「ヒューバートが言ったけれど、確かに私達はルークが何処かに行くのを手助けはしたわ。けれどそうするとルークが決めた大本はそれこそアッシュもだけれど、貴女の事もハッキリ含まれていたのよ」
「う、嘘よ！」
「じゃあ貴女・・・今までの旅の中でルークに信頼を向けられていると、ルークに頼られていると少しでも感じたかしら？誰よりも頼ってくれるとまでは言わずとも、自分がそういったことを求められたかしら？」
「・・・っ！」
ジュディスは衝撃を受けるその姿に更に追撃をかけるようルークに信頼を向けられたかと聞くと、ティアは蒼白といったように表情を青くした。



(認め、たくない・・・でも、ルークが私の事を頼ってくれた時なんて・・・一度もなかった・・・！)
ティアはその心中で苦い思いを感じつつも、記憶を呼び出す限りでルークに頼られたという経験が無かったことを思い出していた。
「思い出したかしら？特に貴女のお兄さんとの戦いの時、貴女はろくに成果を上げられもせず彼がほとんど戦いを進めていた事を・・・」
「っ・・・！」
「あの時彼は貴女には振り向きもせず、何も指示もしなかった・・・ポジティブに考えれば貴女が何も言わなくとも援護してくれると彼が期待していたと取ることも出来るかもしれないけれど、それは団体戦をするなら仲間を援護するのは当然の事だしお兄さんと戦ってる最中に手伝えともルークは言っていたわ。つまりルークの中には貴女に信頼という物は少なくとも特別と呼べるような物は向けてはいないのよ？」
「っ・・・！」
更にニコニコとしながらも遠慮することなく信頼はないとヴァンの戦いの事を持ち出して逃げ場を失わせるように話を進めていくジュディスに、ティアは一層追い詰められてたまらず足を引いてしまう。否定したいのに出来ないと言うこともあるだろうが、笑顔を崩そうとしないジュディスのプレッシャーに明らかに圧されていると言ったようにしか見えない形で。
「・・・そこまでにしておいてあげたら？まだまだ言いたいことがあるのは分かるけれど、これ以上時間がかかるのはあまり望ましくはないわ」
「・・・そうね。折角ローレライの見送りも無事に終わっていい空気だったのだし、これ以上は止めておきましょう」
「・・・っ！？(まだ何か言うことがあったの、この人・・・！？)」
そんなティアを哀れに思い・・・と言うのではなく時間が惜しいのだからとヒルダが止めに入ると、ジュディスが言い足りない事を示唆しつつ頷く様子にティアは戦慄した。まだまだ色々何か言われる可能性があったのかということに。
「・・・おい、イオンにアッシュもついでに聞け。ルークはまず到底誰かに見つかるような事はないだろう。それを承知で敢えて探そうとすることはやめろ。アッシュは前に色々と言われているが、イオン・・・お前はティアへのもあるが、ルークへの同情に哀れみでルークを探すことに賛同しかねん。そんなことをすれば失敗すればただの骨折り損になるだけだが・・・もし成功したとして、それでティアが報われるとしてルークが報われる、もしくは・・・幸せになると思うか？今のティアだったりアッシュの事を考えてだ」
「っ！？・・・それは、その・・・・・・すみませんが、僕にはそうは思えません・・・アッシュの気持ちは勿論ですが、ティアの今の様子ではとても・・・」
「なっ！？(イオン様がそんなことを言うなんて・・・何で・・・！？)」
ただここウィルがルークを探すことを止めるように特にイオンに言った上で問いを向けると、極めて苦々しげにしながらもちゃんと口にしたアッシュとティアのルークに対する不安にティアは絶句した。まさかイオンが自分の事を信じないなんてという驚きに。









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