決意と決別の意識の差

『・・・念の為に聞かせてもらうが、その理由はアッシュがそなたを拒否したからか?』
「まぁ最終的な理由はそこ、だよ」
ルークの意思は確認した。だがそれでも改めて確認する声を向けるローレライにルークは頷く、その通りだと。
「一応さ、アッシュが俺の事を前のように認めてくれるかもって期待もしてたんだ。前の時は最期の時じゃあったけど、後を託されたから少しは前のようにってなるかってさ・・・でもそうはならなかった。まぁ前と同じような展開なんか全く無かったし、旅をしてる間も仲良くとは言わなくても少しは話せるようになるかって期待はしてたんだけどな・・・」
『・・・もし仮に、アッシュがそなたと共にキムラスカに戻ると選択したのなら、そなたはこちらに残るつもりだったのか?あのティアがいるということを加味した上でだ』
「・・・確かにあのティアがいることに関しては不安は大きいって言えば大きいけど、それでもアッシュが向こうから俺と一緒にいることを選択してくれるって言うんなら俺にもそれを頼りに頑張れるって思ったんだ・・・そりゃアッシュとすんなり仲良くなれるなんて思っちゃいないけど、それでもアッシュ自身から言い出したことなんだから、俺がそれに応えなきゃアッシュの考えを無駄にすることになるって思うからさ」
『・・・だがアッシュは結局はそうすることを選ぶことなく、今も自分はどうするかと考えつつももうそこにそなたと共にいようという考えを抱くことだけはない・・・と見たと言うことか』
「まぁな・・・」
いかにアッシュに望みがあって、それをアッシュ自身が知らず知らずとは言え否定してきたのか・・・ルークが自身の気持ちに経緯を語るのだが、それがいかに気持ちが本気かだったかが分かるように天を仰ぎ見て目をつぶる。アッシュが答えを変えることを望んでいたと、本気で思っていたのだと感じさせるよう。
『・・・分かった。そなたの答えはもう決まったのだということは。そしてそう言うからにはアッシュの答えがもし万が一にでも変わっていなかったなら、その答えは以降に何があっても変える気はないのだな?』
「あぁ・・・それはない。多分っていうか間違いなくローレライはティアの事を心配して言ってるんだろうけれど、俺が迷ってるだとかそういった空気を出せばそこに付け入る隙を見出だしたってばかりに俺に色々言ってくると思う。それこそ俺の決意が変わるまで、自分の言うことを聞くまでってな・・・」
『そうなるだろうな・・・』
「・・・皮肉だって思うよ。俺には残りたいって気持ちもあるし、ティアの事を大丈夫だって思いたい・・・でもそんな事をしたら俺にとって望ましくないことが起こるって感じるから、迷うことも戸惑う姿を見せることもしない方がいいって思えたから決断が出来たって思うとさ・・・」
『っ・・・そうだな・・・皮肉にしか思えんな・・・』
ただそれでもとまた確認を取るローレライにルークもその質問の意図がティアにあると気付くが、顔を下ろして寂しげでいて悲し気な表情で気持ちが固まったのが他ならぬティアだと漏らした事にローレライも言葉に詰まりかけながらも同意した。いや、せざるを得なかった・・・今もルークは大事な仲間だと思っているのに、それをことごとくぶち壊していったティアの行動が決意を固め、そのティアの望みとは逆の結論を招いたという皮肉にしか思えない結果に。









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