決意と決別の意識の差

・・・それでダイクロフトに戻った一行は話し合いを始める。



「・・・ではまた前の例に従う形で3つのグループに分かれ、各国の首脳陣に話をしに行くぞ。そして今日はそのまま各地で休息し、首脳陣がどういった結論が出たかを明日になって戻ってきてここで話し合う・・・それでいいな?」
‘‘‘‘・・・’’’’
「・・・よし、ならば組分けをするぞ」
・・・これからどのような形で報告をするのかと決めた一同の代表をする形でウィルは声を上げ、反対する者もいない中でどう分かれるかとの話に移る。
(・・・出来るならルークと一緒に行きたいけれど・・・私は立場上ダアトに戻るのが当然だから、こっちに・・・)
「んじゃ俺はキムラスカに行くわ」
(えっ・・・!?)
その中でティアはルークへ気持ちを向けようとしたが、そのすぐ後にあっさりキムラスカに行くとの言葉に驚きを浮かべた。何故真っ先にそんなことを言うのかという驚きで。
「・・・あぁ、お前はキムラスカの方に行ってくれ」
「おう」
(ちょっと!何で何も聞かないし止めもしないのよ!?明らかに普通じゃないじゃない!今のルークの申し出は!)
対してウィルは別段反対することなく了承してルークもすんなり頷く様子に、ティアはおかしいと内心で叫ぶがそれを実際に言葉にはしなかった・・・今までの経験上そういった不満を口にしても理屈に負けて一蹴されるのがオチといった結末を散々に味わってきたが為に、知らず知らず尻込みする形で。
(あぁ、もう!せめて帰ってきたら聞かせてもらうわよ!何でキムラスカの方に向かったのかを!)
だからこそ後でに回してそこで是が非でも聞こうという考えにシフトチェンジし、荒ぶる気持ちを落ち着かせる・・・そういった見通しの甘い考えで何度もチャンスを不意にしてきたばかりか、ルークの真意に気付けないという状態になったことなどに考えなど行かない形で・・・









・・・結局その後にティアは実際に不平不満を口に出すことはなく場は進み、メンバー分けが済んだことで先にダアトに行く面々が装置を使うことになり他の面々は待つことになる。



「くっ・・・この屑とバチカルに行かねばならないとは・・・」
「我慢しろ、アッシュ。もう決まったことに加え、これが終わればもうルークと会うことも無いのだろう・・・いや、キムラスカからの望みとして可能性が高いのはお前が本物の『ルーク=フォン=ファブレ』に戻ることであってアッシュとしての顔は求められんだろうからな」
「何っ・・・それはどういうことだ・・・!?」
そんな中でアッシュがルークに対して悪態をつくのだが、ウィルの言葉に想定していないといったように驚く。アッシュとしての顔は求められていないと。
「何を驚いている?キムラスカに戻り、その上でルークが戻らないとなれば『ルーク=フォン=ファブレ』はキムラスカからいなくなるということになる・・・それでお前がキムラスカに戻るとなれば、必然的にキムラスカはお前に『ルーク=フォン=ファブレ』として戻ってもらおうとするのは明白だ」
「な、何だと・・・!?」
「・・・まさか、今の自分はアッシュだからアッシュとして戻ると考えていたのか?それとも全く戻った後の事を考えていなかったのか?・・・まぁどちらにせよ『アッシュ』としての顔を出すことはまず望まれんのは確実だ」
「な、何でそんなことを言いやがる・・・!?」
だが当然だろうと全く揺るぐことなく返すウィルの様子に、アッシュは逆に圧されたように何故と問い掛ける。









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