鬼の居ぬ間に

(・・・結局どうすればルークとアッシュの仲を良くしたり、キムラスカに戻せるようにするのかって言うのは思いはつかなかった・・・なら今やれる事は最低限ルークがどこか分からないところに行く前に、私の所かせめて大佐のいるところくらいにはいてもらうように動かないと・・・そこからよ、貴方の事を含めてどうにかしていくのは・・・!)
一方でルークに対して視線を向けることを止めないティアの心中だが、やはりというべき形で固まっていた。打開策など具体的な物など何もなく、ただルークを引き留めることが最重要だと。
「・・・さて、話はまとまった。まずだが、キムラスカにマルクトにダアト・・・3ヶ所のトップの判断は揃って即日のプラネットストームの停止に加え、ローレライの解放に賛成してくれた。だから僕達はその決定もあるが、すぐにプラネットストームの停止にこれから向かいたいと思う」
「「「「・・・っ!」」」」
(・・・これで一先ずは障気が復活することを避けることが出来るわね・・・)
そんな時には話し合いを終えたグループの中から代表してクレスが代表達の決定を皆に分かるように通る声で伝え、一同の空気が引き締まる中で流石にティアも空気を感じたこともあるが目下の最重要問題な事もあって考えを切り替える。
「ただその際に関してなんだが・・・ルークがラジエイトゲートに向かうのはあまり望ましいことじゃないという話が出てきた」
「え・・・(何それ、どういうことよですか・・・!?)!?」
「何故かという気持ちになるメンバーも何人かいるかもしれないが、ローレライの話では譜陣を止めるだけでもルークの肉体の事情を考えるとその場にいるだけで何らかの影響を受けかねない可能性があるからだ。そんな心配はないんじゃないかみたいに思う人もいるかもしれないが、一応念を入れるためにもルークはその場にいない方が安全だと僕は思った」
(っ・・・もしそんなことが起きれば、私が過去にまで戻ってきた意味が無くなるじゃない・・・!)
しかしクレスからいきなりのルークの同行の勧めが出来ないという理由を聞かされたティアは心中穏やかに出来ずにいた。ルークが喪われる可能性があることがあると聞かされて。
「だからルークには僕達としてはダイクロフトに残ってほしいんだけど・・・どうかな?」
「だったら残るわ。んなこと聞かされて平然と一緒に行くなんて言えるかっつーの。別に俺が是が非でも命をかけなきゃ事態は解決しねーとかってんならまだしも、アッシュがやりゃ成功するって分かってて別に俺がいなきゃならねー理由ってヤツもねーんだしよ」
「そうか・・・」
(それはそうよね・・・流石にこのルークはおかしいところは多いけれど、自殺願望なんてないようだし・・・一先ずはルークが死ぬなんて事態は一応は回避されたことだし、これでよしとしましょう・・・)
続けてクレスはルーク当人にどうかと聞き、即答で行かないと答えるその姿に安心する様子を見せる中でティアも内心で安心する。ルークが考えなしに強がり、生きるか死ぬか分からない場に行かないで済む事に。
「じゃあルークはここにいてもらって、僕達は早速ラジエイトゲートに向かうことにしよう・・・プラネットストームを止めるためと、ローレライがそこにいるならローレライを解放するために!」
‘‘‘‘・・・!’’’’
そしてクレスがこれが最後の大仕事だといったように周りに声をかけ、ティアも含めて一同は頷く。



・・・それが一部の者を惑わし、騙すための物だとそうされる側は知ることもなく・・・









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