決意と決別の意識の差

「そういった事態を避けるというより、言わないようにしなければならないと気持ちを引き締める為にはどうすればいいかと言えば効果的なのはやはりルークさんと実際に話をすること・・・これに尽きると思います」
「・・・まぁそう聞くと確かにルークと話をすることは気持ちが引き締まるだろうね。実際に私達もルークの本当の姿に気持ちを知って色々変わっていった訳だし」
「はい。ただやはり秘密を守るには不安が残る人もいるとは思いますが、それでも周りの人のフォローもあってアッシュさん達と直に会うくらいの事態でもなければまず大丈夫になると思います」
「そうなるだろうけど・・・こういう風に私らが考えることもそうだし、すずがこういうことを言うようになったっていうのも変わったって証拠なんだろうね」
「・・・私も、変わりましたか?」
「なんだい、自分で自分の事を理解してなかったのかい?・・・まぁこういったことは自分じゃ気付きにくいもんだからね」
それでルークと話をすれば変わるだろうとすずが言うのだが、しいなが自分も含めて変わったと言うと自覚してなかったと首をひねる姿に苦笑気味に笑う。
「・・・まぁ自覚はないにしても私達は確かにこのルークの件で少なからず変わってきた訳だけど、そうやって変わったんならティア達もルークの意図を汲めるような心境に変化出来るようになれば良かったんだけどね・・・」
「・・・それは仕方ありません。エステルさんみたいにまだ割り切れてない人もいますし、価値観を変えるのが難しい人も当然います。その点でティアさん達に関してはこちらもルミナシアの方も含め、ルークさんに対してフラットな視点を持つには様々な事情に立場が絡まってもうあんな風にしかならなかったんだと思いますから・・・」
「・・・それにこっちの世界に限って言えば独特の風習や習慣もそうだけど、色々各自に問題点ってヤツがあったからね・・・どうしようもなかったと言えばどうしようもなかったのか・・・」
ただふと複雑そうにティア達に対する気持ちを口にするしいなに、すずもあまり表情を明るく出来ずにそれを望むには無理があったといったように返したことに一層表情を歪める。
「・・・ですがもうそれも終わりです。ルークさんはルミナシアに戻ることになってこちらとは縁が切れますし、そのルミナシアでもさっき言ったようにライマの方々も含めて集まるような機会だったりアドリビトムに訪れるような事はまず無いでしょうから大丈夫でしょう。もうライマは国内の混乱は収まっていますし、何よりルークさんの行動の余波からアッシュさんは迂闊に外に出せないと上層部は考えているでしょうから」
「ルークが脱け出したって事を踏まえれば、アッシュも失うなんて事態を恐れるだろうしね・・・そしてそれで他のメンバーもアッシュが脱け出さないようにって見張りだとかに念を押されて、迂闊に動けないってことか」
「そうなるでしょうから、向こうのティアさん達は問題ありませんし・・・もうこちらのティアさんについても、問題はありません」
「・・・あぁ、そうだね。もしティアが何かをしようとしたってもう何も出来なくなるさ・・・特に、ルークを求めるなんて事はね」
しかしそこで話を切り返しもうアッシュ達の事は心配はないと言う傍らですずが口にしたこちらのティアについての話題に、しいなも重く頷く・・・ローレライから聞いた対処法を施したならもうティアに対して警戒する必要はない、そうしいなも重々理解している為に・・・












残された時間は短い



道筋が確定しつつある中でどのような結末を迎え、求めるか



誰もが誰も、全員が全員一人残らず同じようでいて不平等なき幸せはもたらされることはない・・・



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