきたから特に問題はないわ。後ユーリも数日したらまた来るから手合わせしようぜ、と言っていたわ」
「でひゃひゃ！相変わらずだね、ユーリは！何回もやってて全敗だってのにさ！」
「笑い事じゃないんだぞ、ゼロス・・・会うたび会うたび戦うことになるんだから、結構キツいんだぜ・・・」
「いいじゃない、彼なりの貴方に対する親愛表現なのだし。それよりも私も久し振りにお手合わせを後でいいかしら？ユーリの話をした後に思ったけれど、私も貴方に勝ててないもの」
「あーっ・・・今日じゃなかったらもういいよ・・・断ると後が何となくこえぇけど、流石に依頼終わったばっかだから疲れを取りてぇからさ・・・」
「ふふ・・・なら明日ね♪」
そのジュディスからの会話を三人で行うのだが、終始和やかなムードのままでジュディスの機嫌の良さが分かる笑顔が二人の目に映り共に笑顔を浮かべる。と言ってもゼロスは至極楽しそうなままで、ルークは苦笑気味な笑みである。









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