分かたれた道の再度の交錯
「・・・しかしまた、ここに来るまで長かったねぇ・・・本当にルークが全く尻尾を見せなかったからなんだけど、その実力もすごいなんて初めて知ったよ」
「あっ、それは私も思いました。遠目から見てただけですけど、ジュディスさんをすぐに倒すなんて全く考えてませんでたから・・・」
「フフ、その事に関しても聞かせてもらっていいかしらルーク?ローレライから貴方がどれほど強いのか聞いていなかったから、さっきは驚いたわ」
「怖いって言うか、ちょっと離れてくれジュディス・・・ちゃんと話すから・・・」
そしてホッとしたナナリーがルークの実力について感嘆したという言葉にアニーにジュディスも同様に気になっていたと言うが、ジュディスの圧がある笑みに自分で少し距離を取りながら話すと答える。
「って言ってもそんな難しい事じゃないんだけど、ルミナシアに来る前に戦った分の経験とルミナシアで暮らしてる時に得た経験・・・それとこっちに戻ってからの訓練で得た経験があるからだよ。まぁルミナシアの時は本気で戦うような事が無かったから、皆にそれを知られるような事がなかったのは良かったんだけどな・・・」
「本気で戦う事を考えていたんですか?」
「・・・まぁ演技してるって自分で分かってはいても、皆を全滅の危険に晒してまでは違うって思ってたからな。だからいざってなったら本気で戦うつもりでいたんだよ。ただそれはアドリビトムの皆が強かったって言うのと立場とそんなに経験がないって思われてたから、そう言った機会はなかったんだけどな」
「そうですか・・・」
そこから簡単に経験について言いつつ本気を出す機会がなかったと言うとすずが少し意外そうに声を上げるが、その訳を聞き少し複雑げに声を漏らす。
「・・・あ~、自分がこんな状況を招いたってのは分かってるけどさ・・・そろそろもう戻らないか?結構時間も経ってるし、明日は港まで行かなきゃいけないし・・・」
「・・・そうね、そうしましょうか」
そんなすずに周りを見て少し居心地が悪そうにルークが戻ることに話題を転換すれば、ジュディスを始めとして一同頷く。
「んじゃ戻ろう」
「いえ、私達は後片付けをしてから戻りますから先にルークさんは戻ってください。少し話したい事もありますから」
「・・・そうか、分かった。じゃあ早く戻ってこいよ(話したい事って何か気になるけど、多分俺についてだろうし・・・俺はその場にいない事を願われてるんだろうしな・・・)」
意思確認を終え再度戻ることを口にするが、そこですずから言葉の節々に一人で先に戻るようにと強い意志の感じられる返答にルークは反論出来ず、気遣いの言葉を残して先に休憩所の方へと戻っていく。
「・・・どうしたんだい、すず?いきなりあんなこと言い出して」
ルークの姿が見えなくなった所でしいながすずに問いかける・・・しいな達からしてもすずの言葉は意外だったのだろう。こうやって場に残ると言い出したことは。
「・・・少しルークさんについて話をしないといけないと思ったんです。実際のあの人に会ってから感じたことや、あの人がいない時に私達がすべき事を・・・」
「・・・そうね、それについては私も同感よ。実際私もあの子に会ってみて感じたこともあるし、他の皆に色々と言わなければならないこともあると思うから・・・」
「・・・そうですね、ゆっくり話をしましょう」
そんな声にすずが真剣にルークの事について話したいと言い出すとジュディスも同じく真剣に同意し、アニーが頷いたことで話が始まる・・・ルークについての話が・・・
(・・・これからどうなるんだろうな、一体・・・?)
・・・そうやってジュディス達が自身について話をしていることを半ば感じてはいたが、何も言うことなくルークは休憩所のベッドにまで静かに戻り横になってから一人考えにひたっていた。
(・・・いや、やることは変わらないんだ。皆がこっちに来てはいても、さ・・・俺はやらなきゃいけない、例え自分の命を賭けることになっても・・・!)
