鬼の居ぬ間に

・・・バチカルにてルークを中心に時間が過ぎていき、そして翌日にまで時間は進む・・・



(あぁ・・・またやってしまったというか流されてしまったと言うか・・・自分が気持ちが強いなんて考えなんて無いけど、どうして断れなかったのかな・・・)
朝になり着替えも済ませて髪も長髪のままに戻し、ミュウが足元にいる中で一人準備を整えていたルークはベッドに腰掛けていたが・・・その内心はすさまじく自己嫌悪に満ちていた。ジュディスの事を引き剥がせなかった自分の弱い気持ちに対して。
(・・・気にしなくていいとか、こっちが望んでやったことだって言われたけど・・・どうしても気にしてしまうって、あれは・・・)
「・・・ご主人様、大丈夫ですの?」
「っ、あぁ、大丈夫だ・・・まだ眠いってくらいだし・・・(いけないいけない・・・少し雰囲気にでも出ていたか・・・)」
続いて頭の中に蘇るジュディスとの記憶に自己嫌悪に陥っていきそうになるが、途端にミュウからかかってきた声に対応しつつも考えを切り替える。
「・・・それよっか多分叔父上達とピオニー陛下の返事次第じゃあっけど、今日で色々決まって事態が動くことになるだろうからそれは覚悟しておけよ」
「色々決まる、ですの?」
「プラネットストームを止めるってなりゃ、もう俺らに出来ることも限られてくる・・・そっから先は前に言ったようにお前もあの森に戻ることになるだろうから、それは覚悟しとけよ。すぐにって訳じゃなくても、もうその時は近いって事はな」
「・・・寂しいですの、ご主人様~・・・」
「・・・まぁそう言ってくれる気持ちは受け取っておいてやるよ。その時までは一緒にいんだから、寂しいって気持ちはそこまでにしておけ」
「・・・はいですの」
(悪いな、ミュウ・・・多分もうそんなに時間は無いだろうから、別れは近いだろうけれどな・・・)
そのまま話題を自分達の別れの時についてを話すルークにミュウは悲し気な表情を浮かべ、その様子に内心の辛さを隠しつつ対応する。表面上でも多少の気遣いを見せる形で。






・・・そんな風にして二人で過ごしていたルークとミュウだが、インゴベルトからの呼び出しを受けてジュディス達と共に謁見の間に向かった・・・尚その際にジュディスから意味深でいて艶っぽい視線を一瞬向けられたが、内心動揺はしつつも持ち前の演技力で何も無いといったようにルークは振る舞った。



「・・・来たか。では早速で済まぬが、こちらの決定について伝えよう・・・プラネットストームを止めるのであればマルクトとダアトの返答次第ではあるが、この後に即時行ってくれても構わんというのがこちらの結論だ」
「よろしいのですか?」
「うむ。もしマルクトにダアトが同じような結論を出して我々の確認の為だけに遅れるような事はあまり望ましくはないであろうし、時間を長くかけるのも好ましくないということは承知しておるからな。故に我がキムラスカはそれで済ませてくれて構わぬと言う結論を出したのだ」
「成程、そう言うことですか・・・」
そして玉座に座るインゴベルトの前に並んだルーク達は早速と決定についてを伝えられ、ヒューバートは一応の確認を取り気持ちが固まっていることを聞いて納得といった様子になる。










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