終幕は怒りと共に引く

『この度の外殻大地降下にプラネットストームの停止、そして預言通りになる事を避けられたこと・・・これらを無事に済ませることが出来たことは、我々にとっても深い喜びになります』
「深い、喜び・・・?」
続くリフィルの言葉の中で喜びと出た事に人々は疑問の表情を主に浮かべる。何故いるかどうかも怪しかった存在と見られていたダイクロフトの人間が、そんな喜びを抱くのかと。
『・・・我々の祖先はかつて、こうしてダイクロフトが空中に浮くまでに預言の中身を知ったとのことです。しかしその中身がどのようなものかを伝えて回ってもほとんどの人々には理解をされず、外殻大地を空に浮かべると決めた時に平行して使用の計画を立てていたダイクロフトを我々の祖先が半ば乗っ取るような形で使用したと聞いています』
「そんなことが・・・」
更にここでリフィルが口にしたダイクロフトの事実に人々からは何とも言いがたそうな驚きが漏れでる。ダイクロフトの事をこんな形で知るとは思わなかったという気持ちもあるが、そんな中身だとも思っていなかったとばかりに。
『それで我々はダイクロフトの中で細々と暮らしていましたが、同時に祖先達から代々使命を託されて生きてもきました。それはもしもの場合、このダイクロフトに備え付けられているベルクラントを用い・・・預言による滅びを変えること、そして新たな外殻大地を造り出すという使命を』
「え・・・?」
『ベルクラントとは何か、新たな外殻大地を造り出すとはどういうことか・・・今、皆様はそう思われていることでしょう・・・ですので誰もいない土地にてどういうことなのか、それをお見せしましょう』
「え・・・なんだ、ダイクロフトの先端の剣みたいな部分が光りだした・・・!?」
しかしそこで新たに出てきたベルクラントとの単語と意味深な話の中身に戸惑う人々だったが、遠くに見えるダイクロフトの剣先のような先端が光始めた事に驚きざわめきだす。



‘ドォォォンッ!!’



「!!・・・えっ・・・大地が、ダイクロフトの方に、浮いていってる・・・!?」
・・・次の瞬間ダイクロフトの先からすさまじい光が地面に落とされ、遥か遠くの方からなのに爆音が世界中に響き渡るかのように鳴った後、地面がダイクロフトに引き寄せられるように浮かび上がる光景に人々は信じられないものを見るような視線を向けた。だがそこで驚きは終わらず・・・
「・・・ダイクロフトの周りに、浮かんだ地面が吸い付いて・・・新たな大地になった、のか・・・あれは・・・!?」
『これがダイクロフトに備え付けられたベルクラントの力及び、ダイクロフトが造られた本来の使用方・・・元々あった大地をセフィロトによって浮かせるのとは違い、大地をベルクラントによって削って浮かび上がらせ、ダイクロフトを中心とした新たな大地をオールドラント全体を覆う形で形成するというものです』
「!?」
その大地がダイクロフトの周囲に集まり固定される様子に驚愕を隠せなかった人々だが、リフィルの本来のダイクロフトの使用用途についての話に絶句せざるを得なかった。そんな意図があってダイクロフトは造られたのかという驚きで。









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