終幕は怒りと共に引く

「取りあえず皆の所に行きましょう。もうやることはやり終わったのだし、あまり皆を待たせ過ぎるのも良くないわ」
「そうだな、そうしよう」
そんな空気の中でリフィルがもう帰ろうと切り出したことにリーガルが頷き、一同は部屋を後にしていく。



・・・それでリフィル達が移動した場所は大人数が集まれる広場のようなスペースで、他のメンバーは全員揃っていた。
「待たせたわね、皆」
「いえ、もう大丈夫ですか?」
「えぇ、後はもう戻るだけよ」
リフィルがそんな一同に軽く声をかけ、クレスと会話をする中でジェイは何気無くそっとジュディスのいる方に視線を向ける。
「・・・フフ」
「っ・・・(・・・僕の視線を察した?・・・良くない感情を向けられている訳ではありませんが、何となくこれ以上は気にしない方が良さそうですね・・・)」
その視線に一瞬だが微笑みを返してくるジュディスに、ジェイは底知れぬ物を感じ視線を外してから改めて考える。何があったかを聞くことに切り出すのは止めようと。
『では準備は出来たな?・・・これより皆をルミナシアに戻すが、忘れ物などはないな?』
「それは問題ないと思うけれど、ニアタの体はどうなるんだい?」
『それは気にしなくていい。元々この体は事が終われば役目を終わらせ機能を停止することになっている。海中でやれることなどないし、私がこれ以上ここにいる理由もないのでな』
「そうなのか」
そんなジュディスとジェイに気付くことなくニアタが話を始め、クレスがニアタの体について聞くと心配ないといったように返す。
『では行くぞ・・・ローレライからの力を受け、皆をルミナシアに戻す。目を瞑るのだ・・・!』
「「「「・・・っ!」」」」
・・・そしてこれが最後とニアタが声を上げ、自身の体を光らせ出したことに一同は目を閉じる。オールドラントへの別れを告げ、ルミナシアに戻るために・・・


















・・・焔を助けてきた者達は預言の世界を離れる



聖女の子孫は血にまみれ、世界は動き出す



焔と預言の世界・・・二つの結末はいかな物になるか・・・



next story is epilogue









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