決意と決別の意識の差

「ローレライの話ではその屑でも譜陣をどうにかは出来るらしいが、そうすればレプリカの体であるそいつの肉体は乖離する可能性が高いという・・・本来なら譜陣をどうにかしたところで何にもならんそうだが、ローレライがいることによりその分の音素の負担があるらしいんでな。レプリカの体ではそれに耐えきれんらしい」
「成程・・・ルークさんが死なないようにするための配慮と言うことからですか。そしてその鍵を使う事が出来るのはアッシュさん以外にいないと・・・」
アッシュはルークに対しての嘲りを隠そうともせずに理由についてを説明していくが、その中身にも態度にも触れずにヒューバートは納得する。ルークへの優位を疑わない気持ちになど興味はないといったよう、それでいて中身だけを抜き取ったように。
(・・・これは、どうすればいいの・・・ここにローレライがそんな形でいるって分かったのはまだいいけれど、ルークが譜陣をどうにかすることが出来ないのはどうなるの・・・これに関してはローレライの言葉に逆らってルークが鍵を使って、ルークの命が無くなるなんて事態になるのは避けたいし・・・)
その中でティアはそれらの話にそこはかとない不安のような物を感じていた。ルークじゃなくアッシュにしか出来ないという事実と、ルークがそう出来ないという事実がどう響くのかが分からないという事に。
「・・・ねぇアッシュ、ローレライはすぐに下に行って譜陣をどうにかしてほしいと言っていたのかしら?」
「・・・いや、そんなことは言っていなかったが・・・何でそんなことを聞きやがる?」
「いえ、今すぐにどうこうというわけではないのなら各国を回ってこの事についてを報告した上でどうするかを考えてからではどうかと思ったの。私達としてもローレライがここにいることもそうだけれど、そんな風な欲求を持っているとは思っていなかったからね」
「・・・フン、そういうことか・・・」
(・・・確かに少し時間は欲しいわ、これからの事を考えるためにも・・・)
そんな時にジュディスが声を上げて各国に報告をして自分達も落ち着ける時間を取るべきではと言ったことに、アッシュも悪くはないといったような反応になってティアも内心で悪くはないと考える。
「・・・じゃあ一先ずは決まりかな。取りあえずはダイクロフトに戻って各地を回ろう。譜陣を止めるのを急ぐ事は無さそうだしね・・・反対の人はいるかい?」
‘‘‘‘・・・’’’’
「・・・無いなら戻ろうか。これ以上はここにいるだけじゃ何も進みそうにないしね」
そしてクレスが流れをまとめるように戻ることを口にし、誰も反対と言った反応が無かったことに頷いて一同の先頭に立って出口の方へと歩き出す。
(・・・取りあえずはプラネットストームを止める事は避けられない事態だからまだこれはよしとしても、これから先はどうなるというかどうするべきなのかしら・・・)
その中でティアは混迷した流れにどうしたらいいのかにどうなるのかという気持ちを抱き、うつむきながらメンバーの後ろの方を歩いていく・・・ルークが今どんな表情をしているのかだとか、どういったことを考えているかだとか・・・そういったことを全く考えることもないままに・・・








.
6/22ページ
スキ