鬼の居ぬ間に
・・・そして時間は少し進み、ラジエイトゲートの最下層に移る。
「・・・着いたな。じゃあアッシュ、早速だが鍵を取り出してくれ。僕達じゃどうすればいいのか分からないからね」
「・・・フン・・・おい、ローレライ。聞こえるか?来たぞぉっ!?」
「アッシュ!?」
「慌てない慌てない。前も見たでしょ、多分あの痛みはローレライが何か話し掛けてる時の物でしょ。だから少し我慢しなさい、あんたの対応をしながらローレライの会話を聞かせるなんて事をさせたら余計に手間がかかって痛みに晒される時間が増えるわよ」
「・・・っ!」
それで先頭を歩いていたクレスが振り返りアッシュに話し掛け、鍵を抜いて話し掛ける中でいきなり頭を押さえたことにナタリアが急いで近付くが、ルーティの冷静な制止と言葉に苦い面持ちを浮かべて立ち止まる。そんな痛みを与えたくないが、アッシュが痛みに苦しむ様子を見たくないと言った様子で。
「・・・・・・ふぅ・・・」
「アッシュ!大丈夫ですか!?」
「あぁ、ナタリア。心配ない・・・」
それで少し時間が経って頭から手をどけ苦痛が引いた様子のアッシュにナタリアが心配そうに話し掛け、問題ないと頷いた後に改めて鍵を見つめる。
「・・・ローレライの話ではこの譜陣の中央で鍵を掲げて第七音素を集中させりゃ、後は自分の力でどうにかするように動くからそれでいいとのことだ」
「・・・それだけでいいのなら、早速お願いします。この後の事を考えれば報告の為に時間を使わねばなりませんし、皆さんを送り届けなければなりませんからね」
「っ・・・チッ・・・いいだろう・・・」
アッシュはその状態でどうすればいいのかを簡潔に説明してヒューバートがなら早くと言ったことに、若干表情を複雑そうに歪ませながら強がりつつ返す・・・この辺りはまだキムラスカに大手を振って帰るなんて気持ちになれないからこその反応であろう。
(ローレライがこれで解放される・・・プラネットストームの停止に並んで必要な事ではあるけれど、今の私にとって重要なのはもしもの場合に備えてそのローレライを音譜帯にまで行かせないようにしないと・・・しばらく地上に残らないと言うなら、嫌でも地上に残らせる・・・!)
ただそんなアッシュの反応など気にもかけずにティアは自分の考えに没頭する。自分の都合としてはローレライをここで逃がすわけにはいかない・・・場合によってはユリアの譜歌を用いてでも、自らの元に留めようと。
「・・・っ!」
そういった事を考える中でアッシュが譜陣の中心に立ち、意識を集中させ出したことにティアもハッとしてからその光景に注目する。
‘カッ!’
「うっ・・・!」
そんな時にアッシュを中心として突如場を全て覆わんばかりの光が現れ、ティアを含めた一同は眩さに目をくらませる。
『・・・よくぞここまで来てくれた、アッシュ達よ。そなたらのおかげでプラネットストームは止まり、我も無事にここから解放される事が出来た』
「・・・その声は・・・まさか、お前がローレライなのか・・・?」
『いかにも、我がローレライだ』
・・・そして光が場から収まった所でアッシュの前に現れたローレライに、目が眩んでいた一同の代表をする形でアッシュが確認を取ると肯定が返ってきた。
(本当に現れてくれた・・・ならば私がやることは出来る限りローレライが早く音譜帯に昇らないように説得すること・・・!)
その光景を見ながらティアは改めてローレライを留めようと決意する。もしもの時の為にと。
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「・・・着いたな。じゃあアッシュ、早速だが鍵を取り出してくれ。僕達じゃどうすればいいのか分からないからね」
「・・・フン・・・おい、ローレライ。聞こえるか?来たぞぉっ!?」
「アッシュ!?」
「慌てない慌てない。前も見たでしょ、多分あの痛みはローレライが何か話し掛けてる時の物でしょ。だから少し我慢しなさい、あんたの対応をしながらローレライの会話を聞かせるなんて事をさせたら余計に手間がかかって痛みに晒される時間が増えるわよ」
「・・・っ!」
それで先頭を歩いていたクレスが振り返りアッシュに話し掛け、鍵を抜いて話し掛ける中でいきなり頭を押さえたことにナタリアが急いで近付くが、ルーティの冷静な制止と言葉に苦い面持ちを浮かべて立ち止まる。そんな痛みを与えたくないが、アッシュが痛みに苦しむ様子を見たくないと言った様子で。
「・・・・・・ふぅ・・・」
「アッシュ!大丈夫ですか!?」
「あぁ、ナタリア。心配ない・・・」
それで少し時間が経って頭から手をどけ苦痛が引いた様子のアッシュにナタリアが心配そうに話し掛け、問題ないと頷いた後に改めて鍵を見つめる。
「・・・ローレライの話ではこの譜陣の中央で鍵を掲げて第七音素を集中させりゃ、後は自分の力でどうにかするように動くからそれでいいとのことだ」
「・・・それだけでいいのなら、早速お願いします。この後の事を考えれば報告の為に時間を使わねばなりませんし、皆さんを送り届けなければなりませんからね」
「っ・・・チッ・・・いいだろう・・・」
アッシュはその状態でどうすればいいのかを簡潔に説明してヒューバートがなら早くと言ったことに、若干表情を複雑そうに歪ませながら強がりつつ返す・・・この辺りはまだキムラスカに大手を振って帰るなんて気持ちになれないからこその反応であろう。
(ローレライがこれで解放される・・・プラネットストームの停止に並んで必要な事ではあるけれど、今の私にとって重要なのはもしもの場合に備えてそのローレライを音譜帯にまで行かせないようにしないと・・・しばらく地上に残らないと言うなら、嫌でも地上に残らせる・・・!)
ただそんなアッシュの反応など気にもかけずにティアは自分の考えに没頭する。自分の都合としてはローレライをここで逃がすわけにはいかない・・・場合によってはユリアの譜歌を用いてでも、自らの元に留めようと。
「・・・っ!」
そういった事を考える中でアッシュが譜陣の中心に立ち、意識を集中させ出したことにティアもハッとしてからその光景に注目する。
‘カッ!’
「うっ・・・!」
そんな時にアッシュを中心として突如場を全て覆わんばかりの光が現れ、ティアを含めた一同は眩さに目をくらませる。
『・・・よくぞここまで来てくれた、アッシュ達よ。そなたらのおかげでプラネットストームは止まり、我も無事にここから解放される事が出来た』
「・・・その声は・・・まさか、お前がローレライなのか・・・?」
『いかにも、我がローレライだ』
・・・そして光が場から収まった所でアッシュの前に現れたローレライに、目が眩んでいた一同の代表をする形でアッシュが確認を取ると肯定が返ってきた。
(本当に現れてくれた・・・ならば私がやることは出来る限りローレライが早く音譜帯に昇らないように説得すること・・・!)
その光景を見ながらティアは改めてローレライを留めようと決意する。もしもの時の為にと。
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