「多分ルークさんの本当の姿に関してはこちらに来ていない方々は私達以上に戸惑い、悩むと思います。こちらのアッシュさん達との接触もない為に・・・ですが元々私達は事情があったとは言え、成り行きでアドリビトムに集まった身でルークさんの失踪が無ければカイルさん達は仕方無いとしても、もうあれだけのメンバーが揃うことはまずないと思われます」
「まぁ今しかもう時間は他のメンバーも無いだろうしね・・・」
「それもありますが、ライマに所属していた面々と迂闊に顔を合わせる訳にもいかないからです・・・オールドラントでのことは信じられないからともかくとしても、ルークさんの生存もそうですがその真意をライマの方々・・・特にアッシュさんが聞いたなら、波乱が訪れる事は避けられません。そしてその余波というか影響は私達にも来るでしょう・・・何故ルークの事を言わなかったのか、もしかしてこちらを謀る為に共謀していたのではないかといったように言われる形でです」
「っ・・・そんなこと言われたらまだ私達みたいな小さな所出身のメンバーはともかく、ウッドロウやエステルの所の国の上層部は黙ってはいないだろうね・・・」
「はい。今のルミナシアで下手な揉め事が起こることはラザリスの件で多少世界は落ち着いたとはいえ、これからの事を考えるとあまり良いこととは言えません。そしてそれらを避けるにはルークさんの事を私達の中でだけ納める事が重要になりますが、アッシュさん以外のメンバーになら言っても大丈夫だとか楽観的な気持ちを持つような人が出てこられると困るんです・・・恐らくどころではなくまず間違いなく、その事実についてを私達と共有する秘密とはせずにルークをライマに戻すべきだってルークさんの気持ちや考えを卑屈だとかおかしいと考えて行動するでしょうから」
「っ！・・・そんなことにななったら、それこそ何で言わなかったって責任問題をぶつけられる可能性が高いって事か・・・」
すずはその流れからルークがルミナシアに帰ってきた後について黙る必要がある推測についてを語っていき、しいなも苦い顔を浮かべる。ルークの秘密一つで険悪な事態になりかねないことを理解して。
「そうなりますが、そうさせないためにはアドリビトムに再び皆さんが集まるような事態になるのを避ける必要があるんです・・・今回のルークさんの件で緊急に私達は集まりましたが、ライマの皆さんは立場もあってこちらに来ることは叶わず我々にルークを見つけられるなら見つけてくれと手紙を渡してくるだけに留まりました。ですがこれが自分達も動けるような緊急事態が発生してアドリビトムのメンバーが集結しているとの情報を受けたなら、アッシュさん達は意気揚々とアドリビトムに来ようとするでしょう。そしてその時にアッシュさんを筆頭に出てくる言葉が何かと言えば・・・ルークを探してもらって悪かったと言いつつの、もういないルークさんに対しての罵倒でしょう。ナタリアさんは気まずさもあって何も言わないでしょうが、アッシュさんを止められないなら同じような物です」
「っ！・・・そんなこと聞かされちゃ、流石に気分は良くないね・・・ルークの真意に触れた後だと尚更にさ・・・」
「そう考えるのはしいなさんだけではないでしょう。現在であればジュディスさんを筆頭にルークさんへの態度を不快だとハッキリ行動に移しかねない人がいることもですが、何より危険なのはソフィさんだったりルークさんの生存についてを口にしかねない人も何人かいるということです」
「あぁ～・・・確かにそのまま怒って事実を言いそうだったり、ソフィみたいに隠し事が出来ない面子も結構いるもんね・・・」
次にもしまた集まるような事態になればアッシュ達との問題に加えて他のメンバーについての危惧を語るすずに、しいなも表情を曇らせる・・・ルークに味方をするのはいいとしても、ルークが存在しているという秘密を守れない可能性がメンバーの問題で有り得ることに。









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