決意と決別の意識の差

「・・・なぁ、ジュディス。自分で言うのもなんだけど、俺ってそんなに不幸そうに見えるっていうか思えるのか?」
「・・・えぇ、隠していても仕方無いから答えるけれどそう思うわ。そしてその原因とは言わないにしても、理由の一端はアッシュ達が担っていると思ったわ・・・でも貴方の答えを聞いて、そうではないと安心した上で・・・ドキリともしたわ」
「へ・・・?」
ルークもその空気に流石に自分がどう思われているかは分かって問い掛けるが、肯定と共にドキリとの言葉が出てきた事に呆けた声を上げる。この旅が始まって何度目かになる、女性の魅力を滲ませるジュディスの声だった為に。
「貴方が私達の事を仲間と言ってくれたことよ・・・貴方からそういった風にハッキリ私達の事を仲間と言う言葉なんてそうそうなかったから、嬉しかったわ」
「・・・そうだっけ?何て言うかそこまで意識してなかったから分からないんだけど・・・」
「ふふ・・・態度で分かるからいいなんて言う人もいるけれど、こうしてちゃんと言葉にして聞かせてもらうと嬉しいものなのよ?それが気取ったものでも場を取り繕おうとしたものでもなく、自然にこぼれ落ちた言葉なら尚更に・・・ね」
「・・・そんな大したことを言ったようには思えないんだけどな~・・・」
仲間と言ってくれたことが嬉しい、そう話すジュディスだが当の本人であるルークからすれば本心から首を傾げたくなる気持ちになりながらも疑問の言葉を口にする・・・首を動かせばその分、ジュディスの柔らかい感触をより感じてしまうために我慢する形で。
「・・・ねぇ、ルーク」
「・・・なんだ、ジュディス・・・んっ!?」
そんな時にふと言葉を発すると共に拘束が頭から外れた事にルークは首を振って振り返るのだが、唐突に唇に感じる柔らかい感触とジュディスの顔が間近に見えたことに驚いてくぐもった声を漏らす。
「・・・んっ」
「ジ、ジュディス・・・どうしたんだ・・・!?」
「・・・私がドキリとしたのは仲間と言ってくれたことだけではないわよ?」
「っ!」
それで唇を離すジュディスに動揺覚めやらぬ様子で何故と聞くが、先程の反応を見透かしたような笑みと言葉が返ってきた為にルークは体を硬直させる。
「・・・ルーク、貴方の事だからこういったことは恋人同士だったり結婚相手とするべきで・・・自分なんかとするべきじゃないって思っているかもしれないけれど、今はそんなこと気にしないで・・・」
「・・・っ!」
ジュディスはそんなルークに再び近付き笑顔を深めるのだが、そこから自分に手を伸ばしてきた事に拒否の反応を返せなかった。このまま黙っていれば何が起きるか、予想は出来るがどうすればいいか分からなかった為に・・・









「・・・ねぇ、すず。少しいいかい?」
「・・・どうしたんですか、しいなさん?」
・・・一方その頃、すずとしいなの部屋にて。
ベッドに腰をかけていたしいなはふと思い出したように同じよう、隣のベッドに腰かけていたすずへと顔を向け話し掛ける。
「何て言うか、ジュディスってあそこまでルークに対して楽しそうに関わってなかったよね?こっちに来てからルークの事を色々知れたからって事を抜いてもさ」
「確かにそうですね・・・」
しいながそんな中で出したジュディスに関する疑問にすずも納得する。以前とは違うジュディスの事に。









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