焔と預言の世界の行く末

・・・この三年でピオニーはアッシュに対する気持ちなどとうに消え去ってしまっていた。そういった報告書からどういったようにアッシュが動いているのかを察した上で、ルークが一切姿を見せたとの報告を受けていないからである。

一応はピオニーも何となく感じてはいる。ルークは3年前に海の中に沈んだダイクロフトにアドリビトムの者と共に消えていったのだろうと。そうするに至ったのはアッシュ達の事を考えての事だろうと3年前の会話から考えたが、だからこそ・・・ルークと対比してとても誉められた姿を見せてはいないと簡単に予測が出来る上、悪いことを全てルークへと転換させるアッシュへの気持ちを無くさせてしまった。



(・・・まぁルークが姿形を見せずにいるのはアッシュの事を除いてもいいことだったんだろうな。現にガイがいい証拠だ・・・)
ただそこでふとピオニーはガイの事を思い返す。ただし、あまり良くない方向で。



・・・グランコクマに残ることを強制させられたガイは、もしもの事があるからといったように怯える形で自分がガルディオスだと明かすこともないままに時間を過ごしてきた。一応ファブレで使用人として働いていたし、ルークの事もあったから宮殿の使用人として雇われる形でだ。

そんな中でダイクロフトが海に沈んでからしばらく経った頃、ガイがジェイドに接触してきたと本人から聞かされた。中身はどうにかルークを探し出すことが出来ないか、と言うものだと。

その報告にピオニーはすぐさまルークに関してティア達に言った中身についてを伝えるようジェイドに命じた。まずルークが見付かるとは思えないが、アッシュやティアが発端でなくとももしルークが見つかるような事があれば面倒な事になりかねないと感じ。

それでジェイドに伝えさせて一件落着かと思いきや、少しした後にガイはピオニーの前に現れたのである・・・



(あの後も何回か俺の前に来てはキムラスカにダアトにバレないようにする形ででもいいんです、ルークの事が心配なんです・・・なんて言ってきたが、あれはルークの為じゃなく完全にガイがルークのことを望んでいただけだ・・・それもティア程ではないが良くない意味で・・・)
そう思う理由は何なのか、それをティアとレベルは落ちても同じと感じたことにある。



・・・ルークをどうにか庇護出来ないか、そうピオニーに何度も望んでくるガイの姿はかつてのティアと重なる部分が多いと感じていた。ただそれでもまだティアよりマシだと言える理由は何なのかと言えばその狂気染みた偏執の念が大分薄かったと感じたからだが、それは薄いというだけだ。

そういった風にガイがルークにこだわる理由は何か・・・その答えについてはハッキリ聞こうとも、知ろうともピオニーは思わなかった。ただ重要なのはガイの望みに答えるようなことはしないし、しない方がいいという考えを強く持つことだと考えている。それこそつけこむ隙を与えればガイが第二のティアになることも有り得ると感じた為に。



(・・・まぁ、俺が探すと決断しなければあいつが自分で探しに行くとは思えないからティアより安全と言えば安全だがな。拒否を徹底しておけばこれからもマルクトから離れてまでとはならんだろうしな)
しかしそんなガイの事はさして危険ではないと考えている。全てを捨ててまでルークを探したいと言った気概まではない・・・そう言ったガイの姿勢も理解している為にそこまで警戒することはないし不満はあれどもグランコクマに留まるだろうと。









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