決意と決別の意識の差

「ま、簡単に説明すっけど一番下の所に行った時に今のアッシュみてぇに俺も頭痛くなったんだよ。それで頭の中で声が聞こえたと思ったら自分はローレライだって言ってきて、その鍵を渡してきたんだよ。アッシュに渡してくれってな」
「な、中身はそれだけなの・・・!?」
「・・・簡単に言うならその鍵を下の譜陣の所で使って、プラネットストームを止めてくれだとよ。それがなきゃプラネットストームが止めれない上に、自分が姿を現す事も出来ないんだと」
「なっ・・・!?」
ルークはまだ頭を抱えるアッシュの状態を横に何があったのかを言葉にし、慌てて疑問の声を向けてきたティアに答えを返すと絶句した様子を浮かべた。



(ローレライはラジエイトゲートにいたの・・・!?・・・いえ、それ以上に気になるのはその言い方・・・まるで・・・!)
「・・・まるでプラネットストームの中に閉じ込められてるような言い方に聞こえますね、その感じだと」
(っ、確かに私もそう思ったけれど何で貴方がそう言うのよ・・・!)
その絶句の理由はローレライがラジエイトゲートにいて閉じ込められていたといったように感じることだが、ヒューバートの言葉にすぐに不快感を浮かべる。自分が言いたかったとばかりに。
「けれど何故急にローレライがルークさんに話しかけてきたばかりか、その鍵を渡してきたんでしょうか・・・?」
「・・・ローレライの話だと、自分との完全同位体であるその屑が下にあるプラネットストームを構成する為の譜陣に来たから出来たことだそうだ」
「アッシュ!・・・大丈夫なのですか?」
「あぁ、ナタリア・・・ローレライからの話も終わったからな」
そんなティアの内心など考えてないといったようにミントが何故と言った声を上げると、アッシュが頭痛から復活して答えてナタリアが心配そうに声をかけると話が終わったから大丈夫だと返す。
「それで、ローレライは何と?」
「・・・ローレライからの話をまとめるなら自分は昔からラジエイトゲートにいたが、その理由は創世歴時代に良からぬハプニングが起こりプラネットストームの構成する為の譜陣に組み込まれるような形になってしまってずっとここにいるはめになってしまったそうだ。そしてそこにさっきたまたまその屑が来たことで音素が完全に同位体でなければ出来ない音素を通じての通信を使い、俺にこの鍵を渡すように仕向けた・・・とのことだ」
「成程・・・要は偶然ルークさんが来たからローレライはそれを利用したということでしょうが、なら何故今アッシュさんにその通信が出来ているのでしょうか?」
「それはこの鍵があるからだそうだ。と言ってもこのラジエイトゲートから離れれば向こうが話をしたくても出来んようだし、向こうから話しかけてくれねばどうしようもないようだがな」
「そうですか・・・では何故アッシュさんにその鍵を託したのですか、ローレライは?」
「フン・・・ローレライの話によればその劣化レプリカでは譜陣をどうにかする時に音素の乖離が有り得るからだとよ」
ヒューバートは淡々と何があったのかを詳細を聞くように問い掛けていくのだが、ローレライがルークでなく自分を選んだという事実に優位性を得たとばかりにアッシュは嘲笑うような笑みをわざとらしくルークに向ける。









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