終幕は怒りと共に引く
「あっ!?あぁぁぁぁぁぁっ!」
・・・そんなジュディスは手の槍を更に肩を突き刺すよう押し付けていき、ティアは激痛に絶叫する。
「痛いかしら?じゃあ抜いてあげる」
‘ズッ’
「あぁっ!?あっ・・・ぐぅっ・・・!」
ジュディスはその声にすぐに槍を引き抜くのだが、抜かれた所で痛みが消えるわけではないどころか血までダクダクと流れ出してる状態になり、ティアは肩を逆の手で押さえながら立ち上がることが出来ずに苦悶の声を漏らす。
「・・・さて、私の気持ちとしてはこのまま貴女にとどめを刺してもいいのだけれど・・・貴女が頑張ればギリギリ生き残れるかどうか、という程度に収めてあげる。最後の情けとして、ね」
「なっ、一体何を・・・!?」
ジュディスは怒りのままにとどめを刺しはしないとゆっくり槍を持っていない手をティアの方に伸ばし、どうにか避けようと身をよじろうとするが既に腹と肩に大ダメージを負っているその体では緩慢とした動きにしかならず・・・
‘スパッ!’
「っ・・・っ・・・!?」
・・・ジュディスは難なくティアの頭を捕まえ固定させるように力を加え、もう片方の槍を短く持ち直し・・・ティアの喉元を槍で一文字の形に躊躇いなく切り裂いた。
そこから溢れ出る血と痛みにティアは動く手で喉元を押さえるが、喉を切られてまともに発声することが出来ない為に声にならない声を上げるしか出来なかった。
「・・・一応はすぐに手当てをすれば助かる程度には抑えておいたわ。でもそれは喉のダメージだけで、肩にお腹のダメージに加えてこの場所から人がいるところまで魔物に見つからず、もしくは撃退して辿り着けるかしら?」
「・・・っ!」
ジュディスはそんな姿を立ち上がって冷酷に見下ろしながら体の状態と今の場所についてを口にしていくが、ティアの耳には最早届いていないのか視線を返すことも出来ずにただ何とか息をしてもがき回るだけであった。
・・・ジュディスは敢えて言葉にはしていないが、ティアの今の状況でこの危地を脱出出来るか怪しい要素はもう一つある。それはプラネットストームの停止により、ティアにとって有用な技に術を使えないことだ。
これはジュディスとの戦いでも言えたことと思うかもしれないが、今の時点で重要なのは戦う技術についてではなく自身を回復させる術についてである。
プラネットストームが動いておらずもう譜術も使えない以上、傷の回復にはグミかエリクシールを使うのが手っ取り早い治療方法になる。だが基本的に回復をする際は譜歌を用いるのが普通だったティアは、自分がメンバーの分も管理するという形でアイテムなどまず持つことはなかった。
・・・それは今もだからこそだが、そんな物だから今のティアはグミにエリクシールなんてものもそうだが、包帯だとかの応急措置を取れるような物も持っていない。つまり今のティアはろくに回復どころか止血さえ出来るかどうか怪しい状況なのだ。そんな状況で生きていけるとは、普通は考えないだろう。そう、普通は・・・
「・・・まぁ、もう聞こえているかどうかはどうでもいいわ。私はもう帰らせてもらうわ・・・貴女も無事に帰れるといいわね、元の場所に」
「・・・っ」
ジュディスはその姿に怒りをようやく引かせたように笑顔を見せて別れの言葉を向けるが、その言葉には明らかにティアがどうなろうがどうでもいいといったような含みが入っていた。だがやはり重傷のティアの耳には届いている様子などなく、苦悶するその様子を尻目にジュディスは背を向けてその場から立ち去っていく・・・全くティアのその姿に罪悪感など感じていないといったような、軽やかな足取りで・・・
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・・・そんなジュディスは手の槍を更に肩を突き刺すよう押し付けていき、ティアは激痛に絶叫する。
「痛いかしら?じゃあ抜いてあげる」
‘ズッ’
「あぁっ!?あっ・・・ぐぅっ・・・!」
ジュディスはその声にすぐに槍を引き抜くのだが、抜かれた所で痛みが消えるわけではないどころか血までダクダクと流れ出してる状態になり、ティアは肩を逆の手で押さえながら立ち上がることが出来ずに苦悶の声を漏らす。
「・・・さて、私の気持ちとしてはこのまま貴女にとどめを刺してもいいのだけれど・・・貴女が頑張ればギリギリ生き残れるかどうか、という程度に収めてあげる。最後の情けとして、ね」
「なっ、一体何を・・・!?」
ジュディスは怒りのままにとどめを刺しはしないとゆっくり槍を持っていない手をティアの方に伸ばし、どうにか避けようと身をよじろうとするが既に腹と肩に大ダメージを負っているその体では緩慢とした動きにしかならず・・・
‘スパッ!’
「っ・・・っ・・・!?」
・・・ジュディスは難なくティアの頭を捕まえ固定させるように力を加え、もう片方の槍を短く持ち直し・・・ティアの喉元を槍で一文字の形に躊躇いなく切り裂いた。
そこから溢れ出る血と痛みにティアは動く手で喉元を押さえるが、喉を切られてまともに発声することが出来ない為に声にならない声を上げるしか出来なかった。
「・・・一応はすぐに手当てをすれば助かる程度には抑えておいたわ。でもそれは喉のダメージだけで、肩にお腹のダメージに加えてこの場所から人がいるところまで魔物に見つからず、もしくは撃退して辿り着けるかしら?」
「・・・っ!」
ジュディスはそんな姿を立ち上がって冷酷に見下ろしながら体の状態と今の場所についてを口にしていくが、ティアの耳には最早届いていないのか視線を返すことも出来ずにただ何とか息をしてもがき回るだけであった。
・・・ジュディスは敢えて言葉にはしていないが、ティアの今の状況でこの危地を脱出出来るか怪しい要素はもう一つある。それはプラネットストームの停止により、ティアにとって有用な技に術を使えないことだ。
これはジュディスとの戦いでも言えたことと思うかもしれないが、今の時点で重要なのは戦う技術についてではなく自身を回復させる術についてである。
プラネットストームが動いておらずもう譜術も使えない以上、傷の回復にはグミかエリクシールを使うのが手っ取り早い治療方法になる。だが基本的に回復をする際は譜歌を用いるのが普通だったティアは、自分がメンバーの分も管理するという形でアイテムなどまず持つことはなかった。
・・・それは今もだからこそだが、そんな物だから今のティアはグミにエリクシールなんてものもそうだが、包帯だとかの応急措置を取れるような物も持っていない。つまり今のティアはろくに回復どころか止血さえ出来るかどうか怪しい状況なのだ。そんな状況で生きていけるとは、普通は考えないだろう。そう、普通は・・・
「・・・まぁ、もう聞こえているかどうかはどうでもいいわ。私はもう帰らせてもらうわ・・・貴女も無事に帰れるといいわね、元の場所に」
「・・・っ」
ジュディスはその姿に怒りをようやく引かせたように笑顔を見せて別れの言葉を向けるが、その言葉には明らかにティアがどうなろうがどうでもいいといったような含みが入っていた。だがやはり重傷のティアの耳には届いている様子などなく、苦悶するその様子を尻目にジュディスは背を向けてその場から立ち去っていく・・・全くティアのその姿に罪悪感など感じていないといったような、軽やかな足取りで・・・
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