だがと考え直したルークはそっと目を閉じながら改めて決意を固める・・・端から見れば悲壮としか言えない、揺るぎない決意を・・・
かつての仲間達と焔は再び繋がった
だが交錯する想い、密やかなる想い
それらが真に混じりあう時はまだ先にある・・・
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「あっ、それは私も思いました。遠目から見てただけですけど、ジュディスさんをすぐに倒すなんて全く考えてませんでたから・・・」
「フフ、その事に関しても聞かせてもらっていいかしらルーク?ローレライから貴方がどれほど強いのか聞いていなかったから、さっきは驚いたわ」
「怖いって言うか、ちょっと離れてくれジュディス・・・ちゃんと話すから・・・」
そしてホッとしたナナリーがルークの実力について感嘆したという言葉にアニーにジュディスも同様に気になっていたと言うが、ジュディスの圧がある笑みに自分で少し距離を取りながら話すと答える。
「って言ってもそんな難しい事じゃないんだけど、ルミナシアに来る前に戦った分の経験とルミナシアで暮らしてる時に得た経験・・・それとこっちに戻ってからの訓練で得た経験があるからだよ。まぁルミナシアの時は本気で戦うような事が無かったから、皆にそれを知られるような事がなかったのは良かったんだけどな・・・」
「本気で戦う事を考えていたんですか?」
「・・・まぁ演技してるって自分で分かってはいても、皆を全滅の危険に晒してまでは違うって思ってたからな。だからいざってなったら本気で戦うつもりでいたんだよ。ただそれはアドリビトムの皆が強かったって言うのと立場とそんなに経験がないって思われてたから、そう言った機会はなかったんだけどな」
「そうですか・・・」
そこから簡単に経験について言いつつ本気を出す機会がなかったと言うとすずが少し意外そうに声を上げるが、その訳を聞き少し複雑げに声を漏らす。
「・・・あ~、自分がこんな状況を招いたってのは分かってるけどさ・・・そろそろもう戻らないか?結構時間も経ってるし、明日は港まで行かなきゃいけないし・・・」
「・・・そうね、そうしましょうか」
そんなすずに周りを見て少し居心地が悪そうにルークが戻ることに話題を転換すれば、ジュディスを始めとして一同頷く。
「んじゃ戻ろう」
「いえ、私達は後片付けをしてから戻りますから先にルークさんは戻ってください。少し話したい事もありますから」
「・・・そうか、分かった。じゃあ早く戻ってこいよ(話したい事って何か気になるけど、多分俺についてだろうし・・・俺はその場にいない事を願われてるんだろうしな・・・)」
意思確認を終え再度戻ることを口にするが、そこですずから言葉の節々に一人で先に戻るようにと強い意志の感じられる返答にルークは反論出来ず、気遣いの言葉を残して先に休憩所の方へと戻っていく。
「・・・どうしたんだい、すず?いきなりあんなこと言い出して」
ルークの姿が見えなくなった所でしいながすずに問いかける・・・しいな達からしてもすずの言葉は意外だったのだろう。こうやって場に残ると言い出したことは。
「・・・少しルークさんについて話をしないといけないと思ったんです。実際のあの人に会ってから感じたことや、あの人がいない時に私達がすべき事を・・・」
「・・・そうね、それについては私も同感よ。実際私もあの子に会ってみて感じたこともあるし、他の皆に色々と言わなければならないこともあると思うから・・・」
「・・・そうですね、ゆっくり話をしましょう」
そんな声にすずが真剣にルークの事について話したいと言い出すとジュディスも同じく真剣に同意し、アニーが頷いたことで話が始まる・・・ルークについての話が・・・
(・・・これからどうなるんだろうな、一体・・・?)
・・・そうやってジュディス達が自身について話をしていることを半ば感じてはいたが、何も言うことなくルークは休憩所のベッドにまで静かに戻り横になってから一人考えにひたっていた。
(・・・いや、やることは変わらないんだ。皆がこっちに来てはいても、さ・・・俺はやらなきゃいけない、例え自分の命を賭けることになっても・・・!)
だがと考え直したルークはそっと目を閉じながら改めて決意を固める・・・端から見れば悲壮としか言えない、揺るぎない決意を・・・
かつての仲間達と焔は再び繋がった
だが交錯する想い、密やかなる想い
それらが真に混じりあう時はまだ先にある・・・
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